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今日の循環器疾患治療指針


(第3版)

編集:井上 博/許 俊鋭/檜垣 實男/代田 浩之/筒井 裕之

  • 判型 A5
  • 頁 968
  • 発行 2013年01月
  • 定価 14,040円 (本体13,000円+税8%)
  • ISBN978-4-260-01472-4
354項目、300名を超える循環器専門医が執筆
全科版である『今日の治療指針』よりも、循環器に特化した待望の改訂版。循環器に関するより詳しい解説(病態、診断、治療、患者指導など)を意図した、現時点での標準的な診療を具体的に解説する実践書。この1冊さえあれば臨床上の疑問点について必ずなんらかの情報にたどりつけるリファレンスブック。
序 文
第3版 序

 本書初版は1992年2月に,第2版は2001年6月に刊行された.第2版が刊行されてから10年が過ぎ,ここに第3版を上梓することになり,編集者一同にとって感慨新たなるものがある.
 過去10年間の医学の進歩は目覚ましいが,循環器病学の分野においても同様である.第3版...
第3版 序

 本書初版は1992年2月に,第2版は2001年6月に刊行された.第2版が刊行されてから10年が過ぎ,ここに第3版を上梓することになり,編集者一同にとって感慨新たなるものがある.
 過去10年間の医学の進歩は目覚ましいが,循環器病学の分野においても同様である.第3版は,この間の疾病概念の変遷,検査・治療手段の進歩を可能な限り網羅し,今日における標準的な循環器疾患の治療指針をまとめたものである.編集方針は初版,第2版に準拠し,章立ても第1章「症状・徴候からのアプローチ」から第15章「静脈・リンパ管の疾患」までは,微細な字句の変更はあるが第2版を踏襲している.しかし,第2版の第16章「他臓器疾患などに伴う循環器異常」は,「肺循環」,「妊娠と循環器疾患」,「全身性疾患に伴う循環器疾患」の3章に分けた.また,新たに「リハビリテーションと患者指導・管理」という章を設け,昨今の心臓リハビリテーションの進歩を取り入れ,様々な状況における患者指導・管理についてまとめた.第2版の366項目,688頁と比べ,第3版では項目は354と減ったが,992頁と分量は大幅に増えることになった.
 各疾患を扱う章は,まず診断・治療の変遷,診断の進め方を概観した後,各論に至る構成とした.個々の疾患については概念・診断のポイント・治療方針・治療法という記載とした.
 循環器病の領域は広範かつ深遠となり,専門家といえども循環器病全般にわたって,最新の診療に関する知識を持ち合わせているとは限らない.また,循環器内科医と心臓外科医は,診療する疾患は同じであっても考え方や治療手段,患者管理は当然のことながら大きく異なる.心房細動の塞栓症の予防としての経口抗凝固薬は,長らくワルファリンのみであったが,最近では新しい作用機序の抗トロンビン薬や抗Xa阻害薬が登場し,心原性塞栓症の臨床は大きく様変わりしつつある.古い知識のみでは,また自己の専門の殻に閉じこもっていては,循環器疾患の最新の治療を実践することはできない.
 このような状況であるからこそ,日々の診療の場において折に触れ本書を利用し,役立てていただきたいと思う.独りよがりや旧態依然とした治療を避け,今日の標準的な治療を行うことは医師たるものの使命である.その意味から,本書は,原型である「今日の治療指針」にならい数年に一度は改訂されて,わが国における標準的な循環器疾患の治療指針として生き続けて欲しいと願うものである.
 本書が成るに当たり大勢の執筆者のご協力を頂いた.お忙しい中,無理な依頼を快くお引き受け頂いた執筆者各位に,この場を借りてお礼を申し上げたい.

 2012年12月
 編集者を代表して 井上 博
目 次
序章 循環器疾患診断の変遷

第1章 症状・徴候からのアプローチ
循環器系疾患の症候のとらえ方/胸痛,胸部圧迫感/呼吸困難,息切れ/動悸,心悸亢進/浮腫/失神・めまい/チアノーゼ/異常心音,心雑音/脈の異常/血圧異常/心電図異常/心陰影異常/四肢疼痛,四肢冷感/腹痛,腰痛/全身所見(体型,顔貌)

第2章 循環器救急患者の初期対応
循環器疾患患者のプレホスピタルケア/一次救命処置/二次救命処置/来院時心肺停止患者の取り扱い/心臓突然死/CCU入室の適応/救急時の心電図・血行動態モニター/閉胸式心マッサージ/開胸式心マッサージ/酸素療法と血液ガス分析/気道確保,気管挿管,人工呼吸法/呼吸管理と呼吸補助装置(人工呼吸器)/緊急心臓ペーシング/血管確保と薬物投与/除細動/Swan-Ganzカテーテル法/呼吸困難の救急処置/緊急を要する不整脈の処置/狭心症発作の救急処置/急性心筋梗塞の救急処置/心原性ショック/急性心タンポナーデの救急処置/循環不全における多臓器不全(MODS)/低体温療法

第3章 検査総論
循環器疾患の検査の進め方/ホルター心電図/心エコー/CT/MRI/運動負荷心電図/心肺運動負荷試験/家庭血圧,自由行動下血圧/心血管バイオマーカー/遅延電位,T波交互現象/自律神経機能検査/指標/心臓核医学(SPECT・PETを含む)

第4章 治療薬総論
循環器用薬の最近の動向/カテコールアミンおよびその類似薬/強心配糖体(ジギタリス)/その他強心薬/利尿薬/hANPとバソプレッシン受容体阻害薬/α受容体遮断薬/β受容体遮断薬/その他の交感神経抑制薬/Ca拮抗薬/硝酸薬/レニン-アンジオテンシン系阻害薬/その他の血管拡張薬/抗凝固薬/抗血小板薬/血栓溶解薬/抗不整脈薬/脂質異常症用薬/その他の抗動脈硬化薬/麻薬性および非麻薬性鎮痛薬/禁煙補助薬/注意すべき循環器系薬物の相互作用

第5章 不整脈
不整脈診断・治療の変遷/不整脈診断の進め方/抗不整脈薬の選び方のポイント/洞不全症候群(洞徐脈,洞停止,洞房ブロック)/心房期外収縮/発作性上室頻拍/WPW症候群/心房粗動/心房細動/心室期外収縮/心室頻拍/心室細動/QT延長症候群・QT短縮症候群/Brugada症候群/房室ブロック/心室内伝導障害/失神(血管迷走神経性失神,頸動脈洞症候群)/人工ペースメーカーの適応と植え込み/人工ペースメーカー使用患者の管理と指導/植込み型除細動器の適応と管理/不整脈の外科治療/カテーテルアブレーション(総論)/薬剤誘発不整脈/心臓手術後の不整脈/小児期不整脈の問題点/高齢者不整脈の問題点/CCUにおける不整脈

第6章 心不全
心不全診断・治療の変遷/心不全診断の進め方/心不全の病態生理/心不全重症度の評価法/急性心不全の治療方針/慢性心不全の治療方針/心不全の一般的な管理/収縮期心不全の薬物療法/拡張期心不全の薬物療法/心不全における薬物療法の将来/心不全における不整脈の治療/他臓器合併症を有する心不全の治療/高齢者の心不全/性差を考慮した心不全治療/小児の心不全/心臓再同期療法(植込み型除細動器付きを含む)/慢性心不全の運動療法/心不全の和温療法/心不全の外科治療/補助循環(IABP, PCPS)/心不全における免疫吸着療法/補助人工心臓/心臓移植

第7章 虚血性心疾患
虚血性心疾患診断・治療の変遷/虚血性心疾患診断の進め方/虚血関連病態と診断/心筋バイアビリティ/虚血性心疾患と心エコー/ドップラーと冠血流予備能/冠動脈内エコー/光干渉断層法 /血管内視鏡/QCA(定量的冠動脈造影)/労作性狭心症/不安定狭心症と非ST上昇型心筋梗塞/冠攣縮性狭心症/無症候性心筋虚血/狭心症に対する薬の選び方/急性冠症候群とその治療/狭心症に対する冠動脈インターベンションの適応/狭心症に対する冠動脈バイパス手術の適応/狭心症の一般療法と生活指導/虚血性心疾患の運動療法/急性心筋梗塞の診断/ST上昇型心筋梗塞の治療(合併症のない場合)/急性心筋梗塞合併症とその対策/急性心筋梗塞に合併する心不全の治療/心筋梗塞における抗不整脈薬の使い方/心筋梗塞後合併症に対する外科治療/経静脈的冠動脈血栓溶解療法/急性心筋梗塞に対する冠動脈インターベンションの適応/右室梗塞/急性心筋梗塞に合併する心膜炎と心筋梗塞後症候群/高齢者の心筋梗塞/心筋梗塞の長期予後と再発予防/心筋梗塞の生活指導/川崎病/経皮的冠動脈インターベンション/ロータブレータ/左冠動脈主幹部,慢性完全閉塞に対するPCI/経皮的冠動脈インターベンションと冠動脈バイパス術

第8章 弁膜疾患
弁膜疾患診断・治療の変遷/弁膜疾患診断の進め方/急性リウマチ熱およびリウマチ性心炎/僧帽弁狭窄症/僧帽弁閉鎖不全症,僧帽弁逸脱症候群/大動脈弁狭窄症,大動脈弁閉鎖不全症/三尖弁閉鎖不全症,三尖弁狭窄症/肺動脈弁閉鎖不全症,肺動脈弁狭窄症/連合弁膜症/感染性心内膜炎/弁膜疾患の外科治療/人工弁置換後の管理/経皮経静脈僧帽弁交連裂開術/大動脈弁インターベンション

第9章 先天性心疾患
先天性心疾患診断・治療の変遷/先天性心疾患診断の進め方/先天性心疾患に対する最近の手術成績と長期予後/先天性疾患の胸部X線診断/心房中隔欠損症/三心房心/内臓錯位症候群(単心房)/房室中隔欠損症(心内膜床欠損症)/先天性僧帽弁狭窄症と閉鎖不全症/三尖弁閉鎖症/エプスタイン奇形/心室中隔欠損症/単心室症/左心低形成症候群/ファロー四徴症/完全大血管転位症/修正大血管転位症/両大血管右室起始症/両大血管左室起始症/総動脈幹遺残/大動脈弁狭窄症/肺動脈狭窄/純型肺動脈閉鎖症/アイゼンメンゲル症候群/肺動静脈瘻/動脈管開存症/大動脈肺動脈窓/大動脈縮窄/大動脈弓離断/Valsalva(バルサルバ)洞動脈瘤破裂/左冠状動脈肺動脈起始(Bland-White-Garland症候群)/冠動静脈瘻/血管輪/体静脈還流異常症/総肺静脈還流異常症/部分肺静脈還流異常症/体静脈奇形/肺静脈狭窄症/ルタンバッシェ症候群/心臓の位置異常/先天性心疾患の生活指導

第10章 心膜疾患
心膜疾患診断・治療の変遷/心膜疾患診断の進め方/急性心膜炎,原発性非特異性心膜炎およびウイルス性心膜炎/結核性心膜炎/尿毒症性心膜炎/化膿性心膜炎/心膜切開後症候群/腫瘍性心膜炎/放射線治療後心膜炎/慢性収縮性心膜炎/心タンポナーデ/心膜嚢胞/心膜欠損症

第11章 心筋疾患
心筋症診断・治療の変遷/心筋疾患診断の進め方/拡張型心筋症/肥大型心筋症/拘束型心筋症/不整脈源性右室心筋症/虚血性心筋症/心アミロイドーシス/糖尿病性心筋症/Fabry病/心サルコイドーシス/アルコール性心筋症/脚気心/神経・筋疾患による心筋症/薬剤性心筋症/頻脈誘発性心筋症/たこつぼ(型)心筋症/心筋障害/心筋炎/心臓腫瘍

第12章 血圧の疾患
高血圧診断・治療の変遷/本態性高血圧診断の進め方/二次性高血圧診断の進め方/本態性高血圧の治療方針/高血圧の非薬物療法と生活指導/高血圧の薬物療法/高血圧性心疾患/虚血性心疾患を伴う高血圧/腎障害を伴う高血圧/脳血管障害後の高血圧/糖尿病を伴う高血圧/白衣高血圧・仮面高血圧/重症高血圧/高血圧緊急症および切迫症/高齢者の高血圧/小児の高血圧/腎血管性高血圧症/内分泌性高血圧症/心臓性・血管性高血圧/本態性低血圧症/起立性低血圧/

第13章 動脈疾患
動脈疾患診断・治療の変遷/動脈疾患診断の進め方/胸部大動脈瘤/腹部大動脈瘤/大動脈解離/大動脈炎症候群(高安動脈炎)/感染性大動脈炎,その他の大動脈炎/大動脈の腫瘍/大動脈の外傷/マルファン症候群/急性動脈閉塞症/急性上腸間膜動脈閉塞症/コレステロール塞栓症/閉塞性動脈硬化症/閉塞性血栓血管炎(バージャー病)/側頭動脈炎(巨細胞動脈炎)/内臓,頸部,四肢などの末梢動脈瘤/神経血管圧迫症候群/膝窩動脈捕捉症候群/膝窩動脈外膜嚢腫/腹腔動脈起始部圧迫症候群/レイノー病,レイノー現象/動静脈瘻/ステントグラフト内挿術/末梢動脈形成術

第14章 動脈硬化
動脈硬化診断・治療の変遷/動脈硬化診断の進め方/脈波検査/脂質異常症/脳梗塞/脳出血,くも膜下出血/腎不全と動脈硬化/糖尿病と動脈硬化/動脈硬化の食事療法

第15章 静脈・リンパ管の疾患
静脈・リンパ管疾患の診断・治療の変遷/静脈・リンパ管疾患の診断の進め方/静脈血行障害の検査法/下肢静脈瘤/慢性静脈不全症/深部静脈血栓症/静脈血栓後遺症(血栓症後症候群)/表在性静脈炎/モンドール病/上大静脈閉塞症,下大静脈閉塞症/肝静脈閉塞症/腸間膜静脈血栓症/腎静脈血栓症/リンパ管炎/リンパ浮腫

第16章 肺循環
肺循環関連疾患の診断・治療の変遷/肺循環関連疾患の診断の進め方/肺血栓塞栓症/慢性肺性心/肺動脈性肺高血圧症

第17章 妊娠と循環器疾患
心疾患患者の妊娠/妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)/妊娠と循環器治療薬/妊娠と抗凝固療法/心疾患患者の分娩・産褥期の管理/周産期(産褥性)心筋症

第18章 リハビリテーションと患者指導・管理
心臓手術後のリハビリテーション/心疾患のリハビリテーション/心筋梗塞急性期のリハビリテーション/急性心筋梗塞退院後(後期回復期から維持期)のリハビリテーション/運動療法の基本/抗凝固療法の管理・指導/心疾患と麻酔管理/心臓手術後の管理/心疾患患者の一般外科手術/高血圧と手術/心疾患患者の食事療法/心疾患患者とスポーツ/小児期からのメタボリックシンドローム予防/高齢の心疾患患者の生活指導

第19章 全身性疾患に伴う循環器疾患
甲状腺疾患/副腎疾患/副甲状腺疾患/下垂体疾患/慢性腎臓病・透析患者/膠原病/睡眠時無呼吸症候群/パニック障害(心臓神経症,神経循環無力症)/メタボリック症候群/タバコと心血管疾患/血清K濃度異常/血清Na濃度異常/貧血

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