生物学 [カレッジ版]
生きいきとしたカラー図で、生物学の基礎から最新の知見まで学べるテキスト!
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全ページカラーで、生物の姿が生きいきと、分子レベルの説明もわかりやすくなっています。また、miRNAなどの最新の知見を取り込みながら、ストーリー性をもたせた構成にすることで学生の理解を促し、興味をひく内容となっています。側柱や巻末に生物学を学ぶにあたって必要となる物理・化学の基礎知識をまとめるなど、専門用語でつまずかないように工夫をしています。
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序文
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はしがき
科学の諸分野のなかで,生物学ほど研究の進展が速い分野はない。それは,生物学が包含する専門的な学問領域が,分子生物学から環境生物学にいたる広大なものであり,研究・解析のレベルも分子から細胞・個体を経て地球にいたる多くの階層から構成されるからである。それぞれの専門分野,解析レベルでの研究が日進月歩で進み,新たな発見が毎週のように報告されている。
もとより一般教育のための教科書がこれらにふりまわされる必要はない。むしろ教科書としては,生物学の基幹をなす古典的概念や考え方が新しい知見に対しても有効であることを検証し,これらを学ぶ者に伝えていかねばならない。もしも旧来の概念・考え方が否定され,それにかわるものが提唱されたときは,その根拠と展望を伝えていかねばならない。これまで不明であったことが明らかにされたのであれば,その研究手法的な背景も含めて伝えていかねばならない。学問分野が極度に細分化された今日,新たな知見を見すえながら生物学を1つの科目として教科書にまとめるには非常な困難があるが,まさにそれゆえにこそ,一般教育のための生物学教科書の使命には大切なものがあると考える。
本書は看護学教育の基礎教育課程を対象とする教科書として,1968年の初版以来,生物学の進展を取り入れながら版を重ねてきた。今回の改訂では,最新の知見に対応するとともに,看護学の基礎教育向けということを考慮して,植物に関する項目をいくつか削減した。また,高等学校で生物学を履修していない学生にも理解できるよう,平易な表現を心がけた。
生物が示す形態や機能は,進化の過程でそれぞれの種の生息環境に適応して多様化してきた。ヒトの生命機能も例外ではない。進化は学問としての生物学の中心命題であり,生物学を生理学,生化学などその関連領域と区別する最大の特徴である。本書では,これまでの版での比較生物学的な方針を継承し,本書で学ぶ学生の皆さんが,ヒトを含む生命現象について,広く生物学的視野の中でその理解を深められるように配慮した。著者の意図がどこまで実現できているかは,本書で学び,また,本書で教えられる諸賢の判断にゆだねられる。ご批判,ご提言を頂くことを心から期待する所以である。
なお,本書で用いる学術用語は原則として『生物教育用語集』(日本動物学会/日本植物学会,東京大学出版会,1998年)に準拠,統一した。医学用語とは異なる学術用語については,適宜括弧内などに併記し,必要に応じて英語を示した。
2012年11月
著者一同
科学の諸分野のなかで,生物学ほど研究の進展が速い分野はない。それは,生物学が包含する専門的な学問領域が,分子生物学から環境生物学にいたる広大なものであり,研究・解析のレベルも分子から細胞・個体を経て地球にいたる多くの階層から構成されるからである。それぞれの専門分野,解析レベルでの研究が日進月歩で進み,新たな発見が毎週のように報告されている。
もとより一般教育のための教科書がこれらにふりまわされる必要はない。むしろ教科書としては,生物学の基幹をなす古典的概念や考え方が新しい知見に対しても有効であることを検証し,これらを学ぶ者に伝えていかねばならない。もしも旧来の概念・考え方が否定され,それにかわるものが提唱されたときは,その根拠と展望を伝えていかねばならない。これまで不明であったことが明らかにされたのであれば,その研究手法的な背景も含めて伝えていかねばならない。学問分野が極度に細分化された今日,新たな知見を見すえながら生物学を1つの科目として教科書にまとめるには非常な困難があるが,まさにそれゆえにこそ,一般教育のための生物学教科書の使命には大切なものがあると考える。
本書は看護学教育の基礎教育課程を対象とする教科書として,1968年の初版以来,生物学の進展を取り入れながら版を重ねてきた。今回の改訂では,最新の知見に対応するとともに,看護学の基礎教育向けということを考慮して,植物に関する項目をいくつか削減した。また,高等学校で生物学を履修していない学生にも理解できるよう,平易な表現を心がけた。
生物が示す形態や機能は,進化の過程でそれぞれの種の生息環境に適応して多様化してきた。ヒトの生命機能も例外ではない。進化は学問としての生物学の中心命題であり,生物学を生理学,生化学などその関連領域と区別する最大の特徴である。本書では,これまでの版での比較生物学的な方針を継承し,本書で学ぶ学生の皆さんが,ヒトを含む生命現象について,広く生物学的視野の中でその理解を深められるように配慮した。著者の意図がどこまで実現できているかは,本書で学び,また,本書で教えられる諸賢の判断にゆだねられる。ご批判,ご提言を頂くことを心から期待する所以である。
なお,本書で用いる学術用語は原則として『生物教育用語集』(日本動物学会/日本植物学会,東京大学出版会,1998年)に準拠,統一した。医学用語とは異なる学術用語については,適宜括弧内などに併記し,必要に応じて英語を示した。
2012年11月
著者一同
目次
開く
序章 生物学を学ぶにあたって (高畑雅一)
A 生命観とその変遷
B 生命と生物学
C 看護・医学の基礎科学としての生物学
第1章 生命体のつくりとはたらき (高畑雅一)
A 生物学における構造と機能
B 細胞とその構造
C 細胞の化学成分
D 細胞膜の輸送
E 細菌とウイルス
第2章 生体維持のエネルギー (高畑雅一)
A 生体内の化学反応
B ATPの生合成
第3章 細胞の増殖とからだのなりたち (北田一博)
A 細胞分裂
B 細胞の分化とからだのなりたち
C 細胞の老化
第4章 遺伝情報とその伝達・発現のしくみ (北田一博)
A 遺伝の法則と染色体
B 遺伝情報の担い手-DNA
C DNAの複製
D 遺伝情報の伝達-RNA
E タンパク質の合成-翻訳
F 遺伝子組換え技術とゲノムの構造解析法
G 変異
H ヒトの遺伝
I 遺伝子組換えの応用
第5章 生殖と発生 (高畑雅一)
A 無性生殖と有性生殖
B 動物の受精と発生
C 哺乳類の発生
第6章 個体の調節 (高畑雅一)
A ホメオスタシス
B 各器官系のはたらき
C 神経性相関
D 液性相関
E 無脊椎動物のホルモン
第7章 刺激の受容と行動 (高畑雅一)
A 神経系における情報処理の特徴-電気信号
B 環境の情報とその受容
C 神経系の情報伝達
D 神経系の系統的発達
E 効果器のはたらき
F 行動
第8章 生命の進化と多様性 (増田隆一)
A 化学進化と生命の起源
B 生物の多様化と絶滅の歴史
C 生物の分類と系統
D ヒトの起源と進化
E 進化のしくみ
第9章 生物と環境のかかわり (増田隆一)
A 生物の集団
B 動物の社会
C 生態系の経済
D 生態系の物質循環
第10章 地球環境とヒトとの共存 (増田隆一)
A 人間活動による環境への影響
B 生物多様性の保全
巻末資料 生命科学を学ぶための物理・化学の基礎知識 (高畑雅一)
索引
A 生命観とその変遷
B 生命と生物学
C 看護・医学の基礎科学としての生物学
第1章 生命体のつくりとはたらき (高畑雅一)
A 生物学における構造と機能
B 細胞とその構造
C 細胞の化学成分
D 細胞膜の輸送
E 細菌とウイルス
第2章 生体維持のエネルギー (高畑雅一)
A 生体内の化学反応
B ATPの生合成
第3章 細胞の増殖とからだのなりたち (北田一博)
A 細胞分裂
B 細胞の分化とからだのなりたち
C 細胞の老化
第4章 遺伝情報とその伝達・発現のしくみ (北田一博)
A 遺伝の法則と染色体
B 遺伝情報の担い手-DNA
C DNAの複製
D 遺伝情報の伝達-RNA
E タンパク質の合成-翻訳
F 遺伝子組換え技術とゲノムの構造解析法
G 変異
H ヒトの遺伝
I 遺伝子組換えの応用
第5章 生殖と発生 (高畑雅一)
A 無性生殖と有性生殖
B 動物の受精と発生
C 哺乳類の発生
第6章 個体の調節 (高畑雅一)
A ホメオスタシス
B 各器官系のはたらき
C 神経性相関
D 液性相関
E 無脊椎動物のホルモン
第7章 刺激の受容と行動 (高畑雅一)
A 神経系における情報処理の特徴-電気信号
B 環境の情報とその受容
C 神経系の情報伝達
D 神経系の系統的発達
E 効果器のはたらき
F 行動
第8章 生命の進化と多様性 (増田隆一)
A 化学進化と生命の起源
B 生物の多様化と絶滅の歴史
C 生物の分類と系統
D ヒトの起源と進化
E 進化のしくみ
第9章 生物と環境のかかわり (増田隆一)
A 生物の集団
B 動物の社会
C 生態系の経済
D 生態系の物質循環
第10章 地球環境とヒトとの共存 (増田隆一)
A 人間活動による環境への影響
B 生物多様性の保全
巻末資料 生命科学を学ぶための物理・化学の基礎知識 (高畑雅一)
索引
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