医学界新聞

 

動き出した日本看護協会の「まちの保健室」構想


 日本看護協会では,「国民の健康への関心が高まるにつれ,身近な看護職者に相談できる機能の重要性が見直され,気軽に健康相談ができる保健室のような場所が求められるようになった。そもそも保健室とは健康相談の場所であり,癒しの場でもある」として,地域の人々がさまざまな問題を気軽に相談できる機能を「まちの保健室」と名づけ,看護職者のいるさまざまな場所で柔軟に展開することを提唱している。この「まちの保健室」構想が動き出した(日本看護協会ニュース,2月15日付号参照)。
 これに伴い,日本看護協会では,以下の通り平成13(2001)年度の「地域における看護提供システムモデル事業(まちの保健室等)」の募集を開始,締切が迫っている。

●平成13(2001)年度「地域における看護提供システムモデル事業(まちの保健室等)」募集要綱
◆目的:本事業は,平成8年度から継続してきた,保健医療福祉に関する地域保健活動のモデル事業をさらに発展させ,21世紀の少子高齢社会に対応する地域の保健医療を推進する看護提供システムを研究・開発することと,これまで各地で取り組まれてきた実践をさらに新しい看護提供システムとして普及・定着させることを目的に行なうものである。
 今年度は特に,疾病予防活動と健康増進を核とした,身近で気軽に健康相談ができ,幅広い機能を持つ「まちの保健室」構想を具体化することを目的にしている。
 この「まちの保健室」等のモデル事業では,広く看護職が国民の健康の保持増進に寄与すべく,新たな利用者参加型の看護提供システムを地域で実践的に研究することがねらいだが,この事業を通して市民や行政,関係団体の看護協会や看護職への理解が深められることや,さらに今後の施策に反映させる成果を得ることが期待される
◆モデルの対象:今年度のモデル事業では,日本看護協会が推進する「まちの保健室」づくりに取り組む。
 この「まちの保健室」構想とは,看護職が多様な場で,子どもから高齢者まであらゆる年齢層,あらゆる健康レベルの人々を対象として健康相談やプライマリヘルスケア,ネットワークづくり等を担う事業をさす。これは看護職が新たな看護提供システムにチャレンジするモデル事業である
◆モデルの要件:下記の条件を満たすこと
●住民等が参加し,まちづくりへの広がりが期待できるもの
●都道府県や当該市町村の首長・関係者に理解され協力が得られるもの
●保助看・三職能が一体となり取り組めるものが望ましい
●県看護協会として取り組むもの,または都道府県看護協会長の推薦を得て,都道府県看護協会との協同で行なうもの
◆助成対象と応募方法:協会会員がグループで取り組むものや,都道府県看護協会(地区支部なども含む)が取り組むものなどに助成する。いずれも都道府県看護協会長の推薦が得られることを条件とする
◆助成件数および助成金額:6件程度。1件につき200万円程度
◆事業実施期間:2001年4月-翌年3月
◆応募締切:3月末日(結果は4月上旬)
◆問合せ先:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-8-2 日本看護協会専門職業務部
 TEL(03)3400-8610/FAX(03)3400-6329
【補足】
◆まちの保健室の持つ機能
情報交換,相談,ネットワーク,対話,ヘルスプロモーションの推進,世代間交流
◆まちの保健室を展開する場
既存の保健医療福祉に関連する施設(例:診療所,病院,訪問看護ステーション, 在宅介護支援センター),その他