医学界新聞

第9回「理学療法ジャーナル賞」贈呈式が行なわれる


 第9回「理学療法ジャーナル賞」の贈呈式が,さる2月7日,東京・本郷の学士会館において行なわれた。なお,今回の受賞者は下記の2氏。
〔準入賞〕松波智郁氏(神奈川県立こども医療センター)「極低出生体重児に対するポジショニングの影響」(『理学療法ジャーナル』第31巻6号)。
〔奨励賞〕寺田茂氏(金沢赤十字病院)「脳卒中片麻痺患者における患側筋出力特性と感覚障害が筋力に対しておよぼす影響」(同誌第31巻1号)。

 理学療法士の研究奨励を目的とするこの賞は,『理学療法ジャーナル』誌(医学書院刊)に掲載された原著論文,依頼論文の中から,毎年1回同誌の編集委員会によって選考されるもので,当日は金原優医学書院社長より両氏に賞状と賞金が授与された。
 続いて,同誌編集委員会を代表して吉尾雅春氏(札幌医大保健医療部)が,「準入賞の松波氏の論文は,極低出生体重児に対するポジショニングの影響を,NICU(新生児ICU)で極低出生体重児を扱う理学療法士の立場から検討したもの。“発達学的アプローチは非常に重要である”という認識はあるものの,これまではそれを科学的にうまく証明されていなかったが,松波氏の論文はその点に示唆を与える貴重な研究であることが評価された。しかし,具体的にポジショニングの期間がどれくらいだったのか,ということや,角度の計り方にも問題があり,また最終的な結果だけでなく,その経過も記述してほしかった。それが,入賞ではなく“準”に止まった理由である。注目している研究であるので,さらに内容を深めていただきたい」と選考経過と選評を報告した。
 一方,奨励賞に輝いた寺田氏の論文は,著者と査読者との間で,複数回におよぶ往復を経て掲載に至ったという経緯を持っている。
 なお,明年も今年1年間,同誌に掲載された論文の中から第10回「理学療法ジャーナル賞」の受賞論文が選考される。