専門基礎[2] 第12版
疾病のなりたち 感染と予防 [特論]臨床検査
本書の特長
もっと見る
●「疾患のなりたち」(病理)では、まず第2章で異常・病変の生じるメカニズムを図も交えて「総論」として詳しく述べるとともに、第3章の疾患(「疾患各論」)ともリンクするような解説に努めました。また第3章では疾患を絞り込み、1つの疾患がより深く理解できるように構成しました。
●「感染と予防」(微生物、感染症)では、近年重要度を増しているインフルエンザウイルスH5N1型や結核菌などの病原微生物について詳しく解説しています。全体の目次構成や内容に大きな変更はありませんが、詳細に見直しを行うとともに、各微生物について病原性をより詳しく扱い、臨床方面に役立てられるように工夫しました。
●「臨床検査」は、著者の交替に伴い、全面的な改訂となりました。看護現場において臨床検査の知識は必須であり、厳選した内容について平易な解説に努めました。また、採血法や検体の保存法など、重要な業務が具体的に解説されます。
*2012年版より表紙が新しくなりました。
シリーズ | 新看護学 2 |
---|---|
執筆 | 甲斐 明美 / 坂本 穆彦 / 〆谷 直人 / 山田 俊幸 |
発行 | 2010年01月判型:B5頁:296 |
ISBN | 978-4-260-00910-2 |
定価 | 2,530円 (本体2,300円+税) |
- 販売終了
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。
- 序文
- 目次
- 正誤表
序文
開く
はしがき
看護を取り巻く環境
私たちを取り巻く社会は目ざましい発展を遂げ,治療法や医療技術,医療情報処理装置などの進歩も日々とどまるところを知らない。しかし一方では,高齢化・少子化の著しい進行と疾病構造の変化,労働力人口の逓減,世界規模での経済的な環境の変化など,広く社会構造に根ざし,医療界に波及する大きな問題が重くのしかかっている。
それに伴って保健医療においても,法律・制度面だけでなく,業務の内容・運用や従事者の教育方針に関して真剣な検討や対応を迫られており,看護業務あるいは看護教育のあり方にもその影響が及びはじめている。
このように情勢が大きく変わろうとしている今,みなさんは「看護」という専門領域に進もうとしている。
看護の役割と「専門基礎科目」
看護とは,「病んでいる」人間,つまり病人(患者)を対象とし,その生命の維持,健康への回復を援助する専門業務である。病人は,正常な身体機能に異常をきたした人である。そのような病人を対象としたとき,看護技術を単に覚えたというだけでは,本当の看護は実践できない。病人の身体の内部で生じている異常の意味を科学的に理解し,病人が示す症状や状態が何に,どのように由来するのかということを追究しようとする姿勢が,看護実践の背景として必要とされるのである。
「専門基礎科目」は,医学・生物学領域の知識の習得を通して,病人を正しく,正確に見る基礎を養うことを目的としている。学ぶ内容は,正常な人体のしくみ(身体の構造・解剖)とはたらき(機能・生理),およびそれらが異常をきたした場合(疾患),異常のおこり方や原因(病態生理),あるいは疾患からの回復を促進する方法(治療)などである。
本書をもとに十分に学習し,しっかりとした知識を土台として,病む人の状態や心理が理解できる看護職者になられることを願ってやまない。
改訂の経過とカリキュラムの変遷
本書は,1970(昭和45)年に准看護学生のための教科書として初版が刊行された。以来,その役割とその重要性に鑑みて,医学・看護学および周辺諸科学の発展・分化や,社会の変化などをいち早く読み取りながら,定期的に改訂を重ね,看護の質の向上に資するべく対応してきた。さらに,教科内容の設定なども含めて,あえてこれを教科書に具体化して示してきた。
2002(平成14)年4月に行われたカリキュラムでは,以前に増して総授業時間数が大幅に引き上げられる一方,「看護と倫理」「患者の心理」や「精神看護」などの新たな教科が追加された。新設の教科は講座に取り込み,また授業時間数が大きく増えた「専門基礎科目」の各教科とも,情報・記載量などを考慮して改訂を行った。同時に,この間,学習者の利便を考慮しながら,記載内容の刷新・増補,解説の平易化を図り,より学びやすい教科書作りに努めてきた。幸い,このような編集方針は全国の教育施設から評価をいただき,本書を幅広く利用していただくこととなった。
改訂の趣旨
今回の本書の改訂では,専門基礎科目の中でも授業時間数が多い「疾病の成り立ち」(病理)は,病変発生の一般的なしくみ,各器官系統のおもな疾患(疾病)発生のなりたち(病態生理)から診断,治療までが広く,深く学べるものとした。また特論の「臨床検査」はカリキュラムに教科の指定はないが,従来,「疾病のなりたち」を補強し,医療職者に共通して必須の知識として位置づけてきた。今回は新たな著者によりすべて書き下ろされた。
「感染と予防」(微生物,感染症)は近年,インフルエンザの流行を見るまでもなく,ますます重要度を増しており,臨床の方面を中心として大幅に書き直しと加筆を行い,2007(平成19)年10月の感染症法改正にも対応させた。
准看護師教育は看護教育において,これからも重要な一角を占めていくであろう。本書はこれから機会あるごとに,有用で使いやすい教科書を目ざしていく所存である。本書を准看護師教育にご活用いただき,各位の忌憚ないご意見をお寄せいただければ幸いである。
2009年11月
著者ら
看護を取り巻く環境
私たちを取り巻く社会は目ざましい発展を遂げ,治療法や医療技術,医療情報処理装置などの進歩も日々とどまるところを知らない。しかし一方では,高齢化・少子化の著しい進行と疾病構造の変化,労働力人口の逓減,世界規模での経済的な環境の変化など,広く社会構造に根ざし,医療界に波及する大きな問題が重くのしかかっている。
それに伴って保健医療においても,法律・制度面だけでなく,業務の内容・運用や従事者の教育方針に関して真剣な検討や対応を迫られており,看護業務あるいは看護教育のあり方にもその影響が及びはじめている。
このように情勢が大きく変わろうとしている今,みなさんは「看護」という専門領域に進もうとしている。
看護の役割と「専門基礎科目」
看護とは,「病んでいる」人間,つまり病人(患者)を対象とし,その生命の維持,健康への回復を援助する専門業務である。病人は,正常な身体機能に異常をきたした人である。そのような病人を対象としたとき,看護技術を単に覚えたというだけでは,本当の看護は実践できない。病人の身体の内部で生じている異常の意味を科学的に理解し,病人が示す症状や状態が何に,どのように由来するのかということを追究しようとする姿勢が,看護実践の背景として必要とされるのである。
「専門基礎科目」は,医学・生物学領域の知識の習得を通して,病人を正しく,正確に見る基礎を養うことを目的としている。学ぶ内容は,正常な人体のしくみ(身体の構造・解剖)とはたらき(機能・生理),およびそれらが異常をきたした場合(疾患),異常のおこり方や原因(病態生理),あるいは疾患からの回復を促進する方法(治療)などである。
本書をもとに十分に学習し,しっかりとした知識を土台として,病む人の状態や心理が理解できる看護職者になられることを願ってやまない。
改訂の経過とカリキュラムの変遷
本書は,1970(昭和45)年に准看護学生のための教科書として初版が刊行された。以来,その役割とその重要性に鑑みて,医学・看護学および周辺諸科学の発展・分化や,社会の変化などをいち早く読み取りながら,定期的に改訂を重ね,看護の質の向上に資するべく対応してきた。さらに,教科内容の設定なども含めて,あえてこれを教科書に具体化して示してきた。
2002(平成14)年4月に行われたカリキュラムでは,以前に増して総授業時間数が大幅に引き上げられる一方,「看護と倫理」「患者の心理」や「精神看護」などの新たな教科が追加された。新設の教科は講座に取り込み,また授業時間数が大きく増えた「専門基礎科目」の各教科とも,情報・記載量などを考慮して改訂を行った。同時に,この間,学習者の利便を考慮しながら,記載内容の刷新・増補,解説の平易化を図り,より学びやすい教科書作りに努めてきた。幸い,このような編集方針は全国の教育施設から評価をいただき,本書を幅広く利用していただくこととなった。
改訂の趣旨
今回の本書の改訂では,専門基礎科目の中でも授業時間数が多い「疾病の成り立ち」(病理)は,病変発生の一般的なしくみ,各器官系統のおもな疾患(疾病)発生のなりたち(病態生理)から診断,治療までが広く,深く学べるものとした。また特論の「臨床検査」はカリキュラムに教科の指定はないが,従来,「疾病のなりたち」を補強し,医療職者に共通して必須の知識として位置づけてきた。今回は新たな著者によりすべて書き下ろされた。
「感染と予防」(微生物,感染症)は近年,インフルエンザの流行を見るまでもなく,ますます重要度を増しており,臨床の方面を中心として大幅に書き直しと加筆を行い,2007(平成19)年10月の感染症法改正にも対応させた。
准看護師教育は看護教育において,これからも重要な一角を占めていくであろう。本書はこれから機会あるごとに,有用で使いやすい教科書を目ざしていく所存である。本書を准看護師教育にご活用いただき,各位の忌憚ないご意見をお寄せいただければ幸いである。
2009年11月
著者ら
目次
開く
○疾病のなりたち (坂本穆彦)
第1章 疾患と病理学
A.病理学を学ぶにあたって
B.臨床医学における病理学
C.疾患の原因
第2章 疾患のなりたち-基本的病変
A.先天異常
B.物質代謝の異常
C.体液循環の異常
D.炎症
E.腫瘍
第3章 おもな疾患のなりたち
A.呼吸器疾患
B.循環器疾患
C.消化器疾患
D.血液・造血器疾患
E.内分泌・代謝疾患
F.脳・神経疾患
G.運動器疾患
H.腎・尿路疾患
I.女性生殖器・乳腺疾患
J.皮膚疾患
K.感覚器疾患
L.膠原病
○感染と予防 (甲斐明美)
第1章 微生物の基礎知識
A.微生物学の歩み
B.病原微生物(病原体)の種類
C.感染と発病
D.免疫
E.感染症の種類と予防
F.病原微生物と化学療法
G.常在細菌叢
H.滅菌・消毒
第2章 細菌
I 細菌の種類と特徴
A.細菌の分類
B.細菌の一般的性状と検査法
II おもな病原細菌
A.グラム陽性球菌
B.グラム陰性球菌・球杆菌
C.グラム陰性好気性杆菌
D.グラム陰性通性嫌気性杆菌
E.グラム陰性偏性嫌気性杆菌
F.グラム陽性無芽胞杆菌
G.グラム陽性有芽胞杆菌
H.らせん菌
I.スピロヘータ
J.マイコプラズマ科
K.リケッチア科
L.クラミジア目
第3章 ウイルス
I ウイルスの種類と特徴
A.ウイルスの性状と分類
B.ウイルスの検査法
C.ウイルス性疾患の予防と治療
II おもな病原ウイルス
A.DNAウイルス
B.RNAウイルス
第4章 真菌
A.真菌の種類と特徴
B.真菌感染症
第5章 原虫類
○[特論]臨床検査
第1章 臨床検査と看護 (山田俊幸)
A.臨床検査の意義と種類
B.臨床検査の介助における一般的な注意
C.検査データについての一般的知識
第2章 臨床検査とその介助法 (山田俊幸・〆谷直人)
A.一般検査
B.血液学的検査
C.血液生化学検査
D.免疫血清検査
E.微生物検査
F.遺伝子検査
G.病理検査
H.生理機能検査
〔付表〕おもな検査項目と基準値
さくいん
第1章 疾患と病理学
A.病理学を学ぶにあたって
B.臨床医学における病理学
C.疾患の原因
第2章 疾患のなりたち-基本的病変
A.先天異常
B.物質代謝の異常
C.体液循環の異常
D.炎症
E.腫瘍
第3章 おもな疾患のなりたち
A.呼吸器疾患
B.循環器疾患
C.消化器疾患
D.血液・造血器疾患
E.内分泌・代謝疾患
F.脳・神経疾患
G.運動器疾患
H.腎・尿路疾患
I.女性生殖器・乳腺疾患
J.皮膚疾患
K.感覚器疾患
L.膠原病
○感染と予防 (甲斐明美)
第1章 微生物の基礎知識
A.微生物学の歩み
B.病原微生物(病原体)の種類
C.感染と発病
D.免疫
E.感染症の種類と予防
F.病原微生物と化学療法
G.常在細菌叢
H.滅菌・消毒
第2章 細菌
I 細菌の種類と特徴
A.細菌の分類
B.細菌の一般的性状と検査法
II おもな病原細菌
A.グラム陽性球菌
B.グラム陰性球菌・球杆菌
C.グラム陰性好気性杆菌
D.グラム陰性通性嫌気性杆菌
E.グラム陰性偏性嫌気性杆菌
F.グラム陽性無芽胞杆菌
G.グラム陽性有芽胞杆菌
H.らせん菌
I.スピロヘータ
J.マイコプラズマ科
K.リケッチア科
L.クラミジア目
第3章 ウイルス
I ウイルスの種類と特徴
A.ウイルスの性状と分類
B.ウイルスの検査法
C.ウイルス性疾患の予防と治療
II おもな病原ウイルス
A.DNAウイルス
B.RNAウイルス
第4章 真菌
A.真菌の種類と特徴
B.真菌感染症
第5章 原虫類
○[特論]臨床検査
第1章 臨床検査と看護 (山田俊幸)
A.臨床検査の意義と種類
B.臨床検査の介助における一般的な注意
C.検査データについての一般的知識
第2章 臨床検査とその介助法 (山田俊幸・〆谷直人)
A.一般検査
B.血液学的検査
C.血液生化学検査
D.免疫血清検査
E.微生物検査
F.遺伝子検査
G.病理検査
H.生理機能検査
〔付表〕おもな検査項目と基準値
さくいん
正誤表
開く
本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。