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日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書
内科臨床誌 medicina

47巻6号(2010年6月号)
今月の主題 
酸塩基・電解質-日常で出くわす異常の診かた

(目次詳細・ご注文はこちら!)

柴垣有吾(聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科)

「酸塩基・電解質」というタイトルで,この雑誌を手にとられた方の気持ちはどんなものなのであろうか?「うわっ.苦手だけど,よく遭遇するしなぁ.少しはためになること書いてあるかな??」という感じだろうか.
酸塩基・電解質に初めて触れたときのことを思い出すと,確かにとっつきにくい印象を感じたのを覚えている.
しかし,私がラッキーだったのは,カナダ・トロント大学のHalperin博士の“Fluid, Electrolyte, and Acid-Base Physiology”(Saunders)という本に出合ったことだと思う.
その本は病気からではなく,まずは正常の生理学(体液恒常性の維持機構)から始まり,症例を紹介するなかで,病態生理に進んでいくという構成だった.Halperin博士の本はやや極端ともいえるアプローチで独自の世界をもっていたこともわかりやすかった理由の一つであるが,生理学で自分自身の体で起こっていることに関連づけて興味をもたせ,患者の病態を説明する方法がすばらしいのだと思う.

内科認定医・専門医試験対策に!!
今月の主題
「理解のための28題」
(力だめしにいかがでしょう.解答は本誌掲載.解説が大幅に充実)
今月の主題 座談会
酸塩基平衡・電解質異常-治療につながる診かた・考えかた
酸塩基平衡・電解質異常は,概念的で多様かつ複雑なことから,非常に難しくとっつきにくい印象を抱かれる.しかし,さまざまな原疾患によって起こり,程度の差こそあれ,どの診療科でも遭遇するcommon problemである.臨床現場では,輸液や薬剤による医原性の異常が跡を絶たないことからも,すべての医師がある程度の知識をもつ必要がある.
酸塩基平衡・電解質異常をどう考え,診断・治療に結びつけるか.また,医原性の異常を引き起こさないために必要な知識はなにか.本座談会では,臨床経験を元に開業医,研修医,勤務医の立場からの意見を伺いながら,内科医にとっての酸塩基平衡・電解質のminimum requirementを探りたい.
新連載
今日の処方と明日の医学
医薬品は,変革の時代を迎えています.国際共同治験による新薬開発が多くなる一方で,医師主導の治験や臨床研究などによるエビデンスの構築が可能となりました.他方,薬害問題の解析から日々の副作用報告にも薬剤疫学的な考察と安全対策への迅速な反映が求められています.そこで,この連載では医薬品の開発や安全対策を医学的な観点から解説し,日常診療とどのように結びついているのかをわかりやすくご紹介します.
[監修:日本製薬医学会]

第1回 重篤な副作用って、どういう意味?

原 満良(万有製薬株式会社)
連載
研修おたく海を渡る
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました.内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています.毎回おちがつくといいのですが.どうかよろしくお願いします.

第54回 品質管理

白井敬祐(サウスカロライナ医科大学)
手を見て気づく内科疾患
本連載では,身体診療の一部である手の観察について記載します.注意深く観察すると,診断の鍵となる,とても多くの情報が潜んでいることに気づいていただけるでしょう.

第18回 皮膚硬化,爪上皮出血点,全身性強皮症の典型的所見

松村正巳(金沢大学医学教育研究センター リウマチ・膠原病内科)
外来診療に差をつけるコミュニケーションスキル
若手の総合内科医にとって,面接がきわめて基礎的な力であると気づくのは,定時の外来を担当するようになってからではないでしょうか.限られた時間とリソースの中で,効率よく,診療の質を担保して,患者との関係を上手に築いていくことができないと,外来日はかなり悲惨な結果となります.食事もままならない,夕方遅くまで終わらない,病棟ナースから嫌な顔をされる…….こうならないように,コミュニケーションスキルを鍛えませんか.
本連載は『コミュニケーションスキルトレーニング──患者満足度向上と効果的な診療のために』(医学書院,2007)を執筆した私たちの仲間が,テキストでは十分に紹介できなかったことも含めて,誰でもが修得できるテクニックや,回避できるピットフォールをご紹介します.ご期待ください.
[監修:箕輪良行/聖マリアンナ医科大学]

第9回 三者関係を診療に生かす(2):家族を加えた患者とのコミュニケーション

木村琢磨(国立病院機構東埼玉病院総合診療科)
アレルギー膠原病科×呼吸器内科 合同カンファレンス

第3回 高齢者の原因不明関節炎には注意!

岡田正人・仁多寅彦(聖路加国際病院)
The M&M reports 見逃し症例に学ぶ内科ERの鉄則
ミスから学ばずして成長はない.
米国の一流教育病院では,死亡症例や重大な合併症をきたした症例をもとに,「M & M(Morbidity & Mortality conference)」と呼ばれる症例検討会を行い,診療レベルの向上に役立てている.
本連載では,このM&Mのスタイルを用い,ER(救急外来)における内科診療の「落とし穴」を示しながら,そこに落ちないための教訓と診療のコツを伝える.
長谷川耕平・岩田充永
目でみるトレーニング
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載.写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」、「解答と解説」からなり、クイズを通して症例疾患への理解を深める.