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特集

内科医のためのクリニカル・パール2

藤田芳郎〔中部ろうさい病院リウマチ膠原病(腎・感染症)科〕


 うーんと唸ってしまいました.原稿を拝見し感動のあまり言葉を失いました.とにかく読んでみてください.素晴らしい内容であります.知識はもちろんのこと,各先生方の臨床医としての熱意あふれる文章に引き込まれます.時に短編小説を読んでいるという錯覚にとらわれるほどでした.あまりに素晴らしい文章を目の当たりにし,「ずうずうしい」お願いをお引き受けくださった先生方にこの場をお借りし心からお礼を申し上げたいと思います.読者の皆様におかれましては型破りの挨拶で始めることをお許しください.

 内科診療の幅は広くなり,さあ今日から内科を勉強しようと思っても何から始めていいかわからないまま,教科書の厚さに圧倒される.そこで,一流の臨床医の先生方の頭のなかにある基本や要点のほんの一部でもご披露いただけないか,そこを起点として勉強を始めることができないかと「虫が良すぎる」話を頭に描いて,「ずうずうしい」かもしれない企画をしたのが2009年9月号「内科医のためのクリニカル・パール」でした.今でも私の座右の書の一つであります.

 あれから4年.この4年間の『medicina』の特集を企画された一線の先生方を中心に各分野の重要点を教えていただけないかという再度同様の「厚かましい」企画をお願いいたしました.自分の予想をはるかに超え,行間に臨床医としての熱い思いがあふれる文章をいただき,雑誌というよりは一冊の「珠玉の短編集」になったのではないでしょうか.

 今年は『medicina』にとって創刊50周年という記念すべき年だそうです.内科全体を俯瞰するということは簡単ではありませんが,2013年1月号「進化し続ける内科診療―世界が認めたブレイクスルー」は18の主要疾患の約50年間の診療の変遷を経験豊かな先生方による味のある文章とともに見渡すことができる稀な内容のものでした.目の前の患者さんとともに歩んできた診療の変遷を知ることは,診療に資するところ大でありました.

 「さあ今日から内科を勉強しよう」と思っている研修医の方,自分の専門以外も勉強したいと思っているさまざまな分野の専門医の方,目の前の患者さんの診断に悩んで何かヒントを探している方など,すべての医療従事者の方々,本特集をぜひお読みください.必ず新たな発見や感動があること請け合いです.余裕があれば2009年9月号2013年1月号もぜひ.

 最後に私のクリニカル・パールの一つを記述することをお許しください.

 『どんなことでも別の角度から眺めてみると,新たな発見がある.』