医学界新聞

 

「日本言語聴覚士協会」の設立記念祝賀会が開かれる


 日本言語聴覚士協会の設立記念祝賀会が,さる6月8日,東京・港区の虎ノ門パストラルにおいて開催された。

4000名の国家資格者が誕生

 言語聴覚士(speech-language-hearing therapist)とは,「音声機能・言語機能または聴覚機能障害のある者について,その機能の維持向上を図るために,言語訓練その他の訓練,これに必要な検査および助言,指導,その他の援助を行なう者」として「言語聴覚士法」で定められた国家資格である。近年の高齢化・疾病構造の変化に伴い,脳卒中などによる言語機能障害や,先天的難聴などの聴覚障害に対するリハビリテーションを行なう専門職種として,今後ますます人材の質的・量的向上が求められている。
 本協会は,1998年9月に同法が施行され,翌年の第1回国家試験で約4000名の言語聴覚士が誕生したことを契機として,より質の高いサービスを言語聴覚障害者に提供することを目的として本年1月に設立。5月現在,2342名の会員を擁するに至っている。

高齢社会に向けての活躍を期待

 開会挨拶では,藤田郁代会長(国際医療福祉大教授)が「理学療法士法,作業療法士法などが1965年に制定されたのに対し,言語聴覚士法はそれから30年以上も遅れ,ようやく成立された。今回の法制化実現は,関連学会や患者団体による厚い支援の賜物であり,まず,医療の場においては,チーム医療の一員として,国民の健康・生活の質(QOL)の向上に寄与していきたい」と抱負を述べた。
 来賓挨拶では斉藤十朗氏(参議院議長),伊藤雅治氏(厚生省健康政策局長),津山直一氏(日本肢体不自由児協会会長・国立身体障害者リハビリテーションセンター名誉総長),橋本一夫氏(全国失語症友の会連合理事長)から,「今回の法制定および協会設立を機に,わが国の言語聴覚士が大同団結し,高齢化社会に向けてますます活躍されることを期待する」旨の祝辞が寄せられた。その後,高木邦格氏(国際医療福祉大理事長)によって乾杯の音頭が取られ,祝賀会は和やかに進行した。
 なお,本協会初の臨時総会および学術集会(講演会とシンポジウム)は,本年11月3日に,横浜市の鶴見会館において開催される。