医学界新聞

 

娘と父の関係から,家族機能をみつめる

JUST「サバイバーズ・フォーラム@2001」開催


 JUST(日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン,斎藤学理事長)が主催する「サバイバーズ・フォーラム@2001」が,さる2月4日,東京・浅草のすみだリバーサイドホールにて開催された。看護界でも虐待や暴力被害者をめぐるケアが議論されつつあるが,JUSTは,さまざまなトラウマを持った人たちで運営されている団体で,いじめや虐待,暴力被害者の精神的癒し,人間関係の再構築を支援する組織(NPO法人)である。
 「娘と父の関係」をテーマに,「シンデレラ物語の裏側-東電OL殺人事件を読み解く」と題した今フォーラムでは,第1部として(1)実父からの性的虐待被害者,(2)売春経験者,(3)摂食障害の3名の女性サバイバーが発言。「父-娘」の関係は精神的に大きな影響を与えることを示唆した。また第2部の鼎談では,斎藤氏の進行のもと,佐野眞一氏(ノンフィクション作家),田口ランディ氏(作家)が登壇(写真)。1997年に渋谷区で殺害された東京電力勤務のOLには,摂食障害の他にも種々のトラウマがあったとされるが,その生きざまが語られるとともに,日本に根強く残る「家父長制」が家族の病をもたらしていることが指摘された。斎藤氏は,フォーラムのまとめとして「女性の時代と言われるが,待つのではなく,自らが作り上げる時代であることを意識してほしい」と述べた。
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