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こどものリハビリテーション医学

発達支援と療育
(第3版)

監修:伊藤 利之
編集:小池 純子/半澤 直美/高橋 秀寿/橋本 圭司

  • 判型 B5
  • 頁 416
  • 発行 2017年12月
  • 定価 9,720円 (本体9,000円+税8%)
  • ISBN978-4-260-03217-9
こどものリハを一望できる実践的なテキスト。時代の変化にあわせて全面改訂!
医学サイドだけでない総合的なこどものリハの特性を学べる実践的なテキストの全面改訂版。ハイリスク児、重複障害、発達障害の増加など、より現代の社会状況を反映した内容に再構成され、こどものリハの世界を一望できる。こどもにかかわる職種なら必携の1冊。
序 文
第3版 序

 本書の前身は,「こどものリハビリテーション」(1991年刊),初版にあたる「こどものリハビリテーション医学」(1999年刊)であり,出版以来,理学療法士,作業療法士の養成校のみならず,こどものリハビリテーションや療育に携わる多くの方々に広く好感をもって迎えられてきた...
第3版 序

 本書の前身は,「こどものリハビリテーション」(1991年刊),初版にあたる「こどものリハビリテーション医学」(1999年刊)であり,出版以来,理学療法士,作業療法士の養成校のみならず,こどものリハビリテーションや療育に携わる多くの方々に広く好感をもって迎えられてきた。本書はその改訂第3版である。
 障害のあるこどものリハビリテーションという視点からプラクティカルな内容を目指すという編集方針については継続して変更はない。しかし,第2版よりすでに9年の月日が経過し,対象となるこどもの状況は,重度な知的障害を合併しない肢体不自由児が減る一方で,ハイリスク児や重複障害が増え,精神系では発達障害児が著しく増加した。本書はこのような背景を踏まえ,新たな編集者として半澤直美先生,高橋秀寿先生,橋本圭司先生に参画していただき,臨床現場の視点に立って目次や執筆者の構成,全体の分量について大幅な改変を加えた。おかげで時代のニーズに適した内容に生まれ変わったと感謝している。
 なお,今回の改訂では読みやすさを重視し,できるだけ用語の統一を図った。たとえば「小児」は本書の表題に合わせて「こども」とし,それに対応して「成人」も「大人」で統一した。また,病名や障害名の日本語訳が定着していない発達障害の領域では,DSM-5の日本語版に準拠して表記することとした。
 わが国における少子化の進行は深刻さを増しており,最近になってようやく,こどもに対する手厚い政策が提示されるようになってきた。その中で,こどものリハビリテーションは女性が安心して出産できる環境を整備するという点で,保育や教育の保障と並び,少子化対策として重要な位置を占めるものである。教育の無償化など,単なる経済支援は財源があればすぐにでも可能だが,技術の開発や人材育成は一朝一夕には成しえない。だからこそ,常時の地道な臨床の積み重ねが必要である。こどもは社会の宝だという。そうだ! と未来を思考するなら,生まれてくるこどもを丸ごと保証する必要があり,リハビリテーションの保障は必須の対策と考えるべきではないか。そんな想いを込めて,本書が少しでも役に立てばと願っている。
 本書が,私たちの理想とする「こどものリハビリテーション」を一望できる実践的な成書となることを祈念するとともに,出版にあたり,ご執筆いただいた多くの先生方と医学書院の塩田高明・成廣美里の両氏に心より御礼申し上げる。

 2017年10月
 監修者
目 次
第1章 序論
 [1]こどもの「障害学」
 [2]障害児をめぐる情勢
 [3]地域療育
 [4]特別支援教育
 [5]家族支援
 [6]社会資源の活用

第2章 発達の診断・評価・療育
 [1]NICUからの診断・評価
 [2]運動発達
 [3]精神発達
 [4]言語発達
 [5]新生児リハビリテーション
 [6]早期リハビリテーション
 [7]理学療法
 [8]作業療法
 [9]言語聴覚療法
 [10]心理療法

第3章 運動発達の障害
 [1]運動障害の療育-総論
 [2]脳性麻痺
  A 診断と評価
  B 医療・合併症管理
  C 成人期の問題
 [3]二分脊椎症
  A 診断と評価
  B 医療と合併症管理
   1 脳神経外科
   2 整形外科
   3 泌尿器科
 [4]神経筋疾患
  A 筋ジストロフィー
  B 脊髄性筋萎縮症(SMA)
  C シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)
 [5]骨関連疾患
  A 先天性多発性関節拘縮症(AMC)
  B 若年性特発性関節炎(若年性関節リウマチ,JIA)
  C 骨形成不全症(OI)
 [6]先天性四肢形成不全と切断

第4章 精神発達の障害
 [1]神経発達障害の概念(総論)
 [2]知的障害(精神遅滞)
 [3]自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害
 [4]注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害
 [5]学習障害(限局性学習症/限局性学習障害)
 [6]高次脳機能障害
 [7]発達性協調運動症/発達性協調運動障害

第5章 重度障害・重複障害
 [1]診断・評価
 [2]医療的ケア
 [3]療育の特徴と留意点

第6章 感覚障害
 [1]視覚障害
 [2]聴覚障害

第7章 内部障害
 [1]呼吸障害
 [2]循環器障害
 [3]代謝・内分泌障害
 [4]小児がん
 [5]臓器移植

第8章 その他のリハビリテーション対象疾患
 [1]先天異常(概説)
 [2]ダウン症候群(21トリソミー症候群)
 [3]脳炎・脳症
 [4]てんかん
 [5]熱傷
 [6]口蓋裂

第9章 摂食機能障害
 [1]摂食指導
 [2]口腔ケア

第10章 補装具・環境整備
 [1]義肢と装具
 [2]姿勢保持と移動支援
 [3]福祉用具と住環境

第11章 関連知識
 [1]日常生活活動
 [2]児童虐待
 [3]ペアレント・トレーニング
 [4]遺伝カウンセリング
 [5]障害児のスポーツ参加

索引