医学界新聞

 

第3回日本臨床救急医学会開催


 さる4月26-27日の両日,第3回日本臨床救急医学会が,小林国男会長(帝京大教授)のもと,「病院から救急現場へ」をメインテーマとして,東京・千代田区の都市センターホテル,および隣接する麹町会館で開催された。
 同学会は,1998年に救急医療に携わる医師,看護職,救急隊員,行政官などの異職種が,救急医療の向上のために共同して研鑚を積む場として発足。なお,日本救急医学会からは看護部会,救急隊員部会が1999年までに独立しているが,同部会員の多くは,臨床現場に密着する組織である日本臨床救急医学会に参集した。

救急医療を現場で支えるナース

 今学会では,会長講演「次の世代の救急医療と日本臨床救急医学会の役割」や,メインテーマに沿った「病院から救急現場へ-ドクターカー,ヘリコプター運用の課題と展望」をはじめ,プレホスピタル支援の「マルチメディア」,「メディカルコントロール」,さらに「医療需要と救急医療体制-大都市,地方都市,過疎地における救急医療」の4題のシンポジウムに加え,医療事故防止対策などのパネルディスカッションが4題,救急医療従事者のための感染予防対策など4題のワークショップが企画された。また,10題の教育講演の他,現状の救急外来と医師のあり方を問うランチョン討論「ER-救急外来のあり方を考える」(司会=船橋市立医療センター 金弘氏)も開催。一般演題発表は,口演およびポスターにて380題が発表された。
 これらの中で看護関連については,教育講演「臓器提供脳死患者の家族援助を考える」(大阪府立千里救命救急センター 寺師榮氏),「救急看護に活かす看護理論」(金子道子氏),「救急看護のクリティカルパス」(東大保健管理 菅野由貴子氏)をはじめ,シンポジウムなどでも看護職者が演者として登壇するなど,救急医療を現場で支える立場を主張。また一般演題も,「ICU看護」から「低体温療法」や「肺理学療法」などの視点まで38題が報告された。