医学界新聞

第8回認定内科専門医会講演会

電子カルテの現状と将来性を報告


 日本内科学会会期中の25日には,認定内科専門医会(会長=島根医大 小林祥泰氏)の第8回講演会が開催され,研究奨励賞受賞者による発表やシンポジウムが行なわれた。また星野一正氏(京大名誉教授)が特別講演「臨床倫理の基本的な考え方」を行ない,インフォームドコンセントのアメリカでの成立過程や法理などを語った。
 シンポジウム(司会=小林祥泰氏,千葉大 高林克日己氏)のテーマは「インターネットと電子カルテ」。まず,インターネットについて吉原博幸氏(宮崎医大)が,また電子カルテについて里村洋一氏(千葉大)が,それぞれ概要を解説。次いで電子カルテの実用化に向けた課題として,複数の施設間でのデータ交換に必要な対応が,吉原氏と里村氏から報告された。
 吉原氏は,診療データの互換性に関して,データ交換標準規約などの研究を紹介。また里村氏は,カルテの記載項目や表現(用語)の標準化,プライバシー保護基準などの必要性を指摘した。その後のディスカッションでは,電子カルテに関する厚生省の取り組みや国際的な標準化の動き,また将来の見通しなどが話し合われ,吉原氏は「標準化された電子カルテの導入が始まるのは開業医からだと思う」との考えを述べた。