医学書院

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≪シリーズ ケアをひらく≫

驚きの介護民俗学




著:六車 由実
  • 判型 A5
  • 頁 240
  • 発行 2012年03月
  • 定価 2,160円 (本体2,000円+税8%)
  • ISBN978-4-260-01549-3
語りの森へ。
『神、人を喰う』でサントリー学芸賞を受賞した気鋭の民俗学者は、あるとき大学をやめ、老人ホームで働きはじめる。そこで出会った「忘れられた日本人」たちの語りに身を委ねていると、やがて目の前に新しい世界が開けてきた……。「事実を聞く」という行為がなぜ人を力づけるのか。聞き書きの圧倒的な可能性を活写し、高齢者ケアを革新する話題の書。
*「ケアをひらく」は株式会社医学書院の登録商標です。
本書が日本医学ジャーナリスト協会賞大賞(書籍部門)を受賞!
第2回日本医学ジャーナリスト協会賞(日本医学ジャーナリスト協会主催)が2013年10月7日に発表となり、大賞(書籍部門)に本書が選出されました。
《認知症については、かつては脳科学的解明が優先され、コミュニケーションの重要性が指摘されても、それはあくまでも「よい支援」をするためのものでした。本書は、認知症の人を「支援する対象」とだけ見ていては到達できない事実を明らかにしました。》-受賞理由(抜粋) >> 詳細はこちら (日本医学ジャーナリスト協会ホームページ)

第20回旅の文化奨励賞を受賞!
>> 詳細はこちら (「第20回旅の文化賞」表彰式・「第20回公募研究プロジェクト」採択発表式を開催)

●著者の六車由実氏がAERA「現代の肖像」に登場!
《自ら挫折や苦渋を味わってきた六車だからこそ、高齢者たちの人生の最終章における伴奏者としての視線には独特の柔らかさが宿る。》-横田増生(ノンフィクションライター)
(『AERA』2013年4月8日号 「現代の肖像」より)

●動画配信中!
日本記者クラブ主催の「著者と語る」で、著者・六車由実氏が会見し、記者の質問に答えました(YouTube 日本記者クラブチャンネルより)


●新聞で紹介されました!
《そこに浮かび上がってきたのは、「傾聴」「共感」「受容」という観念にがんじがらめになったケア(「聴き取り」)の歪(いびつ)さであり、一方でテーマを先に設定する民俗学調査のまなざしの狭さだった。》-鷲田清一(大谷大学教授・哲学)
(『朝日新聞』2012年4月1日 書評欄・BOOK.asahi.comより)

《民俗学者がその訓練を生かしてフル勤務の介護職員となって記録をとり、骨太のストーリーを発掘してゆく。故・小澤勲対談集『ケアって何だろう』あたりから医学書院の出版物に目が離せなくなった。》-中井久夫(精神科医)
(『図書新聞』2012年7月21日)

《介護する側と介護される側とが共に蘇生していく過程が、短編小説のような味わいで描かれる。ついのめりこんで読まずにはいられない。》-上野千鶴子(東京大学名誉教授・社会学)
(共同通信社配信、『北日本新聞』2012年4月1日 書評欄、ほか/ちづこのブログNo.23 | WAN:Women's Action Network

《「聞き書きがいいのは、話す人だけでなく、聞く側も変わるということです。その人がどんなふうに生きてきたかが分かると、大抵のことは許せるという感覚になる。》
(『日本経済新聞』2012年7月7日 「こころ」欄より)

《「生き証人としての圧倒的な存在感。聞き手の視野が広がり、生きる支えになると思います。私がそうだったように」》
(共同通信社配信「種をまく」より、『静岡新聞』2012年6月12日ほか)

《介護現場では以前から、言葉を引き出し、話に耳を傾ける試みは行われてきた。だが、それは「介護の一環なので、話の内容自体より、話している心身の状態が観察対象で、記録もされません」。民俗学的アプローチでは、話の奥へと分け入っていく。》
(『北海道道新聞』2012年5月6日、『西日本新聞』2012年5月20日 「訪問」より)

《老人の聞き取りを3~5か月かけてまとめる小冊子「思い出の記」を手にして、伏し目がちに語った。積極性と控えめさ。そのバランスが年上の人に信頼される秘密とみた。》
(著者来店:本よみうり堂:読売新聞(YOMIURI ONLINE)2012年4月29日より)

《静岡県内の介護施設で働きながら入所者の人生を聞き取った「驚きの介護民俗学」(医学書院)が話題を呼んでいる。実は4年前まで私大の准教授だった正真正銘の民俗学者だ。》
(『中日新聞』2012年4月29日「この人」

《なれない介護の現場でそれぞれの生活史を背負った認知症の老人と接しながら、民俗学の〈聞き書き〉の力を介護に生かせるのではと実感し、入居者の様々な語りを記録し始める。従来の介護方法・技術の枠を広げる体当たりの試みと経験。》
(『東京新聞』2012年4月29日 書評欄より)

《本書は民俗学と介護の両分野に新しい可能性を開く瞠目の書である。》
『47NEWS』新刊レビュー 2012年4月30日より)

《介護職員としての仕事の傍ら、高齢者から聞き取った話をまとめたのが本書だ。……昭和初期の会社勤めなど都市生活をの様子を語る人もおり、本書はさながら宮本常一『忘れられた日本人』の現代版とでもいえそうな趣だ。》
(『日本経済新聞』2012年4月15日 書評欄「あとがきのあと」より)

《六車さんは、日本中の寒村を歩いた民俗学者宮本常一の書名を引き合いに「まさに『忘れられた日本人』がいた」と驚いた。六車さんは「介護民俗学」という新しい発想を提唱するようになった。》
(『中日新聞』2012年4月3日より)

●雑誌で紹介されました!
《お年寄りたちは錆びた門のかんぬきを外すようにしゃべり出すのである。介護される者が熱く語り出し、介護する者がうなずいて聞く。幸福な主客転倒である。》-村田嘉代子(作家)
(『明日の友』2017年春号「こんな本をひらいた」より)

《〈そこで利用者は、聞き手に知らない世界を教えてくれる師となる〉という六車の指摘は重要である。「してあげる側」と「される側」に固定化された関係が、そこでは一次的にであれ逆転するのだ。》-斎藤美奈子(評論家)
(『ちくま』2016年3月号「世の中ラボ」より)

《本書は評者にとって、そして初めて本書の内容に接する多くの読者にとっても「驚きの『驚きの介護民俗学』」である。》-波平恵美子(お茶の水女子大学名誉教授)
(『日本民俗学』第276号(2013年11月30日) 書評より)

《著者は一歩踏み込んで「聞き書き」は死の淵にいる利用者へのターミナル・ケアとしての意味も必然的に持つことになるのではないか、とまで言いきっている。ずいぶんと大胆ではあるが、著者が列挙している具体例に照らし合わせてみるなら、これも得心のいく主張であると言ってよい。》-上村忠男(東京外国語大学名誉教授)
(『みすず』2012年6月号 「ヘテロトピア通信」より)

《「介護」と「民俗学」の結びつきにまず驚くが、勤めていた大学を辞め実家のある静岡県のデイサービス施設で介護職員として働き始めたとき六車さんの中ではその二つがすんなりつながったそうだ。》-佐久間文子(ライター)
(『文藝春秋』2012年5月10日号 文藝春秋WEB「著者は語る」 より)

《老人ホームで働きはじめた民俗学者が、高齢者たちの聞き書きを行った体験を書いた本があると聞いて、すぐにネットで注文した。…いやあ、ほんとに面白い。そして深い。》-梯久美子(ノンフィクション作家)
(『サンデー毎日』2012年6月3日号 「読書の部屋」より)

《介護民俗学のキーワードである「驚き」は、語る相手への敬意と愛情と知的好奇心が込められている。それは介護だけではなく、よりよいコミュニケーションのための重要なキーワードでもあるように思う。》-白石公子(詩人・エッセイスト)
(『婦人公論』2012年5月22日号 「カルチャーセクションBOOK」より)

《「常民の研究といいつつ、フィールドワークではある特別な人たちの特別な話を聞いていたことに気づかされました。お年寄りの話にじっくり耳を傾けるとみなさんすごく喜びます、家族には話しづらいこともおおいですから(笑)」》
(『週刊文春』2012年4月5日号 文春図書館「著者は語る」 より)

《100人いれば100人の人生や暮らしがあって、聞き書きしながら泣いたり笑ったり、民俗学者であることを差し置いても、人間のすばらしさを感じて幸せな気持ちになりますね。》
(『清流』2012年7月号 「著者に聞く」より)

《「高齢者一人一人の話に、小説以上の豊かさがある」》
(『クロワッサン』2012年6月25日号 著者インタビューより)

《人の話を聞くというのは、実は難しいことであり、やり取りを通して豊かなコミュニケーションが生まれる可能性を秘めている。》
(『WEDGE』2012年6月号より)

《介護でも「話を聞く」のは、「傾聴」と言われ重要視されているが、著者は、言葉の裏にある見えない「気持ちや心の動き」を重視するあまり、実は言葉を聞けていないのはと問題提起する。》
(『月刊ケアマネジメント』2012年4月号より)
目 次
 はじめに

第一章 老人ホームは民俗学の宝庫
 「テーマなき聞き書き」の喜び
 老人ホームで出会った「忘れられた日本人」
 女の生き方
第二章 カラダの記憶
 身体に刻み込まれた記憶
 トイレ介助が面白い
第三章 民俗学が認知症と出会う
 とことんつきあい、とことん記録する
 散りばめられた言葉を紡ぐ
 同じ問いの繰り返し
 幻覚と昔話
第四章 語りの森へ
 「回想法ではない」と言わなければいけない訳
 人生のターミナルケアとしての聞き書き
 生きた証を継承する-『思い出の記』
 喪失の語り-そして私も語りの樹海〈うみ〉に飲み込まれていく
終章 「驚けない」現実と「驚き続ける」ことの意味
 驚き続けること
 驚きは利用者と対等に向き合うための始まりだ

 おわりに
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