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≪系統看護学講座 専門分野Ⅱ≫

成人看護学[4]

血液・造血器


(第14版)

著:飯野 京子/木崎 昌弘/森 文子

  • 判型 B5
  • 頁 248
  • 発行 2015年01月
  • 定価 1,728円 (本体1,600円+税8%)
  • ISBN978-4-260-02001-5
本書の特長
序章では、白血病の患者の事例を取り上げ、本書で学ぶことが具体的にイメージできるようになっています。
治療については新たな知見を取り入れ、分類・診断基準も最新のものに更新しました。
疾患を説明する図の多くを刷新し、よりわかりやすくなりました。
看護については、最新の治療の動向をふまえ、化学療法の外来看護とセルフケア指導についての説明、造血幹細胞移植のドナーの看護など充実した内容となっています。終末期の看護についても記述を追加しています。
巻末付録として「造血器腫瘍に対する治療でよく用いられる抗がん剤」を収載しています。
*「系統看護学講座」は2018年版より新デザインとなりました。
*「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
序 文
はしがき

発刊の趣旨
 1967年から1968年にかけて行われた看護学校教育課程の改正に伴って,新しく「成人看護学」という科目が設けられた。
 本教科のねらいとするところは,「看護の基礎理論としての知識・技術・態度を理解し,これを応用することによって,病気を持つ...
はしがき

発刊の趣旨
 1967年から1968年にかけて行われた看護学校教育課程の改正に伴って,新しく「成人看護学」という科目が設けられた。
 本教科のねらいとするところは,「看護の基礎理論としての知識・技術・態度を理解し,これを応用することによって,病気を持つ人の世話あるいは健康の維持・増進を実践・指導し,看護の対象であるあらゆる人の,あらゆる状態に対応していくことができる」という,看護の基本的な理念を土台として,「成人」という枠組みの対象に対する看護を学ぶことにある。
 したがって,看護を,従来のように診療における看護といった狭い立場からではなく,保健医療という幅広い視野のなかで健康の保持・増進という視点においてとらえ,一方,疾患を持った患者に対しては,それぞれの患者が最も必要としている援助を行うという看護本来のあり方に立脚して学習しなければならない。
 本書「成人看護学」は,以上のような考え方を基礎として編集されたものである。
 まず「成人看護学総論」においては,成人各期の特徴を学び,対象である成人が,どのような状態のもとで正常から異常へと移行していくのか,またそれを予防し健康を維持していくためには,いかなる方策が必要であるかを学習し,成人の全体像と成人看護の特質をつかむことをねらいとしている。
 以下,「成人看護学」の各巻においては,成人というものの概念を把握したうえで,人間の各臓器に身体的あるいは精神的な障害がおこった場合に,その患者がいかなる状態におかれるかを理解し,そのときの患者のニーズを満たすためにはどのようにすればよいかを,それぞれの系統にそって学習することをねらいとしている。
 したがって,「成人看護学」の学習にあたっては,従来のように診療科別に疾病に関する知識を断片的に習得するのではなく,種々の障害をあわせ持つ可能性のある1人ひとりの人間,すなわち看護の対象としての人間のあらゆる変化に対応できる知識・技術・態度を学びとっていただきたい。
 このような意味において,学習者は対象の健康生活上の目標達成のために,より有効な援助ができるような知識・技術を養い,つねに研鑽を続けていかなければならない。
 以上の趣旨のもとに,金子光・小林冨美栄・大塚寛子によって編集された「成人看護学」であるが,日進月歩をとげる医療のなかで,本書が看護学の確立に向けて役だつことを期待するものである。

カリキュラムの改正
 わが国の看護・医療を取り巻く環境は,急速な少子高齢化の進展や,慢性疾患の増加などの疾病構造の変化,医療技術の進歩,看護業務の複雑・多様化,医療安全に関する意識の向上など,大きく変化してきた。それに対応するために,看護教育のカリキュラムは,1967~1968年の改正ののち,1989年に全面的な改正が行われ,1996年には3年課程,1998年には2年課程が改正された。さらに2008年にも大きく改正され,看護基礎教育の充実がはかられるとともに,臨床実践能力の強化が盛り込まれている。

改訂の趣旨
 今回の「成人看護学」の改訂では,カリキュラム改正の意図を吟味するとともに,1999年に発表され,直近では2013年に改定された「看護師国家試験出題基準」の内容をも視野に入れ,内容の刷新・強化をはかった。また,日々変化する実際の臨床に即し,各系統において統合的・発展的な学習がともに可能となるように配慮した。
 序章「この本で学ぶこと」は,今改訂で新設された。冒頭の事例により,これから学ぶ疾患をかかえた患者の姿をイメージするとともに,本書で扱われている内容およびそれぞれの項目どうしの関係性が一見して把握できるように「本書の構成マップ」を設けた。
 第1章「看護を学ぶにあたって」では,系統別の医療の動向と看護を概観したあと,患者の身体的,心理・社会的特徴を明確にし,看護上の問題とその特質に基づいて,看護の目的と機能が具体的に示されている。
 第2~4章では,疾患とその医学的対応という視点から,看護の展開に必要とされる医学的な基礎知識が選択的に示されている。既習知識の統合化と臨床医学の系統的な学習のために,最新の知見に基づいて解説されている。
 第5章「患者の看護」では,第1~4章の学習に基づいて,経過別,症状別,検査および治療・処置別,疾患別に看護の実際が提示されている。これらを看護過程に基づいて展開することにより,患者の有する問題が論理的・総合的に理解できるように配慮されている。
 第6章「事例による看護過程の展開」では,1~3つの事例を取り上げ,看護過程に基づいて看護の実際を展開している。患者の有するさまざまな問題を提示し,看護の広がりと問題解決の過程を具体的に学習できるようにしている。
 また,巻末には適宜付録を設け,各系統別に必要となる知識を整理し,学習の利便性の向上をはかった。
 今回の改訂によって看護の学習がより効果的に行われ,看護実践能力の向上,ひいては看護の質的向上に資することを切に望むものである。ご活用いただき,読者の皆さんの忌憚のないご意見をいただければ幸いである。
 2014年11月
 著者ら
目 次
序章 この本で学ぶこと (飯野京子)
 血液・造血器疾患を持つ患者の姿
 本書の構成
第1章 血液・造血器の看護を学ぶにあたって (飯野京子)
 A 医療の動向
  1 血液・造血器疾患の概要
  2 疾病統計
  3 主要な疾患における医療の動向
 B 患者の特徴と看護の役割
  1 貧血患者の特徴と看護の役割
  2 難病患者の特徴と看護の役割
  3 造血器腫瘍患者の特徴と看護の役割
  4 家族への支援
第2章 血液の生理と造血のしくみ (木崎昌弘)
 A 血液の成分と機能
  1 血球の性状と機能
  2 止血機構と線溶
  3 免疫応答
 B 造血のしくみ
  1 造血の3要素
  2 血液細胞の分化
第3章 検査・診断と症候・病態生理 (木崎昌弘)
 A 病歴聴取と身体所見
  1 貧血
  2 発熱
  3 リンパ節腫脹・脾腫
  4 出血傾向
 B 検査
  1 末梢血検査
  2 骨髄穿刺・骨髄生検
  3 出血傾向の検査
  4 リンパ節生検
  5 細胞表面マーカー検査
  6 染色体検査
  7 遺伝子検査
 C 症候とその病態生理
  1 貧血
  2 白血球増加症
  3 白血球減少症
  4 脾腫
  5 リンパ節腫脹
  6 出血性素因
第4章 疾患と治療の理解 (木崎昌弘)
 A 赤血球系の異常
  1 鉄欠乏性貧血
  2 鉄代謝異常によるその他の貧血
  3 巨赤芽球性貧血
  4 再生不良性貧血
  5 溶血性貧血
  6 二次性貧血
 B 白血球系の異常
  1 無顆粒球症
  2 顆粒球機能異常症
  3 伝染性単核球症
 C 造血器腫瘍
  1 造血器腫瘍とは
  2 造血器腫瘍の分類
  3 治療計画とインフォームドコンセント
  4 造血器腫瘍治療の基本理念
  5 造血器腫瘍治療における支持療法
  6 急性白血病
  7 骨髄異形成症候群(MDS)
  8 慢性骨髄性白血病(CML)
  9 骨髄増殖性腫瘍(MPN)
  10 慢性リンパ性白血病(CLL)
  11 成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)
  12 悪性リンパ腫
  13 骨髄腫および類縁疾患
  14 血球貪食症候群
 D 出血性疾患
  1 血管異常による出血性疾患
  2 血小板異常による出血性疾患
  3 凝固異常による出血性疾患
  4 播種性血管内凝固症候群(DIC)
第5章 患者の看護 (飯野京子・森文子)
 A 経過別にみた看護
  1 急性期患者の看護
  2 慢性期患者の看護
  3 終末期患者の看護
 B 主要症状を有する患者の看護
  1 貧血のある患者の看護
  2 出血傾向のある患者の看護
  3 白血球減少のある患者の看護
 C 検査を受ける患者の看護
  1 白血病・悪性リンパ腫患者の検査
  2 主要な検査と看護
 D 造血器腫瘍患者の看護
  1 造血器腫瘍患者の意思決定支援
  2 がん薬物療法と看護
  3 放射線療法と看護
  4 造血幹細胞移植を受ける患者の看護
  5 輸血療法
  6 白血病患者の看護
  7 悪性リンパ腫患者の看護
  8 治癒が期待できなくなったとき
 E 血友病患者の看護
第6章 事例による看護過程の展開 (森文子)
 A 急性骨髄性白血病患者の寛解導入時の看護
  1 患者についての情報
  2 看護過程の展開
 B 悪性リンパ腫患者の外来における看護
  1 患者についての情報
  2 看護過程の展開

参考文献・推薦図書
巻末資料 造血器腫瘍に対する治療でよく用いられる抗がん剤
索引