医学界新聞

 

2000年度臨床病理学研究振興基金

「研究奨励金」「小酒井望賞」授与式開催


 さる2月2日に,東京・新宿区の市ヶ谷ハウスにおいて,公益信託臨床病理学研究振興基金の2000年度「研究奨励金」および「小酒井望賞」の授与式が開催された。当基金は,臨床病理学における若手の研究者育成を目的に,1989年に設立されて以来,累積111件・総額8420万円にのぼる研究奨励金を授与している。「小酒井望賞」は,当基金の初代信託管理人の名を冠した賞で,「研究奨励金」を授与された後,5年間にわたって活発な研究を継続し,顕著な研究成果をあげた者に与えられる。本年は,「研究奨励金」が小林大介氏(札幌医大)ら計8名の研究者に授与されるとともに,「小酒井望賞」に市原清志氏(川崎医科大)が選出された。
 同基金の運営委員長を務める河合忠氏(国際臨床病理センター)は,選考経過を報告するとともに,「奨励金を有効に活用し,今後の臨床病理学に寄与していただきたい」と激励。「Immuno-PCR法による生体内微量サイトカインの高感度検出系の確立と臨床応用」の業績が認められた小林氏は,「ポストゲノム時代は,臨床病理学者の活躍の舞台だと思う。病気の診断に役立つ,質が高くインパクトのある研究成果をあげることを約束する」とこれに応えた。一方,「大規模な臨床検査データベースを活用した新しい病態解析法の開発,下垂体甲状腺系の潜在的病態構造の解明」(1985年度に同奨励金を受賞)と最近5年間の研究成果を理由に受賞した市原氏は,「10年後に真の成果を出すべく,この賞に価する研究を工夫しながら継続していきたい」と抱負を述べた。