医学界新聞

 

日本クリニカルパス学会

設立記念講演会 行なわれる


 さる7月24日,東京・千代田区の神田パンセホールにおいて,日本クリニカルパス学会(会長=済生会熊本病院長 須古博信氏)の設立記念講演会が行なわれた。本学会は,特にチーム医療によるクリニカルパス(以下,CP)の手法のさらなる普及をめざし,患者中心の医療ケアに貢献するという趣旨のもとに設立。事業目的として,「臨床現場における具体的なCPの導入,運用,および改善を支援すること」を掲げ,「地域ごとの小さな例会などに重点を置き,学術的というよりは,コメディカルを含めた実践的な討論の場としての学会」(須古会長)をめざした。
 今記念講演会では,名誉会長の末舛惠一氏(都済生会中央病院長)が,「CPの主役は患者・家族である」と語った他,郡司篤晃氏(聖学院大)は,「CPを患者に説明することは大きなインフォームド・コンセントになる。また,CPからはずれてしまった時にはケアマネジャーが必要」とCPの普及へ向けた心構えを述べた。
 さらに,須古会長,山崎絆氏(都済生会中央病院),高瀬浩造氏(東医歯大),井上忠夫氏(聖路加国際病院),松崎政三氏(東京厚生年金病院),阿部俊子氏(東医歯大)らが登壇。それぞれの立場からCP導入の課題や活用方法が語られ,特にEBM(Evidence-Based Medicine)との関わりが強調された。また,挨拶に立った岩崎榮氏(日医大常任理事)は,「看護職が始めたものは医師の反発に合うことが多い」ことを指摘。CPの重要性を語るとともに,その発展に期待した。
 その他,CPの教育やEBC(Evidence-Based Care)などにも話題がおよび,400人を超す参加者が熱心に耳を傾けた。
 なお,本学会に関する問合せは下記まで。
 [日本クリニカルパス学会事務局]
 TEL(03)3470-9961/FAX(03)3470-9962