救急研修標準テキスト
初期研修で身につけたい救急診療のエッセンスをこの1冊に凝縮
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新しい卒後臨床研修制度では、すべての医師がプライマリケアの基本的な診療能力を身につけることを求めている。なかでも患者の救命に直結する救急医療は、医の原点でもあり、その知識と臨床技能は医師たるもの欠かすことのできないものである。本書は、初期研修の2年間に身につけたい救急診療のエッセンスを、日本救急医学会の研修カリキュラムに準拠してこの1冊に凝縮。研修医および指導医にとって、日々の救急研修の指針となる書である。
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- 書評
目次
開く
I. 日本救急医学会の研修カリキュラム
II. 救急医療システムの理解
III. 救急医療の基本
IV. 救急診療に必要な検査
V. 必修手技
VI. 頻度の高い症状の診断と対処
VII. 緊急を要する病態とその初期治療
VIII. 災害時医療
IX. 付録
索引
II. 救急医療システムの理解
III. 救急医療の基本
IV. 救急診療に必要な検査
V. 必修手技
VI. 頻度の高い症状の診断と対処
VII. 緊急を要する病態とその初期治療
VIII. 災害時医療
IX. 付録
索引
書評
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救急研修に必携の最新テキスト
書評者: 相川 直樹 (慶大教授・救急医学/慶大病院長)
平成16年に始まった「医師臨床研修制度」の2年間の研修を修了した一期生が,18年にはいよいよ医籍に登録される。
筆者は「医道審議会医師臨床研修検討部会」の委員として本制度構築に参画したが,「将来の専門性にかかわらず,2年間の臨床研修に専念し,プライマリ・ケアの基本的診療能力を身につけ,医師としての人格を涵養する」という基本構想から,内科,外科,ならびに救急医療(麻酔を含む)が「基礎研修科目」となったことは,わが国の臨床医育成にとって重要な改革であったと思っている。
救急患者は,既往歴や現病歴が不明で来院時から重症であることが多く,診断と治療に緊急を要する。診断と治療とを並行して進める必要があり,時に,緊急手術など,突然の治療方針変更を決断しなければならない。インフォームドコンセントを得られない患者や,家族との連絡が取れないことも多く,届出や法的手続を要する傷病が多いことなど,救急現場では,内科や外科の患者への対応とは異なる対応が求められる。
救急医療の研修が始まってみると,研修にはさまざまな問題があることが浮き彫りとなった。救急医療を体系づけて指導することのできる「救急科専門医」などの専任の医師がいない研修施設では,急遽,救急医療の研修指導者を確保する必要が生じた。さらに問題となったのは,「研修医向けのテキスト」がなかったことである。
すでに,医学書院からは『標準救急医学』と『救急レジデントマニュアル』という救急専門書が発行され,改訂を重ねているが,この度「日本救急医学会監修」により上梓された『救急研修標準テキスト』は,医師臨床研修制度に則した救急医療の研修を効率よく行うことを目標として編集された点で,研修現場では使いやすいテキストであり,医学部を卒業したての研修医向けに書かれている良書である。
執筆者は日本救急医学会の会員で,専任で臨床現場に従事している中堅の救急科専門医が多い。医師になりたての研修医に先ず何を教えなければならないかを心得た執筆者たちによる各章は,具体性に富んでいる。特に,VI章「頻度の高い症状の診断と対処」,VII章「緊急を要する病態とその初期治療」は,まさに,新臨床研修制度が求めている,「幅広い基礎的診療能力を有する臨床医の育成」に必須の知識が集約された研修指導書となっている点で,高く評価したい。
救急研修の最適・必携のテキスト
書評者: 矢崎 義雄 (独立行政法人国立病院機構・理事長)
このたび新たに発足した卒後臨床研修制度はこれまで,将来めざす専門領域を中心に研修が行われていたところを,すべての医師がプライマリ・ケアにおける基本的な総合診療能力を修得して,全人的な医療を提供できることを目標に,抜本的に改革された。そのために,内科や外科といった基本的な診療科の研修を受けるとともに,救急医療を研修することを義務づけることになった。これは,そもそも救急医療では生命を直接脅かす重篤な病態を呈する患者から,プライマリ・ケアの初療まで広い領域にわたる診療が行われ,しかも迅速な診断と治療方針の確立が常に求められている厳しい臨床現場であることによる。すなわち,研修医にとってプライマリ・ケアに関わる実践的な診療能力を幅広く,しかも効率よく修得できる研修の場に最も適していることから,新制度のもとでの研修目標達成のために,救急医療の研修が欠かせないところとなった。
しかし,救急の医療現場においては多様な病態を呈する患者の初療にあたることから,プログラムに沿った体系的な教育研修が実際には困難なことが多い。そこで,救急医療システムを理解し,救急研修における実践的な知識や手技を的確に修得するための,しかも研修医や指導医双方にとって日々の研修における指針となるような標準化されたテキストが求められているところである。
『救急研修標準テキスト』は,このような研修現場でのニーズに応えて企画編集された最適で最初の必携となる手引書といえる。従前より日本救急医学会の監修のもとに「標準救急医学」が刊行され,医学生,研修医をはじめ多方面から好評を受けて広く愛用されてきたところである。このたび36年ぶりに改革された新医師臨床研修制度のもと,必修化された救急医療研修に向けた指針として,日本救急医学会は「卒後臨床研修における必修救急研修カリキュラム」を作成した。本書は,このカリキュラムに準拠して,救急医療における診療能力を確実に修得できることをめざして,再び日本救急医学会の監修のもとで実践的なテキストとして刊行されたものである。
本書の刊行にあたっては,現在の救急医療の最前線で診療と教育にたずさわって活躍されている先生方が執筆され,救急医療の基本となる手技・検査から,症候別そして重症度別の病態と患者についての診断・治療のすすめ方など,実際の救急研修現場で必要不可欠な内容が体系的にそして実践的な視点から解説されている。さらには,近年の社会情勢から,大規模災害,テロリズムを中心とした災害時医療に関しても項目を設けるなど,最新の情報と細やかな配慮により,一層充実した内容になっている。
本書が,臨床医の必修となる救急医療の適切な研修の実践に利用され役立つことになれば,患者本位の医療が実現し,患者の幸せにも直結する大変素晴らしいことになると思っている。
書評者: 相川 直樹 (慶大教授・救急医学/慶大病院長)
平成16年に始まった「医師臨床研修制度」の2年間の研修を修了した一期生が,18年にはいよいよ医籍に登録される。
筆者は「医道審議会医師臨床研修検討部会」の委員として本制度構築に参画したが,「将来の専門性にかかわらず,2年間の臨床研修に専念し,プライマリ・ケアの基本的診療能力を身につけ,医師としての人格を涵養する」という基本構想から,内科,外科,ならびに救急医療(麻酔を含む)が「基礎研修科目」となったことは,わが国の臨床医育成にとって重要な改革であったと思っている。
救急患者は,既往歴や現病歴が不明で来院時から重症であることが多く,診断と治療に緊急を要する。診断と治療とを並行して進める必要があり,時に,緊急手術など,突然の治療方針変更を決断しなければならない。インフォームドコンセントを得られない患者や,家族との連絡が取れないことも多く,届出や法的手続を要する傷病が多いことなど,救急現場では,内科や外科の患者への対応とは異なる対応が求められる。
救急医療の研修が始まってみると,研修にはさまざまな問題があることが浮き彫りとなった。救急医療を体系づけて指導することのできる「救急科専門医」などの専任の医師がいない研修施設では,急遽,救急医療の研修指導者を確保する必要が生じた。さらに問題となったのは,「研修医向けのテキスト」がなかったことである。
すでに,医学書院からは『標準救急医学』と『救急レジデントマニュアル』という救急専門書が発行され,改訂を重ねているが,この度「日本救急医学会監修」により上梓された『救急研修標準テキスト』は,医師臨床研修制度に則した救急医療の研修を効率よく行うことを目標として編集された点で,研修現場では使いやすいテキストであり,医学部を卒業したての研修医向けに書かれている良書である。
執筆者は日本救急医学会の会員で,専任で臨床現場に従事している中堅の救急科専門医が多い。医師になりたての研修医に先ず何を教えなければならないかを心得た執筆者たちによる各章は,具体性に富んでいる。特に,VI章「頻度の高い症状の診断と対処」,VII章「緊急を要する病態とその初期治療」は,まさに,新臨床研修制度が求めている,「幅広い基礎的診療能力を有する臨床医の育成」に必須の知識が集約された研修指導書となっている点で,高く評価したい。
救急研修の最適・必携のテキスト
書評者: 矢崎 義雄 (独立行政法人国立病院機構・理事長)
このたび新たに発足した卒後臨床研修制度はこれまで,将来めざす専門領域を中心に研修が行われていたところを,すべての医師がプライマリ・ケアにおける基本的な総合診療能力を修得して,全人的な医療を提供できることを目標に,抜本的に改革された。そのために,内科や外科といった基本的な診療科の研修を受けるとともに,救急医療を研修することを義務づけることになった。これは,そもそも救急医療では生命を直接脅かす重篤な病態を呈する患者から,プライマリ・ケアの初療まで広い領域にわたる診療が行われ,しかも迅速な診断と治療方針の確立が常に求められている厳しい臨床現場であることによる。すなわち,研修医にとってプライマリ・ケアに関わる実践的な診療能力を幅広く,しかも効率よく修得できる研修の場に最も適していることから,新制度のもとでの研修目標達成のために,救急医療の研修が欠かせないところとなった。
しかし,救急の医療現場においては多様な病態を呈する患者の初療にあたることから,プログラムに沿った体系的な教育研修が実際には困難なことが多い。そこで,救急医療システムを理解し,救急研修における実践的な知識や手技を的確に修得するための,しかも研修医や指導医双方にとって日々の研修における指針となるような標準化されたテキストが求められているところである。
『救急研修標準テキスト』は,このような研修現場でのニーズに応えて企画編集された最適で最初の必携となる手引書といえる。従前より日本救急医学会の監修のもとに「標準救急医学」が刊行され,医学生,研修医をはじめ多方面から好評を受けて広く愛用されてきたところである。このたび36年ぶりに改革された新医師臨床研修制度のもと,必修化された救急医療研修に向けた指針として,日本救急医学会は「卒後臨床研修における必修救急研修カリキュラム」を作成した。本書は,このカリキュラムに準拠して,救急医療における診療能力を確実に修得できることをめざして,再び日本救急医学会の監修のもとで実践的なテキストとして刊行されたものである。
本書の刊行にあたっては,現在の救急医療の最前線で診療と教育にたずさわって活躍されている先生方が執筆され,救急医療の基本となる手技・検査から,症候別そして重症度別の病態と患者についての診断・治療のすすめ方など,実際の救急研修現場で必要不可欠な内容が体系的にそして実践的な視点から解説されている。さらには,近年の社会情勢から,大規模災害,テロリズムを中心とした災害時医療に関しても項目を設けるなど,最新の情報と細やかな配慮により,一層充実した内容になっている。
本書が,臨床医の必修となる救急医療の適切な研修の実践に利用され役立つことになれば,患者本位の医療が実現し,患者の幸せにも直結する大変素晴らしいことになると思っている。
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