医学界新聞

金原一郎記念医学医療振興財団

第11回研究交流助成金等贈呈式開催


 基礎医学の研究を中心に助成を行なっている,金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=理化研国際フロンティア研究システム長 伊藤正男氏)の,平成8年度下期助成金の認定証贈呈式が,さる3月6日,東京の医学書院本社で開催された。
 今回助成金が交付されたのは,海外での学会や研究会への渡航費用を助成する「第11回研究交流助成金」34名と,出版物の制作費用を助成する「第10回研究出版助成金」1名,海外からの留学生受入に対して毎月一定額を1年間助成する「第11回留学生受入助成金」3名の計38名(交付対象者の氏名その他は本紙第2231号に掲載)。贈呈式では,金原優医学書院社長より「ささやかではあるが,研究がよいものになるよう役立てていただきたい」との挨拶があり,出席者に認定証が手渡された。
 また選考委員長の野々村禎昭氏(帝京大)から選考経過の報告があり,この中で,応募の質が上がっていること,また留学生受入助成金に対しては36倍もの競争率であったことが紹介された。続いて交付対象者を代表して,研究交流助成を受けた辻野精一氏(国立精神神経センター神経研)が挨拶に立ち,「医学に国境はないが,渡航費用は壁だと言える。その意味でこの助成金は先進的でありがたく,大きな励みとなる。大いに役立てたい」と述べた。
 なお金原一郎記念医学医療振興財団は,(1)基礎医学医療研究助成金,(2)研究交流助成金,(3)留学生受入助成金,(4)研究出版助成金の4つの助成事業を行なっており,年に2回に分けて審査をしている。今回は(2)~(4)の事業で計1210万円が助成され,これで同財団のこれまでの助成金額の累計は3億1675万円となった。