NPO法とは?
-12の活動分野で非営利団体を支援
医療,福祉,まちづくり,国際協力など12の分野(表)で活動する民間非営利団体(NPO)を支援するための特定非営利活動促進法(NPO法)が今年3月19日に成立,12月1日から施行される。同法はボランティア団体などに法人格を与え,活動を法的に保障することを第1の目的としている。
日本ではNPOが発展しない要因の1つとして,法人格取得の難しさが指摘されていた。既存のNPOは法的裏づけのない任意団体のため,登記や契約が団体名義でできず,代表が個人名で署名するしかなく,相続にからむトラブル発生の可能性などから社会的信用を得るのが難しかった。また,海外で援助活動をしている団体は入国査証取得や駐在に支障を生じていた。
介護保険で居宅サービス事業者に
NPOに法人格が与えられることにより,団体として契約ができるようになることは社会認知のために大きな前進である。さらに,2000年4月施行の介護保険法では,公的介護サービスを提供する「指定居宅サービス事業者」になることができれば,一定の報酬を受けることができるため,事業者になる要件である法人格の取得が可能になったことにより,介護分野においてはより事業性が向上した活躍が期待されている。介護保険導入後はホームヘルパー不足でNPO活用が欠かせないと言われており,すでに東京都は一部の地域で在宅介護サービス分野でのNPO活用を探るモデル事業に着手している。NPO法は,主務官庁制度によらず,法人格の認証は都道府県が独自にやれる団体委任事務とし,自治体独自の条例に基づいて施行するという枠組みであること,事業報告や決算について必ず都道府県に届け出て,誰もが閲覧できるようにするなどの情報公開を規定したことの他に,議員立法であったことからも画期的立法と言われている。しかし,税制上の優遇措置は一切盛り込まれていないことから(施行後,3年以内に検討),NPO法ができても財政基盤の強化には直接の効果はないこと,認証に関する役所の裁量権や監督権限を残したことなどの問題を指摘する声もある。
(1)保健,医療または福祉の増進を図る活動
(2)社会教育の推進を図る活動 (3)町づくりの推進を図る活動 (4)文化・芸術またはスポーツの振興を図る活動 (5)環境の保全を図る活動 (6)災害救援活動 (7)地域安全活動 (8)人権の擁護または平和の推進を図る活動 (9)国際協力の活動 (10)男女共同参画社会の形成の促進を図る活動 (11)子どもの健全育成を図る活動 (12)前各項に揚げる活動を行なう団体の運営または活動に関する連絡,助言または援助の活動 |