医学界新聞

1997年「看護職員実態調査」結果(速報)まとまる

(社)日本看護協会 1998年3月20日


 日本看護協会(見藤隆子会長)では,1965年以来4年ごとに,会員を対象に「看護職員実態調査」を実施しているが,昨(1997)年10月に実施した第9回の調査結果の速報を,さる3月20日に公表した。

調査結果の概要

 調査結果によると,回答者4636名の平均年齢は37.2歳であり,既婚率62.6%,うち「子どもあり」は85.6%,平均の子ども数は2.3人。労働環境では,正職員の週所定労働時間は平均40時間7分,前回調査(1993年)より1時間16分短縮されている。また,正職員のうち完全週休2日制の適用を受けている者の比率は62.8%で,前回より8.4ポイント増加。また,職場に介護休暇制度があると回答した者は39.8%あり,前回より約3倍増であった。
 病院勤務者の夜勤形態は,3交代制が58.2%と最も多いが,前回より6ポイント減少,逆に2交代制が7ポイント増加し11.8%。3交代勤務者の平均夜勤回数(1997年9月)は8.4回で,前回(8.7回)より減少。2交代勤務者は4.6回であった。
 また,今回調査では3交代の経験がある2交代勤務者を対象に,(1)疲れにくさ,(2)患者サービスの質,(3)業務遂行上のゆとり,(4)私生活との両立の4視点から3交代と2交代を比較した。その結果,2交代のほうがよいとする回答は(3)で47.1%,(4)が71.1%あった。これについて日本看護協会は,「2交代のほうが“業務遂行上のゆとり”があるとの回答が多かったのは,1勤務が長く自分で仕事の流れを組み立てる余裕が生じることが一因。“私生活との両立”がしやすいという回答は,2交代では出勤回数が減り勤務と次の勤務との間隔が長くなること,これに伴い連続した休日が設定しやすいこと,また深夜の出退勤がなくなることが背景にある」と解説している。
 さらに,34.4%の看護職が今後働きたい職場として「訪問看護ステーション」をあげたが,同協会では「介護保険導入を見込んでの回答であり,従来看護婦確保が困難であった職場でも,条件次第で看護婦確保の可能性がある」と分析している。
 なお,速報は日本看護協会のホームページ(下記)でも閲覧が可能。
・問合せ先:日本看護協会調査研究課
 TEL(03)3400-8382
 ホームページ:http://www.nurse.or.jp/