医学界新聞

第17回日本脳神経外科コングレス開催


 第17回を迎えた日本脳神経外科コングレスが,橋本信夫会長(国立循環器病センター脳神経外科部長)のもとで,さる3月14-16日,京都市の国立京都国際会館において開催された。
 同コングレスは毎回さまざまな工夫が凝らされているが,今回は「脳神経外科医の生涯教育はどうあるべきかを最重要視した」という橋本会長の意向を体現し,招待講演,特別講演各1題,セッション7題,モーニングセミナー10題,ランチョンセミナー6題を企画。セッションのうち6題では,「重症脳脊髄損傷の治療(クモ膜下出血,脳内出血,脳梗塞,頭部外傷,脊髄損傷,慢性期意識障害)」,「脳神経外科-われわれは本当に基本をマスターしているか(悪性グリオーマ,内頸動脈瘤,腰椎椎間板ヘルニア,末梢神経)」,「脳神経外科-最前線の手術手技と合併症の回避法(脳動静脈奇形,頸部頸動脈内膜剥離術,脳底動脈瘤,術中トラブルの回避と対応-血管,聴神経腫瘍,傍矢状部髄膜腫,頭蓋咽頭腫,術中トラブルの回避と対応-腫瘍)」,「How to treat these lesions(動静脈奇形,グリオーマ,小児脂肪腫,キアリ奇形・脊髄空洞症,高齢者破裂脳動脈瘤,未破裂動脈瘤)」などの疾患が取り上げられた。
 また近年,新たな医療機器や医療技術の進歩によって,脳神経外科疾患に対する治療も,より低侵襲,安全かつより確実なものになりつつあるが,セッション「より低侵襲,より安全な治療を目指して-それぞれの利用法と効果の実際」では,(1)Direct surgery(Brain protection,Intraoperative monitoring),(2)Endoscopic neurosurgery(最新の機器,最新の手技),(3)Neuro‐navigation(手術のシミュレーション,ニューロナビゲーション),(4)Stereotactic radiosurgery(Linac,Gamma‐knife),(5)Intravascular radiosurgery(適応と手技,治療成績)の5視点から,最新の機器や技術を用いることによって,何が可能となり,またその限界は何かが討議された。

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