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≪標準理学療法学 専門分野≫

日常生活活動学・生活環境学


(第4版) (在庫なし)

シリーズ監修:奈良 勲
編集:鶴見 隆正/隆島 研吾

  • 判型 B5
  • 頁 376
  • 発行 2012年09月
  • 定価 5,940円 (本体5,400円+税10%)
  • ISBN978-4-260-01603-2
実践場面を反映し、諸制度などの最新情報を織り交ぜ改訂
「日常生活活動学」と「生活環境学」の二部構成。「日常生活活動学」は、総論でADLの歴史、概念、評価などの基本事項を解説し、各論で疾患別の評価方法とADL指導を具体的に提示する。「生活環境学」では、概念や法的諸制度、住宅改修や生活支援機器について紹介する。第4版ではADL各論に「IX.ロービジョン(視覚障害)」「X.在宅生活に向けたADL指導」、生活環境学各論に「V.高齢者の転倒予防と環境調整」を加える。
*「標準理学療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
序 文
第4版 序

 本書はこのたび,第4版を迎えるはこびとなった.2001年に誕生してから11年の間に第2版,第3版の改訂を重ね,今回第4版を上梓できるのも,ひとえに多くの方々にご支持いただいたお陰だと,心から感謝する次第である.
 近年,急性期病院における平均在院日数の短期化ととも...
第4版 序

 本書はこのたび,第4版を迎えるはこびとなった.2001年に誕生してから11年の間に第2版,第3版の改訂を重ね,今回第4版を上梓できるのも,ひとえに多くの方々にご支持いただいたお陰だと,心から感謝する次第である.
 近年,急性期病院における平均在院日数の短期化とともに,回復期リハビリテーション病棟が増加し,地域生活に移行したのちの,通所や訪問などを駆使した地域リハビリテーションがすっかり定着した感もある.クライエントにとっては切れ目のないリハビリテーションサービスを受けることができる環境の整備がよりいっそう望まれる.そのために,健やかで質の高い生活行動を指導・支援するには,医療と保健福祉を統合した具体的かつ実践的な理学療法を展開することが大切になる.
 また一方で,WHOにより障害のとらえ方が,国際障害分類(ICIDH)から,生活機能を重視し社会参加までを包括した概念である国際生活機能分類(ICF)へと移行したことにより,われわれ理学療法士が担う理学療法の範囲も確実に広がってきた.
 このようななかで,ADLがリハビリテーションおよび理学療法の中核的な位置を占めていることに変わりはなく,むしろ,より具体的できめの細かい生活障害のとらえ方と,その改善方法の提供が求められている.
 本書は刊行以来,理学療法士を目指す学生や臨床の第一線で理学療法に取り組まれている方々に対して,ADLの概念,ADL評価とその指導にかかわる知識・技術,生活環境をとりまく諸制度などの最新情報を織り交ぜながら,標準的な教科書になるよう努めてきた.
 第4版では「日常生活活動学」の各論に「IX ロービジョン(視覚障害)」を追加した.これは近年,糖尿病などによる中途失明や弱視の方に対する指導場面が増えていることを反映したものである.また,前版から追加した「在宅でのADL支援」を,在宅への移行を踏まえ,「X 在宅生活に向けたADL指導」として項を改めた.「生活環境学」の各論には「V 高齢者の転倒予防と環境調整」を追加し,総論「III 生活環境と法的諸制度」には,2012年4月の医療保険と介護保険の同時改定や,障害者自立支援法から障害者総合支援法への移行などを可能な範囲で反映した.
 本書が引き続き,学生をはじめ,日常生活活動学の指導・支援にかかわる方々への最新の内容を提供し,理学療法の質的向上とともに,生活環境を含めた日常生活活動の指導・支援を必要としておられるクライエントの方々に役立つことを願っている.
 最後に,お忙しいなか執筆していただいた先生方に深謝申し上げ,今回の改訂にあたってお世話くださった医学書院の編集部と制作部の方々にお礼申し上げる次第である.

 2012年7月
 鶴見隆正
 隆島研吾
書 評
  • 学生,臨床家を問わず常に手元に置いておきたい良書
    書評者:上岡 裕美子(茨城県立医療大准教授・理学療法学)

     理学療法実践は,身体運動機能・動作の改善のみではなく,対象者の日々の生活における活動・行為のレベルで向上もしくは変化がみられて初めて,対象者やその家族にとって意味を持つのではないだろうか。2001年にWHOから国際生活機能分類(ICF)が発表され,心身機能・身体構造,活動,参加の各構成要素と環境因...
    学生,臨床家を問わず常に手元に置いておきたい良書
    書評者:上岡 裕美子(茨城県立医療大准教授・理学療法学)

     理学療法実践は,身体運動機能・動作の改善のみではなく,対象者の日々の生活における活動・行為のレベルで向上もしくは変化がみられて初めて,対象者やその家族にとって意味を持つのではないだろうか。2001年にWHOから国際生活機能分類(ICF)が発表され,心身機能・身体構造,活動,参加の各構成要素と環境因子などとの相互作用性が示され,その概念は広く認識されてきた。

     近年,わが国では超高齢社会を迎え,高齢者・障害者の在宅生活を支えるために,自立と生活の質を追求し,医療・保健福祉のさまざまなサービスが一体的に提供されることが求められている。このような中で,理学療法士にとっても「生活」の視点がより重要となってきた。身体運動機能・動作だけでなく,日々の生活における活動・行為に対してどのように関与できるか,理学療法のあり方が問われている。そのような時期だからこそ,『日常生活活動学・生活環境学 第4版』が発行されたことに,大いに意義があると思う。

     本書は,日常生活活動(activities of daily living ; ADL)の概念や基本的な考え方,具体的な評価方法や指導法がわかりやすく解説されている。

     第4版では,「日常生活活動学」の各論に「IX.ロービジョン(視覚障害)」と「X.在宅生活に向けたADL指導」が加えられ,「生活環境学」の各論に「V.高齢者の転倒予防と環境調整」が追加された。また,総論の「III.生活環境と法的諸制度」では,2012年4月の医療保健と介護保険の同時改定,障害者自立支援法から障害者総合支援法への移行なども反映されている。その他にも,全般に細かい修正が加えられ,図表の充実,重要な用語は太字体で記載するなどの工夫がなされている。

     「日常生活活動学」の総論「V.ADL評価」には,代表的なADL評価表の説明に続いて,各ADL動作の質的な評価の要点が具体的に記載されている。第4版では,各ADL動作について,姿勢,バランス,環境,動作全体(手順),介助方法など細かく項目が立てられ,よりわかりやすくなった。これを参考にADL評価を行えば,ADL指導や理学療法プログラム立案の資料として非常に役に立つと思われ,臨床家の方にもお薦めしたい。

     また,「IV.ADLの運動学的分析」は図表が改変されて充実し,動作の運動学的分析についての解説がより詳細になった。

     「生活環境学」の総論「I.生活環境学の概念」は,本書第3版で改訂された部分であるが,人的環境,物理的環境,社会的環境の3要因と障害との関連性が,深い内容ながら理解しやすく解説されている。さらに,この3要因が生活の営みに総合的に関与していることを学ぶための学習方法が提示されているので,教員にとっても参考になるであろう。

     本書は,学生はもとより,臨床家にとっても役に立つ,常に手元に置いておきたい良書であるといえる。
目 次
日常生活活動学
 第1章 総論
  I.ADLの概念と範囲
  II.ADLと障害
  III.ADLとQOL
  IV.ADLの運動学的分析
  V.ADL評価
  VI.ADLを支援する機器(1)-自助具・日常生活用具
  VII.ADLを支援する機器(2)-歩行補助具
  VIII.ADLを支援する機器(3)-車いす
 第2章 各論-ADL指導の実際
  I.片麻痺
  II.脊髄損傷
  III.脳性麻痺
  IV.関節リウマチ
  V.人工股関節術後
  VI.下肢切断
  VII.呼吸器疾患・循環器疾患
  VIII.神経筋疾患・難病
  IX.ロービジョン(視覚障害)
  X.在宅生活に向けたADL指導

生活環境学
 第1章 総論
  I.生活環境学の概念
  II.生活環境の評価と改善計画
  III.生活環境と法的諸制度
 第2章 各論
  I.生活環境としての住宅と住宅改修
  II.生活を支える福祉・リハビリテーション関連用具
  III.地域環境と公共交通
  IV.高齢者の在宅支援サービス
  V.高齢者の転倒予防と環境調整
  VI.生活環境のフィールドワーク

巻末資料
 資料1 法制度関連資料
 資料2 日常生活活動学・生活環境学の基本用語解説
 索引
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