医学界新聞

 

第5回慶應医学賞授賞式開催


 昨(2000)年11月29日,東京・新宿区の慶應義塾大学北里記念医学図書館において,第5回慶應医学賞の授賞式が行なわれた。本賞は,同大医学部卒業生からの寄贈を受けて設立された「慶應義塾医学振興基金」の事業の1つとして,1996年から「医学・生命科学の創造的発展に貢献するとともに,この分野における国際的な人材の育成と交流に寄与し,人類全体の福祉の向上をはかる」ことを目標に創設された。
 第5回の受賞者は,アーノルド・J・レビン氏(米・ロックフェラー大学長/癌生物学研究室教授),および中村祐輔氏(東大医科研ヒトゲノム解析センター長/ゲノムシークエンス解析分野教授)の2名〔第2414号(2000年11月27日付)に詳報〕。「腫瘍抑制遺伝子および重要な細胞内シグナル伝達分子としてのp53の解析」を業績に受賞したレビン氏は,「本研究に寄与した北里フィルターの開発者北里柴三郎氏の名を冠した講堂において表彰されることは大変感慨深い」と喜びを表した。また,「ゲノム解析に基づいたヒト諸疾患の病因遺伝子の解明」を業績に受賞した中村氏は,「20年間,癌患者の苦しみを少しでも取り除きたいと研究を続けてきた。今後もこの賞を励みとして,臨床応用できる顕著な成果を出すべく,さらなる研究に努めたい」と抱負を述べた。