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イラストでまなぶ生理学 第2版

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看護学生・看護職のみならず、医学生・コメディカルにも評判の高い生理学の入門書。第2版では、項目を追加して内容を刷新するとともに、イラストや図表などにも修正を加えた。キーワードを色文字にして強調、付属の赤色シートで暗記学習も可能。重要度に応じて3段階に文字の大きさを変える方式は従来通りだが、さらに知識の整理が容易なように工夫されている。国試問題もすべて最新のものに更新、復習に役立つようアレンジしている。
シリーズ イラストでまなぶ
田中 越郎
発行 2009年02月判型:B5頁:240
ISBN 978-4-260-00820-4
定価 3,300円 (本体3,000円+税)
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第2版によせて

 本書の初版発行以来10万部を突破したことを契機に,このたび改訂を試み,第2版を発行することとした.これまでこれほど多くの読者に本書を手にとっていただけたことは,著者として大変うれしい思いである.
 改訂にあたって,項目の追加は最小限にとどめ,内容を更に充実させることを心がけた.わかりにくいイラストには修正を加え,更に理解が深まるよう新たに書き加えたものもある.解説文の具体的な中味についても再考し,記述順を入れ替えるなどスムーズな学習の流れとなるよう再構成した.
 初版と同様,初めて生理学を学ぶ学生を対象に,重要な項目だけを重要な順にランク分けして説明したが,第2版では一層理解が深まるように,重要な語句を赤色文字で強調し,付録として色つきシートもつけた.
 本文は3つのランクに分けて書いてある.すなわち大見出し,中見出し,そして説明文である.当然,最も重要な事柄は大見出しとして書いてある.学生諸君は大見出しと中見出しの内容は必ず理解し記憶してほしい.そのまま記憶してもよいような文章になっているので丸暗記することもできる.説明文は内容理解のためのものなのでこれは読むだけにとどめてもよい.中見出しの文頭にはチェック欄が設けてあるので記憶の確認に使ってほしい.
 左ページには本文の内容をイラストで説明してある.かなり過激な比喩やデフォルメがしてあることもあるが,オリジナルでかつ覚えてほしいポイントを重要視するあまり,そのような図になってしまった.本書は生理学の参考書であるという立場から,教科書に必ず載っているような代表的な図や解剖学的な図はあえて省いた.必要に応じてそちらの教科書を参照してほしい.
 また,臨床的な事柄や最近のトピックなどは,コラムとして各ページの下段や章末に記載した.さらに生理学とは直接関係ないが,知っていると便利な事柄は巻末に付録として記載してある.こちらもぜひ目を通していただきたい.
 著者は,生理学を初めて学ぶ学生にとっては,大見出しと中見出しの内容を理解すればそれで必要かつ十分と考えている.しかし,医学部の学生にとっては本書の内容だけでは十分でないことを承知しておいていただきたい.
 生理学を学習するうえで理解・記憶しなければならないことは山ほどあるが,この第2版が,少しでも学生諸君のスムーズな学習の手助けとなれば幸いである.

 2009年2月
 田中 越郎

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 第2版によせて

第1章 体液
 細胞内液と細胞外液
 浸透圧
 モル濃度と浸透圧
 膠質浸透圧
 酸塩基平衡
 脱水
 バッファー
第2章 血液
 血液の成分
 血球
 赤血球
 ヘモグロビン
 貧血
 白血球
 血漿
 止血
 凝固と線溶
 血液型と輸血
 Rh式血液型とHLA
第3章 免疫
 自己と非自己
 細胞性免疫
 液性免疫
 アレルギー
第4章 循環
 循環器系の構造
 脈拍
 心音
 刺激伝導系
 心電図-1(心電図の波形と新幹線の動き)
 心電図-2(心電図の波形とオセロ)
 心電図-3
 不整脈
 血圧の変動
 収縮期血圧と拡張期血圧
 血圧測定
 末梢循環
第5章 呼吸
 呼吸と肺
 呼吸運動
 肺気量
 拘束性肺障害と閉塞性肺障害
 死腔と換気
 血液ガス
 呼吸性アシドーシスと呼吸性アルカローシス
 呼吸中枢
第6章 代謝
 栄養素
 糖質
 脂質
 蛋白質
 ATP(アデノシン三リン酸)
 物質代謝
 肥満
第7章 体温
 熱の産生と放散
 体温測定と体温の変動
 体温中枢と発熱
 汗
第8章 消化
 消化と吸収
 消化管
 食道・胃
 膵液
 胆汁
 腸の消化と吸収
 腸機能の調節
 肝臓の仕事
 ビリルビンと肝機能検査
第9章 排泄
 排泄と腎臓
 糸球体
 尿細管
 尿
 腎の内分泌機能,腎不全
 尿路
第10章 内分泌
 内分泌とホルモン
 ホルモンで記憶すること
 下垂体後葉
 下垂体前葉
 甲状腺,副甲状腺
 副腎
 膵臓
 性ホルモン
 生殖
第11章 神経
 ニューロン
 末梢神経
 自律神経の種類
 自律神経の機能
 中枢神経の性質
 中枢神経の構造
 大脳
 脊髄,伝導路
 反射
第12章 筋
 筋収縮のしくみ
 骨格筋
第13章 感覚
 刺激と感覚
 皮膚感覚と深部感覚
 痛覚と内臓覚
 視覚と眼球
 視力と網膜
 聴覚
 平衡覚,味覚,嗅覚
第14章 遺伝
 細胞の働き
 細胞分裂
 劣性遺伝と優性遺伝

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看護実践能力をつけるために活用できる生理学テキスト (雑誌『看護教育』より)
書評者: 山本 君子 (東京医科大学看護専門学校専任教員)
◆新カリ時代の学生指導のために

 今年度からスタートした新カリキュラムの最大のポイントは,看護実践力を身につけることにある。看護実践力とは,知識だけでなく,対象に合わせて個別的に,状況に応じて看護を提供する能力だと言える。このような能力を身につけるためには,人体を系統立てて理解し,健康・疾病・障害に関する観察力,判断力を強化する必要があり,解剖生理学は必修となる科目である。多くの看護学校でかなりの時間をとり詳しく講義されているが,しかし,学生たちからは「苦手」「分かりにくい」等の意見が多く聴かれる。一方で,国家試験合格に向けてどのようなテキストを望むかと学生に尋ねてみた際には,学生たちは“絵や図があり”,また“明るいカラーが使われている”と「一瞬見た目が分かりやすそう」「読んでみたいといった気持ちになる」と言っていた。

◆“学生たちが望むテキスト”

 本書は,初版発行以来10万部を突破するほど“学生たちが望むテキスト”なのである。重要な項目だけを重要な順にランク分けされ,また重要な語句にカラーを使い強調している。さらに,最も重要な事柄は大見出しとして書いてあり,次に重要な事柄を中見出しとし,理解し記憶するポイントが分かりやすい。このような内容であれば,「何から手をつけていけばよいのかがわからない」といった学生にも効果的である。学習を進めていくなかで,チェック欄もあることで,記憶した内容も明らかになる。また,確認問題として国試問題が記載されていることも大いに役立つ。

 従来は医師に講義を依頼することが多かった科目であったが,近年は看護教員が自分たちで担当するようになってきており,教員にとっても理解しやすい本書は大いに活用できると考える。フィジカルアセスメントでも解剖生理学の知識が重要であり,講義だけでなく臨地実習の場においても,学生が苦手とする生理学についての,例えば,「脱水」「不整脈」「血液ガス」等の項目も,短時間に指導する際に活用できる内容ばかりである。学生は,臨床現場の内容について大変興味・関心を持っているため,臨床的な事柄や最近のトピックスをコラムとして記載されているのもたいへん嬉しい。

◆“看護に必要な”生理学を

 看護者は医師とは違い,細分化された詳細の生理学の知識ではなく,“看護に必要な”生理学,つまり,対象を看護しなければならない生理学的な状態を,看護に必要な限りにおいて的確に,すばやく読み取れることが重要である。そのために本書を活用することで,人間の生理状態を把握し,全体と部分との連関が透視できるような体系化された生理学の知識が身につくと思われる。

(『看護教育』2009年8月号掲載)

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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