医学界新聞

臨床工学技士誕生10周年記念シンポジウム

「10年を振り返り21世紀を展望する」が開かれる


「臨床工学」および「臨床工学技士」の誕生

 日本臨床工学技士会(会長=前田記念腎研究所 川崎忠行氏)主催による「臨床工学技士誕生10周年記念シンポジウム:10年を振り返り21世紀を展望する」が,さる2月13日,東京・一ツ橋の如水会館において開催された。
 現代の医療,ことに高度医療は文字どおり日進月歩の進歩を遂げ,疾患(疾病,外傷など)の診療のみでなく,予防医学,保健,早期健康診断などの公衆衛生を含めて,今日の長寿・健康社会を実現した。これらの中で,医療内容そのものの進歩が直接貢献していることはいうまでもないが,同時に種々の関連した分野からの支援を受けていることも事実であり,その1つに「医用工学」がある。現在,多くの医用工学機器が診療の場で応用され,これらの支援なしに高度医療を行なうことは不可能であると言っても過言ではない。
 そしてそれらを専門に取り扱い,臨床の場で応用する際に生じる諸問題を検討する学問体系「臨床工学(Clinical Engineering)」が誕生し,さらに,臨床工学に関わる医用工学機器を専門に取り扱う医療関連職種が生まれた。わが国では1988(昭和63)年4月に「臨床工学技士法」が施行され,本年10周年を迎えたわけである。