基礎看護学[2]
基礎看護技術Ⅰ 第15版

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基礎看護技術I・IIでは、基礎看護技術についてただ単に方法や手順を学ぶのではなく、看護師として必要な判断力(問題解決能力・行動力)を身につけ、その判断に基づく介入および技術を適用できる能力を養うことを目標としています。 本書では、看護の入り口となる「第1章:コミュニケーション」、ケアの入り口となる「第2章:ヘルスアセスメント」、全体の流れを理解する「第3章:看護過程展開の技術」、「第4章:教育・指導」という項目立てとし、看護の流れを無理なく理解できる構成としました。 ヘルスアセスメントにおいては、各系統別のアセスメント技術について目的・基礎知識・方法を丁寧に解説し、成人看護学や臨床へとつなげられるものを目ざしました。 看護過程展開の技術や教育・指導については、適宜事例を取り入れることによって、理解を深められるように工夫しました。
シリーズ 系統看護学講座
有田 清子 / 今井 宏美 / 榎本 麻里 / 坂下 貴子 / 茂野 香おる / 高橋 裕子 / 丹生 淳子 / 松尾 理代 / 屋宜 譜美子
発行 2011年01月判型:B5頁:304
ISBN 978-4-260-01090-0
定価 2,860円 (本体2,600円+税)
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はしがき

 少子高齢化や疾病構造の変化,医療の高度化など,医療・看護を取り巻く社会の状況は著しく変化しつづけ,保健・医療・福祉のいずれの現場においても看護師への役割期待がますます大きくなっている。社会の期待にこたえるためには,看護師1人ひとりが高度な看護実践力を身につけていかなければならない。しかし,現状としては看護基礎教育(専門学校,大学,養成所など)を卒業しただけでは社会のニーズにこたえられるだけの臨床実践力は身につかず,臨床看護師として働きながら,仕事上の訓練や仕事から離れての集合研修などを通して徐々に身につけていくことになる。さらには,一人前になりひと通りの業務をこなせるようになったとしても,発達しつづける医療技術に即応していくために,またより質の高い看護を追究していくために,学習しつづけていく必要がある。看護学生である皆さんは,生涯続く「学び」の道に一歩足を踏み入れたところである。基礎教育の学生であるこの期間に,生涯学びつづけるための基本的な学習姿勢を身につけていただきたい。
 このように,看護師は学習しつづける使命を負った職業であるが,見方をかえれば,学ぼうとする意志があれば学ぶことができる環境に恵まれた職種であるといえる。近年,病院をはじめとする施設の開設者には,看護師などに対する臨床研修の実施と看護師などがみずから研修を受ける機会を確保できるようにするための配慮や措置を講ずるように努めることが規定された(看護師等の人材確保の促進に関する法律第5条)。学ぶ機会は数多くあるが,いつ・なにを・どのように・どのような態度で学ぶのかは,それぞれの看護師が決めていくことである。学ぶということはけっして受け身の姿勢でなりたつものではなく,自己の特性を見極め,そのときどきの状況を考えながら学習内容と方法を自分で判断・選択できてこそ,効果的で有意義な学びができる。そして,自分で決めたことを主体的に学べば,学ぶことが楽しく感じられるようになるだろう。
 本書では,看護実践能力の基礎となる基本的な看護技術のうち,いわばその土台部分をなす技術を扱っている。それは,人間関係を形成するためのコミュニケーション技術,看護を計画的に展開する際に最も基本となるヘルスアセスメントの技術,アセスメントに基づく情報を活用して看護を計画的に展開する技術(看護過程の展開),さらには対象者の意志決定や治療への主体的な参画を支援する教育・指導技術である。これらの技術は,あらゆる看護場面において必要となる要素である。たとえば,援助を提供しようとする際に,相手との関係を築けなければ援助は成立せず,また援助の内容と方法に関しても科学的な思考のプロセス,つまり問題解決技法に基づいて決定されなければ,看護師の行動はまったく意味のないものに終わってしまう。本書では,とくに「考え方」や「向き合い方」を大事にしている。看護過程展開の技術を例にとれば,「知識の使い方」「それぞれの知識を関連させる方法」「実際におきていること(情報)を解釈する方法」などを詳細かつ具体的に解説し,初学者が考え方を学ぶ筋道を理解できるように配慮した。また,クリティカルに考える姿勢を身につけるための方略も掲載した。このような「考え方」を基礎教育の学生時代に身につけておけば,生涯みずから学んでいける力が備わるものと信じている。
 ともすると,マニュアル的な手順を追い求めたくなる看護技術であるが,本書を用いることによって,みずから考え,学ぶことのできる学習者になっていただけるよう願っている。
 2011年1月
 著者を代表して
 茂野香おる

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序章 看護技術を学ぶにあたって (茂野香おる)
 A 技術とはなにか
 B 看護技術の特徴
 C 看護技術の範囲
 D 看護技術を適切に実践するための要素
 E 看護技術の発展と習得のために
第1章 コミュニケーション (茂野香おる・今井宏美)
 A コミュニケーションの意義と目的
 B コミュニケーションの構成要素と成立過程
 C 関係構築のためのコミュニケーションの基本
 D 効果的なコミュニケーションの実際
 E コミュニケーション障害への対応
第2章 ヘルスアセスメント (榎本麻里・茂野香おる・有田清子・坂下貴子)
 A ヘルスアセスメントとは
 B ヘルスアセスメントの実際
 C 心理・社会状態のアセスメント
第3章 看護過程展開の技術 (坂下貴子・茂野香おる)
 A 看護過程とは
 B 看護過程展開の基盤となる考え方
 C 看護過程の各段階
 D 看護記録
第4章 教育・指導 (屋宜譜美子・丹生淳子・松尾理代・高橋裕子)
 A 看護における教育・指導とは
 B 健康に生きることを支える教育・指導
 C 健康状態の変化に伴う教育・指導
 D 看護のなかに含まれる教育・指導

巻末資料
さくいん

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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