医学界新聞

 

吉田富三賞および長與又郎賞 受賞者決定する


 日本癌学会では,癌研究の先駆者である故吉田富三氏と,癌学会創始者の故長與又郎氏を記念して,毎年,優れた業績を残した癌研究者に対して吉田富三賞および長與又郎賞を授与している。
 今年で第8回の受賞となる吉田富三賞は,ATL(成人T細胞白血病)ウイルスを同定し,癌化のメカニズムを解析した吉田光昭氏(萬有製薬つくば研究所長;写真左)が受賞。挨拶に立った吉田氏は,「癌化ウイルスの研究はまだ終わっていない。どういうウイルスが,どういう標的に対して細胞増殖に関わっているのかが今後の課題」と述べ,「分子生物学こそが癌の予防に最も簡単に役立つ」と語った。
 また第4回長與又郎賞には,吉田氏と同様ATLの研究に功績のあった高月清氏(北野病院長;写真右)が選ばれた。