医学書院

商品写真

≪シリーズ ケアをひらく≫

誤作動する脳




著:樋口 直美
  • 判型 A5
  • 頁 260
  • 発行 2020年03月
  • 定価 2,200円 (本体2,000円+税10%)
  • ISBN978-4-260-04206-2
幻は、幻が消えたときに、幻とわかる。――脳の中からの鮮やかな現場報告!
「時間という一本のロープにたくさんの写真がぶら下がっている。それをたぐり寄せて思い出をつかもうとしても、私にはそのロープがない」――たとえば〈記憶障害〉という医学用語にこのリアリティはありません。ケアの拠り所となるのは、体験した世界を正確に表現したこうした言葉ではないでしょうか。本書は、「レビー小体型認知症」と診断された女性が、幻視、幻臭、幻聴など五感の変調を抱えながら達成した圧倒的な当事者研究です。
*「ケアをひらく」は株式会社医学書院の登録商標です。

●新聞で紹介されました。
《重度の認知症者が示す「若い頃にタイムスリップしたかのような言動」を、病的な妄想と退けず、むしろ時間軸から解放されたオルタナティヴな脳の作動として受けとめてみせる。そうした著者の実践は、老いる前の人にも勇気と、なにより安心をくれるだろう。》――與那覇潤(歴史学者)
(『日本経済新聞』2020年5月2日 より)

《近代社会は「幻」との付き合い方を見失っている。著者の「病状」に対する自己分析は、近代的人間観が、いかに偏ったものなのかを突きつける。》――中島岳志(政治学者・東工大教授)
(『毎日新聞』2020年5月2日 より)

《「私たちには、それぞれまったく違う『できない』と『できる』があります。そして『できない』から『しない』のではなく、自分の『できる』を使って、『できない』を違う形の『できる』に変えて生活を続けています」本書を読んでもっとも大切にしたいと思った一文だ。》――武田砂鉄(ライター)
(『朝日新聞』2020年4月25日 読書欄・BOOK.asahi.com より)

《最大の特徴は、容易には想像できない異質な現象や感覚、それに伴う苦しさや恐怖などが、第三者である読者が追体験できるように見事に再現された表現力にある。》
(『聖教新聞』2020年5月6日 より)

●webで紹介されました。
《緊急事態宣言が発令され、家ごもりするようになって、本を読むことが多くなったのですが、その中で面白かったのが樋口直美さんの『誤作動する脳』でした。》――末井昭(編集者・作家)『テンミニッツTV』2020年7月1日より)

目 次
はじめに

I ある日突然、世界は変わった
 今はないあの甘美な匂い
 夜目遠目も脳の内
 乗っ取られる耳
 五感という名のメッセージ
 見えない毒が忍び寄る
 私の家の座敷童子

II 幻視は幻視と気づけない
 幻視をVRで再現するまで
 消えた女性と巨大グモ
 幻視という孤独
 呪いが解かれ怪物が消えた!
 牢獄に差し込んだ光
 「言葉」という人災
 手放せない手綱

III 時間と空間にさまよう
 私が時間を見失っても
 指輪の埋まった砂漠を進め!
 美しい糸で編まれてゆく時間
 異界に迷い込むとき
 お出掛けは戦闘服で

IV 記憶という名のブラックボックス
 扉を閉めると存在が消える
 なぜできないのかわからない
 「できる」と「できない」を両手に抱えて

V あの手この手でどうにかなる
 「見えない障害」の困りごと
 目は脳の窓
 眠るという苦行
 自分の首を絞める手を放せ
 「いただきます」までの果てしない道のり
 料理が苦手な私たちへ

VI 「うつ病」治療を生き延びる
 地獄の扉は開かれた
 乗っ取られた体
 六年間の泥沼から抜け出す
 治療というジャングルの進み方

エピローグ

おわりに
関連書
  • 商品写真
    ≪シリーズ ケアをひらく≫
    発達障害当事者研究
    ゆっくりていねいにつながりたい
    著:綾屋 紗月/熊谷 晋一郎
    定価 2,200円 (本体2,000円+税10%)
    ISBN978-4-260-00725-2
  • 商品写真
    ≪シリーズ ケアをひらく≫
    居るのはつらいよ
    ケアとセラピーについての覚書
    著:東畑 開人
    定価 2,200円 (本体2,000円+税10%)
    ISBN978-4-260-03885-0
  • 商品写真
    ≪シリーズ ケアをひらく≫
    在宅無限大
    訪問看護師がみた生と死
    著:村上 靖彦
    定価 2,200円 (本体2,000円+税10%)
    ISBN978-4-260-03827-0