医学界新聞

助産婦国家試験で合格率が初めて90%を割る

1998年保助看国家試験合格者発表


 厚生省は3月30日に,本年2月に実施した第84回保健婦(士),第81回助産婦,第87回看護婦(士)国家試験の合格者を発表した。これによると,合格率は保健婦(士)が95.9%(昨年比+3.2ポイント),助産婦が88.7%(同-9.3ポイント),看護婦(士)83.6%(同-3.4ポイント)で,看護婦(士)は3年連続で下降をたどっているが,その要因としては既卒者の合格率が50%を下回っていることにありそうだ。また,保健婦(士)は昨年合格率が大幅に下がったものの今年は回復された。それに比較して常に97%以上の合格率を保っていた助産婦は本年初めて90%を割る結果となった(下表参照,また合格状況を掲載)。

 今回行なわれた看護婦(士)国家試験には,初めて5万人を超える受験者(新卒4万6866人,既卒6186人,計5万3052人)が臨んだが,合格者は前述83.6%の4万4364名にとどまった。また,今回行なわれた試験には「不適切問題」があり,採点対象から除外することを初めて公表。これは,「結核について正しいのはどれか(問題63)」の設問に対し,「正解がない」との判断により除外処置がとられたもの。なお,この「不適切問題の取り扱い」について厚生省は,「従来から健康政策局所管の医師等国家試験において,試験委員会における検討の結果,問題として適切でないと認められる問題(不適切問題)があった場合には,採点対象から除外し,または複数の選択肢を正解として採点することとしている。今後は国家試験の公平性,透明性を高めるため,不適切問題があった場合には公表することとする」との見解を示した。
 一方,関連職種としての社会福祉士および介護福祉士国家試験の合格発表が3月31日に,臨床工学技士の合格発表が4月3日に行なわれたので,併せて報告する。
●第10回社会福祉士国家試験:合格率27.6%(受験者数1万2535人,合格者3460人,受験者数が1万名を超えたのは今回初。また合格者が3000名を超えたのも今回初)
●第10回介護福祉士国家試験:合格率50.1%(受験者数3万1567人,合格者1万5819人。なお合格率は第4回以来50%台を維持,男性の合格者が初めて2000名を越えた)
●第11回臨床工学技士国家試験:合格率74.7%(受験者数970人,合格者725人)


1998年 保助看国家試験合格状況一覧