医学界新聞

これからの医療のあり方を論議

第1回日本医療科学研究会が開かれる


 さる3月22日,浪久利彦会長(順大名誉教授)のもと,第1回日本医療科学研究会が,東京医科大学において開催された。
 同研究会は,「医師をはじめ医療に携わる多面的職種の医療従事者および医療の需要側,行政関係者が,将来の医療のあり方について論議・研究する場」として発足。発起人総会の後に,第1回研究会として「医療をどう変える」をテーマとした討論会(司会=日本経済新聞論説委員 渡辺俊介氏)が開かれた(2236号に関連記事を既報)。

准看護婦養成は存続?

 討論会では,医師の立場から福井次矢氏(京大教授)が,「これからの医学教育は,医療の効果判定に関する学問分野である臨床疫学を基本的知識として養うべき」と発言。
 志賀捷浩氏(岡崎市医師会長)は,厚生省「准看護婦問題調査検討会報告書」に触れ,「准看護婦は戦後の日本の医療を支えてきた」と,日本医師会が「准看護婦養成継続」を表明していることを強調,「地域医療の現場で使える看護婦を養成することが必要」と開業医の立場からの批判も加えた。
 また,行政の立場からは幸田正孝氏(年金福祉事業団理事長,元厚生省事務次官)が,「国民皆保険制度は,それなりの成果をあげてきたが,現状のままでは支えきれなくなった」と国民皆保険政策の功罪と改革についての見解を示した。
 総合討論の場では自立していない患者,かかりつけ医制度,老人医療ガイドライン,規制緩和,チーム医療などの問題についてもフロアを交え論議された。なお,同研究会では現在会員を募集している。
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