医学界新聞

第22回大山健康財団賞贈呈式開催

長尾榮治氏が受賞,大山激励賞は工藤芙美子氏に



 伝染病・感染症領域の研究者および医療従事者を対象とした,(財)大山健康財団(理事長=大山龍一氏)主催による第22回大山健康財団賞,大山激励賞,ならびに学術研究助成金の贈呈式が,さる3月7日,東京・霞が関の東海大学校友会館にて開催された。
 今回の大山健康財団賞は長尾榮治氏(国立療養所沖縄愛楽園長)が受賞。長尾氏は1968年に徳島大医学部を卒業後,医師として生涯をかけてハンセン病に取り組んできた。1980年にはインドに,1983年にはフィリピン,タイの医療事情視察に赴くなど,その活動は国内のみに止まらない。今回の受賞は,昨年12月の 「らい予防法見直し検討会 」による,厚生省への同予防法廃止の提言にあたり贈られたもの。
 また,大山激励賞は工藤芙美子氏(国際保健協力市民の会:SHARE)が受賞。工藤氏は1975年に北里相模原看護学校を卒業後,マラウイ,エチオピアなどで,医療救援活動,保健衛生活動に従事してきた。1990年からはSHAREに所属し,タイ東北部で下痢症の予防,健康チェック,AIDSプロジェクトに尽力してきている。今回の受賞は,これらの困難の中での活躍に対して贈られたもの。
 一方,学術研究助成金は 「先天性トキソプラズマ症の診断法に関する総合的研究 」を研究課題とする矢野明彦氏(長崎大教授)をはじめ10名に,それぞれ100万円(内1名は継続研究),総額1000万円が贈呈された。