医学界新聞

 

「21世紀に求められる精神科看護」を論議

第24回日本精神科看護学会鹿児島大会開催


 さる5月26-28日の3日間,日本精神科看護技術協会(櫻井清会長,会員数約3万4千人)総会ならびに日本精神科看護学会第24回鹿児島大会が,鹿児島市の鹿児島市民文化ホールで開催された。
 櫻井会長は開会にあたり,21世紀に求められる精神科看護を探るべく,今学会のテーマを昨年に引き続き「21世紀に求められる精神科看護」とし,サブテーマを「精神科における“知る権利”の現状と課題」としたと述べた。なお,開催祝辞を述べた厚生省の小林秀資健康政策局長(代読=小野寺武課長)は,2年前に実施された看護学校の新カリキュラムに伴う「看護婦国家試験出題基準」が間もなく発表されることや,「准看護婦から看護婦への移行問題」に関連しては「移行教育は,関係各方面と話し合いながら進めていきたい」と述べた。

精神科認定看護婦制度の将来展望

 なお本学会では,紙上発表を含めた一般演題210題の他,櫻井会長による基調講演をはじめ文化講演「精神医療における患者の人権-インフォームドコンセントを中心に」(弁護士 鈴木利廣氏),テーマに沿ったシンポジウム「21世紀に求められる精神科看護」などが行なわれた。さらに学会2日目には緊急企画として公開座談会「わが国の精神科認定看護婦制度の将来展望」(司会=静岡県立大 金城祥教氏)を実施。精神科認定看護婦・看護士制度が開始(制度発足は1994年,第1回試験は1997年に実施)され現在21名となった認定看護婦・士の教育目的と役割などを論じ合う場となった。
 上記座談会に出席したのは,高橋政代氏(盛岡市立病院),木村千都子氏(静岡・榛原総合病院),島村清子氏(沖縄・天久台病院)の3名の認定看護婦の他,萱間真美氏(都精神研),長江美代子氏(イリノイ大大学院精神看護),仲地光明氏(日本精神科看護協会認定運営委員会委員長)。ここでは認定看護婦・士が,(1)現在どのようなことをしているのか,(2)将来どのようなことをしていきたいか,(3)何が期待されているのか,(4)協会としてどのような支援ができるのか,に視点をあて論議された。一般参加者からは,「准看護婦・士は認定看護婦になれないために,現場では興味なく見られている」「専門特化していくことが看護に必要なのか」などの問題も提起。また今後の認定更新(5年ごと)にどう対処していくかなども議論された。