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2006年11月号 (増刊号) ( Vol.43 No.12)
Common Diseaseインストラクションマニュアル-患者に何をどう説明するか

【書評】
患者・家族支援の手引書
江口 恵子(霧島市立医師会医療センター看護部長)

 患者の意思決定支援のために私たち医療者に求められる能力の一つに,患者が十分納得できるような説明能力がある。病は患者自身のものであり,患者自身がどのように自己の病を理解し,自己の適応能力を最大限に活用・開発して病を受け入れ,克服し,病と共に生きていくかを支援するのは,看護師の果たすべき大きな役割である。そのためには,看護師は患者・家族の理解の状況に応じた説明ができるための十分な知識を持つ必要がある。

 今回,内科臨床医のための総合誌『medicina』の増刊号として発刊された「Common Diseaseインストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか」は,そのような看護師にとっても,まさに,どのような知識を体系化して学んでおくべきかをわかりやすく解説してくれる良書であると思う。臨床の現場でよくみられる疾病について,その疾病の特徴と治療方針を簡潔に示したうえで,(1)これだけは説明しておきたい病気のはなし,(2)これだけは説明しておきたい検査のはなし,(3)これだけは説明しておきたい治療のはなし,(4)療養指導のポイント,(5)ここだけは指導しておきたい緊急時の対応,の5つの視点で,それぞれの要点を押さえたうえで内容が丁寧かつコンパクトに記載されていて大変わかりやすい。

 例えば,慢性心不全の項を読むと,(1)については,心不全の複雑な病態生理を医学的知識のない人にも理解できるような説明の展開方法まで具体的に述べられ,(2)については治療経過に沿った検査について,(3)については考えられる治療選択とその比較を説明の時期とあわせて,さらに治療内容については米国のガイドラインとの比較や治療に伴う社会保障まで述べられている。また,インフォームドコンセントを得るための説明要件として必要な治療の有益性と効果判定や有害性についてまでしっかり述べられており,そのまま説明に使用することができる。また,(4)については,療養指導のポイントのみならず家族・介護者に対する教育・カウンセリングの内容も要点を示され具体的で活用しやすい。さらに,(5)においては,患者家族は一次救命処置の知識と技術を身につける必要性にまで言及されており,一般内科医が参考になることはもちろんであるが,私たち看護師にとって患者・家族への説明と共に必要な援助技術の指導について極めて明快に理解することができる。

 さらにこの本の素晴らしいところは,「診察室」というコラム欄で,執筆者の優れた臨床経験に基づいた臨床医としての関連の知見(慢性心不全に関しては合併する睡眠時無呼吸について)について大変興味深くかつ注意すべき事項が述べられており,経験の未熟な者にとっては大変貴重な学びとなりうる。全体の構成としても,内科のみならず日常遭遇する関連領域についても書かれており,総合的な視点で理解することもでき,患者・家族への説明・支援を容易にするための手引書として,ぜひ手元において参考にしたい本である。


■循環器疾患
期外収縮(premature contraction)
櫻田 春水
頻拍(上室頻拍・心室頻拍)
古嶋 博司・相澤 義房
心房粗動・心房細動
杉 薫
洞機能不全症候群
佐々木 真吾・岩佐 篤・奥村 謙
房室ブロック
谷口 宏史・加藤 貴雄
安定狭心症
三須 一彦・住吉 徹哉
不安定狭心症
海北 幸一・小川 久雄
急性心筋梗塞
門田 一繁・光藤 和明
慢性心不全
百村 伸一
感染性心内膜炎
石塚 尚子
逆流性弁膜症
水重 克文
狭窄性弁膜症
茆原 るり・原 和弘
肥大型心筋症
李 正明・増山 理
拡張型心筋症
後藤 葉一
心筋炎
竹端 均
急性心膜炎
赤石 誠
高血圧症
島本 和明
低血圧症
南 順一・阿部 力・松岡 博昭
心臓神経症
樋詰 貴登士・下川 宏明
大動脈解離
大野 実
閉塞性動脈硬化症
會澤 彰・小林 裕・高沢 謙二
深部静脈血栓症(血栓性静脈炎)
井阪 直樹

■消化器疾患
口内炎
丹沢 秀樹・横江 秀隆・武川 寛樹
胃食道逆流症
森山 一郎・木下 芳一
食道癌
島田 英雄・幕内 博康・千野 修
急性胃炎・急性胃粘膜病変
六倉 俊哉
慢性胃炎(NUD)
草野 元康
消化性潰瘍
高木 敦司
胃手術後遺症(ダンピング症候群)
中崎 晴弘・種村 宏之
胃ポリープ・胃粘膜下腫瘍
菊池 大輔・矢作 直久
胃癌
幾世橋 篤
潰瘍性大腸炎
上野 文昭
Crohn病
伊藤 裕章
慢性便秘症
北洞 哲治・川口 実・唐澤 英偉
感染性下痢症
堀木 紀行・藤田 善幸
偽膜性腸炎・抗生物質関連性腸炎
山本 龍一・東山 正明・三浦 総一郎
虚血性大腸炎
押谷 伸英・荒川 哲男
過敏性腸症候群
福島 豊実
大腸憩室症
佐田 美和・小林 清典
大腸ポリープ
黒木 優一郎・中野 利宏・遠藤 豊
大腸癌
金城 福則
痔核
松島 誠
急性肝炎
山田 春木・三浦 英明
劇症肝炎
内木 隆文・永木 正仁・森脇 久隆
B型慢性肝炎
箱崎 幸也・加藤 雅士
C型慢性肝炎
泉 並木
自己免疫性肝炎
橋本 直明
肝硬変による腹水
柴田 実
肝性脳症
村島 直哉・中山 聡・高山 圭
門脈圧亢進症
高塚 健太郎・岩渕 省吾
原発性胆汁性肝硬変
上平 幸史・下田 慎治・石橋 大海
アルコール性肝障害
加藤 眞三・山岸 由幸・堀江 義則
肝細胞癌
池田 公史・奥坂 拓志
無症候性胆石症・胆嚢ポリープ
安部井 誠人・福田 邦明・兵頭 一之介
胆嚢炎・胆管炎
大谷 泰雄・今泉 俊秀・幕内 博康
急性膵炎
朴沢 重成・日比 紀文
慢性膵炎
丹藤 雄介・中村 光男
膵癌
伊藤 壽記・李 千萬・北川 透

■神経・筋疾患
片頭痛・緊張型頭痛
寺本 純
一過性脳虚血発作
大喜多 賢治・山脇 健盛
脳梗塞
片多 史明
脳内出血・くも膜下出血
飯原 弘二
未破裂脳動脈瘤
野崎 和彦
認知症(脳血管性,Alzheimer病)
古田 伸夫・三村 將
側頭動脈炎
佐藤 秀樹・鈴木 則宏
Guillain‐Barré症候群
金 浩澤
Parkinson病
成田 有吾
Bell麻痺
山口 啓二
てんかん
佐藤 秀樹・鈴木 則宏

■呼吸器疾患
細菌性肺炎―主に市中肺炎
藤田 次郎
高齢者の市中肺炎
武田 裕子
異型肺炎
菊池 教大・石井 幸雄・大塚 盛男
結核
赤川 志のぶ
気管支喘息
村田 朗・木田 厚瑞
慢性塞栓性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)
村田 朗・木田 厚瑞
気管支拡張症
村田 朗・木田 厚瑞
特発性間質性肺炎
稲瀬 直彦・吉澤 靖之
過敏性肺炎
稲瀬 直彦・吉澤 靖之
サルコイドーシス
四元 秀毅
過換気症候群
久保 惠嗣
急性呼吸窮迫症候群(急性呼吸促迫症候群)
久保 惠嗣
肺塞栓症・肺梗塞
蔵本 伸生・森本 剛
胸膜炎
関谷 充晃・鈴木 勉
膿胸(誤嚥性肺炎)
森永 芳智・柳原 克紀・河野 茂
気胸
蔵本 伸生・森本 剛
睡眠時無呼吸症候群
陳 和夫
肺癌
三尾 直士
アスベスト関連疾患
三尾 直士

■血液・造血器疾患
鉄欠乏性貧血
小船 雅義・加藤 淳二・新津 洋司郎
悪性貧血
鈴木 憲史
再生不良性貧血
高橋 直樹
自己免疫性溶血性貧血
伊藤 良和・大屋敷 一馬
多血症
生田 克哉・鳥本 悦宏・高後 裕
慢性骨髄性白血病
白杉 由香理・安藤 潔
特発性血小板減少性紫斑病
中世古 知昭
骨髄異形成症候群
岡村 精一
悪性リンパ腫
矢野 尊啓

■代謝・栄養障害
1型糖尿病
西田 健朗・下田 誠也・荒木 栄一
2型糖尿病
長坂 昌一郎
糖尿病足壊疽
新城 孝道
糖尿病性昏睡
目黒 周
高脂血症
横山 信治
高尿酸血症と痛風
中島 弘
メタボリックシンドローム
岡内 幸義・西澤 均・船橋 徹

■内分泌疾患
下垂体前葉機能低下症
飯田 啓二
甲状腺機能亢進症
西川 光重・豊田 長興・野村 惠巳子
慢性甲状腺炎(橋本病)
高松 順太
亜急性甲状腺炎・急性化膿性甲状腺炎
石原 隆
高カルシウム血症
橋本 年弘・井上 大輔
副甲状腺機能亢進症
伊藤 悠基夫
バゾプレシン分泌過剰症(SIADH)
村瀬 孝司・大磯 ユタカ
月経異常症
苛原 稔
更年期障害
苛原 稔

■アレルギー疾患
花粉症
米倉 修二・岡本 美孝
アナフィラキシーショック
平田 博国・林 ゆめ子・福田 健

■リウマチおよび関連疾患
関節リウマチ
宮坂 信之
リウマチ性多発筋痛症
三森 経世
全身性エリテマトーデス
上野 征夫
多発性筋炎/皮膚筋炎
杉原 毅彦・宮坂 信之
Sjögren症候群
石ヶ坪 良明・石ヶ坪 潤
Behçet病
石井 修・武岡 裕文・松田 隆秀

■腎・尿路疾患
急性糸球体腎炎
吉澤 信行
ネフローゼ症候群
斉藤 喬雄
IgA腎症
児玉 史子・富野 康日己
糖尿病性腎症
赤井 裕輝
腎盂腎炎・膀胱炎・尿道炎・副睾丸炎・前立腺炎
杉村 享之
急性腎不全
藤倉 知行・古谷 隆一・菱田 明
慢性腎不全
秋葉 隆
腎・尿管結石
栗原 浩司・堀江 重郎
排尿障害
松岡 啓
前立腺肥大症
金城 真実
前立腺癌
福原 浩・北村 唯一
勃起障害
石井 延久・片岡 和義

■感染症
インフルエンザ
田村 大輔・菅谷 憲夫
Epstein‐Barrウイルス感染症
脇口 宏
ブドウ球菌感染症
古宮 伸洋・大西 健児
A群レンサ球菌感染症
岩崎 恵美子
細菌性髄膜炎
中村 権一
破傷風
五味 晴美
敗血症
加藤 久晶・小倉 真治
カンジダ菌血症
大橋 洋綱
MRSA
渡辺 彰
HIV感染症
今村 顕史
性感染症
倉澤 剛太郎
不明熱
津沢 薫・小山 茂

■精神疾患
うつ病
大野 裕
アルコール依存症
加藤 純二
パニック障害
渡辺 洋一郎
統合失調症
春日 武彦

■運動器疾患
腰痛症
内堀 充敏
骨粗鬆症
細井 孝之
変形性関節症
仲田 和正

■皮膚疾患
アトピー性皮膚炎
中川 秀己
蕁麻疹
秀 道広
水痘・帯状疱疹
木花 光
単純ヘルペス
中村 健一
薬疹
塩原 哲夫
挫瘡(にきび)
林 伸和
皮膚真菌症
渡辺 晋一
疥癬
和田 康夫
褥瘡
宮地 良樹

■耳鼻咽喉疾患
耳鳴
佐藤 公則
めまい
西澤 夏子・高田 俊彦・生坂 政臣
副鼻腔炎
飯田 政弘
扁桃炎と扁桃肥大
加我 君孝

■物理・化学的因子による疾患
熱中症(heat illness)
森野 一真
低体温症
呉 行弼
虫刺症
塩原 康正・平田 博国・林 ゆめ子・福田 健

■患者にどう説明するか?
効果的な説明―その技術とアート
松村 真司

商品写真
定価 7,920円
(本体7,200円+税10%)
(品切中)