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標準小児外科学


(第6版) (在庫なし)

監修:伊藤 泰雄
編集:高松 英夫/福澤 正洋/上野 滋

  • 判型 B5
  • 頁 424
  • 発行 2012年03月
  • 定価 7,700円 (本体7,000円+税10%)
  • ISBN978-4-260-01424-3
小児外科学のスタンダードな教科書。各分野のエキスパートが丁寧に解説。
医学部学生はもとより、小児外科専門医をめざす医師にも有用な教科書。広範にわたる小児外科領域を各分野のエキスパートが丁寧に解説する。事項最新の知見・データを踏まえ、総論・各論ともに内容を刷新。今回の改訂では、重要な点はアンダーラインで強調し、覚えておくべき事項を「NOTE」として箇条書きに整理するなど学習上のポイントが明確になる体裁にまとめた。イラストや写真を多用しビジュアル面も一層充実。
序 文
第6版 序

 『標準小児外科学』の第6版がこのたび刊行されることになりました.第6版発刊に向けて,2010年6月に編集会議を開催し,2011年1月を原稿締め切りとし,2012年春の発刊を目指しました.その時点では2011年3月に発生した東日本大震災のことは想像もできませんでした....
第6版 序

 『標準小児外科学』の第6版がこのたび刊行されることになりました.第6版発刊に向けて,2010年6月に編集会議を開催し,2011年1月を原稿締め切りとし,2012年春の発刊を目指しました.その時点では2011年3月に発生した東日本大震災のことは想像もできませんでした.東日本大震災では多くの方々が被災され,亡くなった方,行方不明の方も数多くいらっしゃいます.その中にはこどもたちも多く含まれています.被災された方々に心からお見舞いを申し上げ,この大惨事で命を落とされた方々のご冥福を心からお祈りいたします.地震発生から1年近く経過しましたが,依然として多くの方々が避難生活や,仮設住宅での生活を余儀なくされています.未だ復興の道のりは遠く険しいものがありますが,いつの日か日本人の底力で復興を成し遂げることができると信じております.また,大地震の後の津波によってもたらされた福島第一原発事故は放出された放射能の短期的な影響だけでなく,今後20年,30年といった長期的な影響に注目していかなければなりません.1日も早く終息に向かうことを祈っております.
 1985年に『標準小児外科学』の初版が上梓されて以来27年が経過しました.ほぼ5年ごとに改訂を加えてきましたが,小児外科を取り囲む環境は大きく変化し,この5年間はさらに変化が加速しているのではないかと感じています.その具体例としては画像診断の進歩,出生前診断症例の増加,移植医療の定着,鏡視下手術のさらなる進歩・拡大および臍や皮膚の皺を利用した小切開手術などの低侵襲外科minimally invasive surgeryへの移行,小児悪性腫瘍の遺伝子解析による予後判定などを挙げることができます.医療の進歩に伴って横隔膜ヘルニアや新生児の消化管穿孔では一時的に治療成績の悪化が起こりましたが,また改善の傾向に転じております.医学の進歩に伴う重症例の出現,それによる治療成績の悪化,そしてそれを克服しようとする現場の努力・さらなる医療機器の進歩などにより治療成績の改善が得られるという過程に,こどもの幸せを願う小児外科医の想い,歴史を見ることができます.
 治療によって長期生存を得た悪性腫瘍患者の妊孕性や胆道閉鎖症患者の出産など,いわゆるキャリーオーバー/トランジション症例の問題が提起されて久しいものがあります.成育医療の視点から,キャリーオーバー/トランジション症例も含めた胎児期,新生児期,小児期,思春期を経て次世代を育成する成人期へと至るライフサイクルの問題を包括的にとらえる取り組みが国立成育医療研究センターを中心に行われていますが,これはさらに重要になってくるものと考えられます.今回の改訂でも乳腺疾患,婦人科疾患,甲状腺疾患などが新項目として追加されています.
 一方,社会からは小児救急医療への要請が強まり,小児外科専門医,小児専門施設が急性腹症,外傷などの救急医療によりいっそう関わることが求められています.本書では以前から外傷・異物の章を設け,内容の充実をはかってきました.今回の改訂でも日本小児救急医学会を中心に作成された腸重積症の診療ガイドラインをいち早く取り入れるなどup-to-dateな内容になっています.
 第6版においては伊藤泰雄先生が監修に就任され,後任の編集者として東海大学の上野 滋先生が加わった新編集体制になりました.「標準」教科書シリーズは医学部学生のニーズに合致した教科書を目指しシリーズ共通の改訂方針に基づいて改訂を行っており,本書においてもこれに従っています.具体的には第5版で「学習のポイント」としてまとめていた本文中の重要な部分を下線で強調し,さらに理解を深めるための知識・情報を本文とは別枠に「Note」として掲載しました.また,各章の内容を視覚的に把握するための見取り図「構成マップ」を作成しました.本書全体を総論,脳神経・頚部,呼吸器・循環器,消化管,消化器(実質臓器)・体表・泌尿器・生殖器,腫瘍・外傷・結合体・移植の6つに分け,それぞれの冒頭に構成マップを掲載しています.
 本書は,第一線で活躍する小児外科医の分担執筆で構成されています.編集にあたっては,執筆者の個性的な部分をできるだけ抑え,全体的な統一をはかることに腐心しました.今回も多くの先生方に執筆をお願いしていますが,新たに18名の先生方に執筆者として加わっていただきました.執筆者とは度重なる意見交換を行い,失礼ながらいろいろと改変をお願いしました.編集段階での数々のご無礼をお詫びするとともに,改変を快く受け入れていただいた執筆者の方々に感謝の意を表します.また,今回の版で執筆を交代いただいた先生方にはこれまでのご協力に厚く御礼申し上げます.
 第6版の刊行にあたり,監修者として数々の貴重なご意見を頂いた伊藤泰雄先生に深甚なる感謝の意を表します.また初版以来長きにわたり本書の編集者,監修者をお務めいただいた岡田 正先生,鈴木宏志先生がお亡くなりになりました.両先生の『標準小児外科学』の発刊と充実に注がれた情熱に感謝申し上げ,哀悼の意を捧げます.
 本書がこれまでの版と同様に,医学生,研修医,小児外科スタッフの教科書ないし参考書として活用されることを切望してやみません.

 2012年2月
 編者
目 次
第1章 小児外科概論
第2章 手術前後の処置
第3章 出生前診断
第4章 麻酔および手術中の管理
第5章 内視鏡下手術
第6章 脳・脊髄
第7章 顔面・頚部
第8章 肺・気管・胸壁
第9章 心・大血管
第10章 食道
第11章 横隔膜
第12章 胃・十二指腸
第13章 小腸・大腸
第14章 消化管閉鎖症・狭窄症
第15章 消化管重複症
第16章 直腸・肛門
第17章 肝・胆・膵
第18章 脾・門脈
第19章 腹壁・臍および鼠径部
第20章 泌尿器・生殖器
第21章 小児腫瘍
第22章 外傷・異物
第23章 結合体
第24章 移植

 付録1:乳児(男子)身体発育パーセンタイル曲線
 付録2:幼児(男子)身体発育パーセンタイル曲線
 付録3:乳児(女子)身体発育パーセンタイル曲線
 付録4:幼児(女子)身体発育パーセンタイル曲線
 付録5:体重・身長から体表面積を算出するモノグラム
 付録6-1:水溶性ビタミンの摂取量
 付録6-2:脂溶性ビタミンの摂取量
 付録7:ミネラル・微量元素の摂取量
 
 和文索引
 欧文索引