日進月歩の医学の進歩を逃さず,かつ日常臨床に役立つ洗練した情報を提供する内科医必読の座右の書
内科臨床誌 medicina

43巻9号(2006年9月号)
今月の主題  循環器薬の使い方 2006
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山口 徹(虎の門病院)

 循環器薬の特徴の一つはエビデンスが多いことである。癌が死因の第1位であるわが国とは異なり,世界的にみると死因の第一位は心血管疾患であり,心血管疾患に対する治療薬が検討対象となりやすいからである。特に長期投与の効果については,他のどの領域よりエビデンスが充実している。心室性期外収縮が頻発する心筋梗塞後の心機能低下患者に対して,抗不整脈薬をホルター心電図で不整脈抑制効果を確認したうえで長期に投与した臨床試験では,投与群の死亡率が非投薬群より高かった話は有名である(CAST試験)。この試験により,薬の短期効果と長期効果は明確に分けて考えなければならないことが再認識された。その後は長期投与効果を確認することが当然となり,その豊富なエビデンスに基づいて多くのガイドラインが作成され,循環器疾患治療ではEBMを行う環境が整っている。本特集でも,最初に短期および長期投与の効果に関するエビデンスをわかりやすく示した。

連載
病理との付き合い方 明日から使える病理の基本【実践編】
病理診断が病名の決定,治療方針の決定,治療効果および予後判定に重要な役割を果たす,ということはすでに総論を読んだ読者には十分理解していただいたと思う。本号からの実践編(各論)では,臓器別に具体的な病理との付き合い方を学ぼう。

第8回  骨髄

佐藤 孝・時田智子
東大病院内科研修医セミナー
本連載では,東大病院で内科研修医を対象に月2~3回,昼の1時間を使って行われている内科グランドカンファレンスを紹介します。各診療科での実際の症例を通して,疾患の診断・治療に関する生きた知識を吸収していただければ幸いです。

第14回  持効型インスリン製剤が原因と疑われる肝障害を呈しCSII導入となった劇症1型糖尿病の1例

研修おたく海を渡る
アメリカでの研修も3年が過ぎ,今回,光栄にも散文を連載させてだくことになりました。内科研修3年間の振り返りと,はじまったばかりの腫瘍内科研修での日常を織り交ぜながら,小話に使ってもらえるような話題を提供できればと考えています。毎回おちがつくといいのですが。どうかよろしくお願いします。

第9回  多国籍軍

白井敬祐
できる医師のプレゼンテーション-臨床能力を倍増するために
プレゼンテーションは診療現場において,きわめて重要な臨床能力の1つである。「質の高い研修」,「質の高い患者ケア」,プレゼンテーションの良し悪しは実はこれらを大きく左右する。本連載では,臨床医にとって必要な「プレゼン技術」の基本をわかりやすく示す。

第6回 プレゼンテーションのフォーマット(各論3)

川島篤志(市立堺病院・総合内科)
医療事故を防ぐ! 対策を絵に描いた餅としないために
忙しい日常臨床の現場では,医療事故対策を立てても,しばしば「絵に描いた餅」となってしまい,実際に防止効果をあげていない場合が少なくない。対策は現場での「実践」の観点から講じる必要がある。本連載では,沖縄県立中部病院の臨床研修・医療事故に関する取り組みを交えながら,主に研修医がかかわる医療事故対策について考える。

第9回  中心静脈カテーテル挿入

本村和久(王子生協病院・内科)
目でみるトレーニング
1994年から続いている雑誌「medicina」の名物連載。写真・画像を中心とした「症例提示」と症例に関する「問題」,「解答と解説」からなり,クイズを通して症例疾患への理解を深める。