医学界新聞

 

金原一郎記念医学医療振興財団

第25回認定証贈呈式行なわれる


 金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=理化研脳科学総合研究センター所長 伊藤正男氏)の平成10年度下期助成金の認定証贈呈式が,さる3月1日,東京・本郷の医学書院本社において行なわれた。
 同財団はこれまで,(1)基礎医学医療研究助成,(2)研究交流助成,(3)留学生受入助成,(4)研究出版助成,(5)学会・研究会への助成など,基礎医学を中心にさまざまな助成を行なっているが,今回は,「第13回研究交流助成」43名,「第13回留学生受入助成」3名,「第12回研究出版助成」1名の,計47名に助成金が交付された。
 贈呈式は,金原優氏(同財団常任理事・医学書院社長)をはじめ,野々村禎昭氏(帝京大教授)や同財団役員の他,助成金対象者の代表10名が出席するなか行なわれた。挨拶に立った金原氏は,「当財団は,医学界に少しでも貢献しようと,基礎医学を中心に助成を行なってきた。この助成金を有効に使い,さらに良い研究を続け,成果を伸ばしてほしい」と語り,対象者に認定証を手渡した。
 続いて,選考委員長を勤めた野々村氏が選考過程を報告。「留学生受入助成は30倍を超える競争率で,本来なら初めて日本に来る留学生にも交付したいが,やむを得ず,もう少し日本での研究を続けたいという,実績のある留学生に対象を絞った。研究交流助成は交付者を増やしたので比較的競争率は低かったが,難関を通ってきたことは事実。出版助成は文句なく決まった。全体的に見ると,西高東低となったようだ」と述べた。
 また,交付対象者の代表として,研究交流助成を交付された中野裕康氏(順大)が挨拶に立ち,「サイエンスにとって最先端の施設との情報交換は重要であり,海外の研究者との交流はその理想的な活動である。このような画期的な助成に感謝するとともに,経済的にも苦しい大学院生にも助成の枠を広げてほしい」と語った。

交付対象者一覧