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看護教育

2017年12月号 (通常号) ( Vol.58 No.12)
特集 省察的実践者を育む ショーンからの提起とともに

 確立された技術を学び,実践に応用する,という従来の「専門職」観を脱却し,自身の行為を,変化する状況のなかで振り返りながら実践していく,という新たな専門職の実践「省察的実践」を打ち立てた『省察的実践とは何か』(2007年),そして2017年に翻訳が刊行された『省察的実践者の教育』は,世界の教育学・看護教育学の論文でも膨大な引用数を誇ります。著者であるショーンは,現在もっとも影響力をもっている学習理論家の1人だと言えるでしょう。
 しかし同時に,ショーンほど誤解されている理論家もいないかもしれません。ショーンの著作に「正解」や「マニュアル」「わかりやすい定義」を求め,それを学んで応用しようという,多くなされているこの読まれ方こそ,まさにショーンが否定しようとした,古い専門職の姿勢に他ならないからです。ショーンを読むということは,語られた事例に自身の実践も照らし合わせながら,実践の意味,また実践の背景となった,思考のフレームを組み替えていくことを意味しています。そのような省察によってこそ,専門職としての学びが得られることが,ショーンの重要な提起だといえるでしょう。
 今回の特集では,できる限り,ショーンの提起した問題意識を引き継ぐべく,ショーンの思考の流れを確認していくと同時に,複数で実践を語り合うことで照らし合わされる省察の事例を掲載いたしました。皆さんの探究を誘うきっかけになれば幸いです。

■『省察的実践者の教育』を読み解く
柳沢 昌一
■看護教育におけるショーンの提起の重要性
前川 幸子
■ショーンの探究に誘われて 協働探究の試み
【事例1】
 学生がピンとくるイメージを伝えるわざを磨く
岡本 朋子/村田 晶子
【事例2】
 ピアによるディスカッションにおいて,リフレクションを深めていくこと
室井 佳奈/村田 晶子
【事例3】
 教員同士のリフレクションという実践:気づきの連鎖
青野 美里/前川 幸子
【事例4】
 クロスセッションを組織することをとおして得た専門職教員の学びの省察
椙山 委都子/入江 直子/村田 晶子


■特別寄稿
島嶼保健看護の高度実践看護師教育の実際〈後編〉
 島で活躍する修了生の活動
神里 みどり/新里 裕子/下地 和枝
■実践報告
看護学生へのビブリオバトル(闘病記編)の教育効果について
大西 安代/森井 理恵
■スクランブルゾーン
「大阪大学コースデザインワークショップ」に参加して学んだこと
 授業において学生と教員に必要なものにあらためて気づいた2日間
奥山 葉子/坂口 豊代


●授業を良くする! 教育関連理論・3
「分析」して授業の前提をつくろう!〈後編〉
学生を知り,教育方法を考える
西野 毅朗
●学生なら誰でも知っている 看護コトバのダイバーシティ・12(最終回)
「多様性」
木村 映里
●リズムとからだ 「うまくいく」と「うまくいかない」の謎・9
吃音スイッチ
伊藤 亜紗
●すべって,転んで,立ち上がるために ~看護職生涯発達学から~・9
子どもをもつ女性看護師の経験を見つめる
三好 麻実子
研究解説:子どもをもつ女性看護師という枠を超えて
佐藤 紀子
●専門家と市民の架け橋 CoSTEP・6
3日間でサイエンスイベントをつくりあげる夏の集中演習
古澤 輝由
●「配慮が必要な学生」の学びにつなげる対応
 臨地実習における教育上の調整を考える・12(最終回)
学生の学びを促す対応に向けたFDの考え方と試み
吉本 照子/飯岡 由紀子/小川 純子
松岡 千代/遠藤 和子
コラム:障害学とその視点から「配慮が必要な学生」支援を考える
松岡 克尚
●次号(2018年1月号) 特集 インストラクショナルデザインを活かす

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定価 1,620円
(本体1,500円+税8%)