医学界新聞

 

2000年(1999年度)保助看国家試験合格者発表


 厚生省はさる3月30日に,本年2月に実施された第86回保健婦(士)国家試験,第83回助産婦国家試験,第89回看護婦(士)国家試験の合格者を,全国11会場で14時より一斉に発表した。なお,東京の発表会場となった厚生省講堂には,早朝8時から受験者がつめかけた。
 本年の合格率は,保健婦(士)で90.7%(4900人)と昨年の95.4%(4575人)を約5%下回ったものの,看護系4年制大学卒の受験者が増加したためと思われるが,合格者数は増えている。また,助産婦は96.3%(1697人)と保健婦(士)と逆の傾向を示した。一方,昨年はじめて5万人を超える合格者を出した看護婦(士)では,今年の合格者(率)が46817人(96.4%)と昨年より人数,合格率ともに下回る結果となった。これは,それまでの数年間が90%を割る低い合格率だったが,昨年は既卒者が大幅に合格率をあげており,大量の合格者を出した昨年の結果が特別だったとも言える。
 今回の全体的な傾向としては,4年制大学の増加とともに,看護婦・保健婦で受験者が増えている(助産婦は横並び傾向)が,合格率が特に既卒者でそれぞれ低下しているのが特徴となっている(別表および合格者状況を参照。関連記事を掲載)。
 なお,今回行なわれた第83回助産婦国家試験の大阪会場で,午前の問題が紛失するという事故が起きたが,厚生省はこれに対して警察に被害届を提出。現在は捜査結果を待っている状況だが,厚生省ではこの影響に対して「3月10日の医療関係者審議会保健助産看護婦部会において試験結果を慎重に検討したところ,助産婦国家試験が適正に行なわれたものと判断された」として合格者の発表を行なった。さらに,「なお,仮に今後,不正受験の事実が確認された場合は,保健婦助産婦看護婦法に基づき適切な措置を講ずる」とコメントしている。

保助看国家試験合格者数と合格率の推移
 合格者数合格率
看護婦1996年
1997 
1998 
1999 
2000 
40927名
43317 
44364 
53821 
46817 
89.8%
87.0 
83.6 
97.1 
96.4 
保健婦1996年
1997 
1998 
1999 
2000 
2842名
3063 
3907 
4575 
4900 
98.2%
92.6 
95.9 
95.4 
90.7 
助産婦1996年
1997 
1998 
1999 
2000 
1580名
1601 
1463 
1790 
1695 
97.4%
98.0 
88.7 
95.6 
96.3 


2000年(1999年度)保助看国家試験合格状況一覧

第89回看護婦国家試験合格状況

第86回保健婦国家試験合格状況

第83回助産婦国家試験合格状況