医学界新聞

日本国際保健医療学生フォーラム ― 第1回全国会

【パネルディスカッション】「学生として何ができるか,何をすべきか」


 2日目に行なわれたパネルディスカッション「学生として何ができるか,何をすべきか」においては,6人のパネラーがそれぞれの立場や学生時代の経験に基づき,学生と国際保健活動の関わり方について意見を述べた。
 最初に特別講演(上記)も行なった小川寿美子氏が大学教官の立場から発言。自身のラオスにおける経験などから,大学のカリキュラムの一部として国際レベルの医療活動が要求されていると述べた。

自分に合ったやり方で

 続いて國井修氏(国立国際医療センター)がGO(政府組織)の立場から発言。「学生時代,自分は何かしなければと思い,日本の僻地や途上国において医療活動を行なってきたが,自分が与えたものよりも,そこから得たものの方が大きかった」と語り,途上国での医療協力はギブ・アンド・テイクの関係であると主張した。
 また松本安代(淀川キリスト教病院),川島正久(神戸大大学院生)両氏はともに,大学時代に国際医療活動に参加したことによって,産科の医師になることを決意したと語った。

「つなげること」の重要性

 松本祐一氏(国境なき学生代表)は「国境なき医師団」をテーマとした卒業論文を書いたことをきっかけに国際協力に興味を抱き,こういった活動を国内から支援する学生の組織を作った。松本氏は国境なき学生の目的は「つなげること」であるとし,「つなげることには3つの役割がある。1つ目はさまざまな人をつなげる,2つ目は間接的な支援と直接的な支援をつなげる,3つ目は現在と未来をつなげることである」と述べた。
 最後にフォーラム代表の永井周子氏は,フィールドワークフェローシップやAMSAの活動に参加した経験から発言。横のつながりの大切さを知り,フォーラムを作ることを思い立ったと述べ,「フォーラムが国際医療に興味を持つ学生同士の情報交換が行なわれる伝言版のような場になればよいと思う」と語り,今後のフォーラムの方向性を示した。