第2381号 2000年3月27日


クリニカルパスの有効性-「JAMA」から

阿部俊子(東医歯大医学部保健衛生学科・看護管理学専攻)


■一般の人も関心を示すクリニカルパス
 「肺炎の治療では,クリニカルパスをガイドラインとして用いたほうが,在院日数が1.7日短縮し,さらには1.7日間点滴治療が削減でき,抗生物質の使用も削減された」という研究結果が「JAMA(The Journal of the American Medical Association)」誌(本年2月9日号)に発表された。
 これは,一般の人にも「医療ケアの標準化」ということで興味のあることらしく,「JAMA」が出版された時に,ニューヨークでは朝のTVニュースで繰り返し取り上げていた。JCAHO(米・医療施設認定委員会)では2000年からクリニカルパスの使用を推奨しているために,これはタイムリーな記事でもあった。

■研究内容とその結果
 研究の対象は1743人の患者で,カナダの19の教育病院や地域病院で行なわれたクラスターの無作為抽出のコントロール研究であり,6週間のフォローアップも行なった。19の病院のうち,9つの病院がクリニカルパス(以下,パス)を使用して治療。そのパスは,入院基準のガイドライン,治療内容などのガイドラインが含まれたものである。アウトカムとして使用されたのは,QOLとしての簡便法の身体因子サマリー(SF-36PCS)を6週間目に行なったものと資源利用,さらに在院日数であった。
 結果としては,再入院率,合併症の発生率,QOL,致死率はパスであろうとそうでない方法であろうと差異は見られなかった。在院日数はパス使用で4.4日。パスを使用しなかった6.1日よりも1.7日短く(p=.04),リスクの低い患者の再入院率も31%と,パスを使用しない(49%)よりも有意に低かった(p=.01)。また,パス使用の対象患者のほうが重症であるにもかかわらず,IV治療は1.7日短かった(4.6日vs6.3日,p=.01)。パスを使用したほうが,副作用や問題を生じないで,資源を有効に利用できるということがこの研究で報告されている。

〔掲載〕Marrie,T.J., Lau,C.Y., Wheeler,S.L.,Wong,C.J.,Vandevoort,M.K.,Feagan,B.G. : A Controlled Trial of a Critical Pathway for Treatment of Community-Aquired Pneumonia; 283(6), 749-755, JAMA, 9.Feb. 2000