医学界新聞

シルバーサービス研究会100回記念

高齢期を生きる「介護と自立」開催


 シルバーサービス研究会は,「高齢者にとって……」をキーワードに,1991年より毎月海外の高齢者向けサービスについての勉強会を開催している。
 さる10月24日,同研究会は100回記念企画として「高齢期を生きる“介護と自立”-オーストラリアのコミュニティケアと21世紀の日本の介護」を,東京の早稲田大学国際会議場で開催。午前中にはシンポジウム「世界のケアマネジメントの最新動向」が企画され,ドイツの介護保険(早大教授 土田武氏),オーストラリアの高齢者ケア(服部メディカル研究所長 服部万里子氏),日本と世界のケアマネジメント(厚生省・前在メルボルン日本国領事 西村淳氏),オーストラリアにおける痴呆性高齢者のためのケアマネジメント(豪州痴呆サービス開発センター所長 リチャード・フレミング氏)の口演が行なわれた。また,午後にはシンポジウムの演者らを中心に,パネルディスカッション「介護と自立」(司会=服部氏)が開かれた。
 オーストラリアから訪日中(本紙6面,「シドニー発最新看護便」参照)のフレミング氏は,「痴呆症ケアは,人間のかかわる仕事の中で最も豊かな分野の1つである」と位置づけるとともに,「痴呆症の患者は過去に生きている人。彼らを現時点に戻すのではなく,彼らが生きてきた時代のままでのびのびと暮らすことを心がけたい」と述べ,そのためのシステム,環境の整備の必要性を訴えた。
 なお,同研究会の連絡先は下記の通り。
・服部メディカル研究所
 〒150-4600 渋谷区松涛1-1-3 TEL(03)3465-3147