医学界新聞

 

田村誠氏らが吉村賞を受賞


 さる11月12日,東京千代田区の銀行倶楽部において,第13回吉村賞研究助成金贈呈書交付式が行なわれ,田村誠(国際医療福祉大助教授),濃沼信夫(東北大教授)の両氏に授与された。
 田村氏は『マネジドケアで医療はどう変わるのか-その問題点と潜在力』(医学書院刊)により,「豊富な文献資料をもとに,マネジドケアによる米国医療の変容について,プラス・マイナスの両面から緻密に考察し,わが国の医療システムへの示唆を探った努力が評価された」ことが授賞理由。一方,濃沼氏は調査研究「医療のグローバル・スタンダード」において,「OECD29か国の18年間の継時的データを用いて,グローバル・スタンダードという新たな視点から,日本の医療供給体制の基本的要素の状況を明快に示し,かつ21世紀のわが国の医療を展望した斬新さが評価されたもの」だ。
 吉村賞は故吉村仁氏(元厚生事務次官)を記念してその遺族が設定したもの(吉村記念厚生政策研究助成基金)で,「今後の厚生政策の企画立案の基盤となるべき卓越した調査研究に対して助成することにより,21世紀の高齢化社会に備えた社会保障政策の新たな展開に資すること」と目的としている。これまでに同賞の受賞者には,池上直己氏や二木立氏,広井良典氏,川渕孝一氏など,医療経済,医療政策分野で活躍する第一線の研究者たちが名を連ねている。