精神看護学[1]
精神看護の基礎 第3版
本書の特長
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●本巻は精神看護学の基礎編ないし理論編にあたるものです。初学者が混乱なく全体像が見渡せるよう、明瞭簡潔にまとめました。
●第1章では、健常といわれる人々と精神障害者といわれる人々の「連続性」に着目し、精神の健康と障害についての基本的な考え方を学びます。
●第2章では、「心」とは何か、「人格」とは何かを示すとともに、心の危機の内実について解説します。
●第3章は、精神医療に欠かせない「グループ」の理論と実際について、具体的な例とともにイメージ豊かに紹介します。
●第4章は疾患論です。精神疾患をもつと具体的にどのような症状に苦しめられるのか(症状別解説)、統合失調症など各疾患はどのような特徴をもつのか(疾患別解説)などを、詳細かつ科学的に解説します。
●第5章は治療論です。看護師は精神科の治療をどのようにとらえたらよいかという総論から、具体的な薬物療法、精神療法、社会療法などの各論まで、精神科治療の全体を概括します。
●第6章では、歴史という縦軸、社会学という横軸から精神障害について学ぶとともに、実践に必要な法制度についても解説します。
*2011年版より表紙が新しくなりました。
シリーズ | 系統看護学講座 |
---|---|
著 | 武井 麻子 / 末安 民生 / 小宮 敬子 / 式守 晴子 / 江口 重幸 / 相田 信男 / 濱田 秀伯 / 橘田 昌也 / 長嶺 敬彦 |
発行 | 2009年02月判型:B5頁:320 |
ISBN | 978-4-260-00669-9 |
定価 | 2,420円 (本体2,200円+税) |
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- 目次
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序文
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はしがき
第3版の序
1968年に刊行された「系統看護学講座」に,精神看護学の先達である外口玉子先生が『成人看護学:精神疾患患者の看護』を書かれてから40余年がたつ。本書の筆者たちの中心は外口先生のテキストで学び,精神看護を志したといっても過言ではない。そこでふれた事例は,現場の息吹をいきいきと伝えるものであった。本書でも,理論だけではない看護の現場のリアリティを伝えようという意気込みをできるかぎり受け継いでいくことを心がけた。
しかし,年々,社会の変化はスピードを増し,精神看護の対象となる人々も場も,大きく様変わりしてきた。精神科で治療を受ける人々のほかにも,さまざまな精神健康上の問題をかかえケアを必要とする人々がふえ,そのニーズも多様化してきている。いまや精神科だけにとどまらず,一般診療科,さらには地域におけるさまざまな施設や組織などで,精神看護の考え方や方法が必要とされる時代となってきたといえる。
また,心のケアといっても,身体のケアとは切り離してはありえず,その両者を統合した理論や実践が求められるようになってきた。そこで,本書では,あらゆる場で応用可能な対象理解や自己理解を進めるため,人間の心理面だけでなく,生理的・身体的側面をも重視することにした。
また,本書ではとりわけ関係に注目した。関係のなかの人間という観点から,言語的・非言語的なコミュニケーションのあり方についても詳しく論じている。さらには,個人対個人のレベルにとどまらず,家族や組織,チームといった集団のなかの人間の営みをとらえ,その背後にあるダイナミクスまでも視野に入れている。
そしてもちろん,社会の理解も必要不可欠である。病いはすぐれて個人的な体験でありながら,社会の歴史・文化・経済などの影響を強く受けるものだからである。とりわけ地域においては,医療・看護・保健・福祉の領域の垣根を越えた協力体制は必要不可欠になった。本書では,そうした相互理解が進むよう,それぞれの領域を代表する書き手によって,わかりやすく解説がされている。
最後に,本書では患者・当事者の視点をできるだけ取り入れることにした。現場はさまざまな矛盾に満ち,ケアを提供する者自身,悩みながらケアしていかなければならないことも多い。読者は,このテキストを通して患者・当事者の思いにふれ,真のパートナーシップをどうしたら築いていけるかをともに考えていってほしい。
ケアする者もケアされる者も,希望を見失うことなく,互いに手を携えながら未来を切りひらいていくことのお手伝いができれば,著者としてはこのうえない喜びである。
2008年12月
著者を代表して
武井麻子
第3版の序
1968年に刊行された「系統看護学講座」に,精神看護学の先達である外口玉子先生が『成人看護学:精神疾患患者の看護』を書かれてから40余年がたつ。本書の筆者たちの中心は外口先生のテキストで学び,精神看護を志したといっても過言ではない。そこでふれた事例は,現場の息吹をいきいきと伝えるものであった。本書でも,理論だけではない看護の現場のリアリティを伝えようという意気込みをできるかぎり受け継いでいくことを心がけた。
しかし,年々,社会の変化はスピードを増し,精神看護の対象となる人々も場も,大きく様変わりしてきた。精神科で治療を受ける人々のほかにも,さまざまな精神健康上の問題をかかえケアを必要とする人々がふえ,そのニーズも多様化してきている。いまや精神科だけにとどまらず,一般診療科,さらには地域におけるさまざまな施設や組織などで,精神看護の考え方や方法が必要とされる時代となってきたといえる。
また,心のケアといっても,身体のケアとは切り離してはありえず,その両者を統合した理論や実践が求められるようになってきた。そこで,本書では,あらゆる場で応用可能な対象理解や自己理解を進めるため,人間の心理面だけでなく,生理的・身体的側面をも重視することにした。
また,本書ではとりわけ関係に注目した。関係のなかの人間という観点から,言語的・非言語的なコミュニケーションのあり方についても詳しく論じている。さらには,個人対個人のレベルにとどまらず,家族や組織,チームといった集団のなかの人間の営みをとらえ,その背後にあるダイナミクスまでも視野に入れている。
そしてもちろん,社会の理解も必要不可欠である。病いはすぐれて個人的な体験でありながら,社会の歴史・文化・経済などの影響を強く受けるものだからである。とりわけ地域においては,医療・看護・保健・福祉の領域の垣根を越えた協力体制は必要不可欠になった。本書では,そうした相互理解が進むよう,それぞれの領域を代表する書き手によって,わかりやすく解説がされている。
最後に,本書では患者・当事者の視点をできるだけ取り入れることにした。現場はさまざまな矛盾に満ち,ケアを提供する者自身,悩みながらケアしていかなければならないことも多い。読者は,このテキストを通して患者・当事者の思いにふれ,真のパートナーシップをどうしたら築いていけるかをともに考えていってほしい。
ケアする者もケアされる者も,希望を見失うことなく,互いに手を携えながら未来を切りひらいていくことのお手伝いができれば,著者としてはこのうえない喜びである。
2008年12月
著者を代表して
武井麻子
目次
開く
序章 この本で伝えたいこと (武井麻子)
第1章 精神の健康と障害 (武井麻子)
A 精神の健康とは
B 精神障害の体験
C 精神障害のとらえかた
第2章 人間の心のはたらき (式守晴子・武井麻子)
A 人間の心の諸活動
B 心のしくみと人格の発達
C 危機介入とストレス理論
第3章 関係のなかの個人 (武井麻子)
A 全体としての家族
B 人間と集団
第4章 精神科で出会う人々 (江口重幸)
A 精神を病むことと生きること
B 精神症状論と状態像:理解への手がかり
C 精神障害の診断と分類
第5章 精神科での治療 (濱田秀伯・橘田昌也・相田信男・長嶺敬彦)
A 治療の前に考えておくべきこと
B 身体療法
C 精神療法
D 行動療法およびリラクセーション
E 環境療法・社会療法
F 集団精神療法
G 家族療法
第6章 社会のなかの精神障害 (江口重幸・末安民生・小宮敬子)
A 精神障害と治療の歴史
B 日本における精神医学・精神医療の流れ
C 精神障害と文化:多様性と普遍性
D 精神障害と社会学
E 精神障害と法制度
資料
1.精神保健ケアに関する法:基本10原則
2.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(抄)
3.障害者自立支援法(抄)
4.平均在院日数の数え方
5.精神医療史年表
索引
第1章 精神の健康と障害 (武井麻子)
A 精神の健康とは
B 精神障害の体験
C 精神障害のとらえかた
第2章 人間の心のはたらき (式守晴子・武井麻子)
A 人間の心の諸活動
B 心のしくみと人格の発達
C 危機介入とストレス理論
第3章 関係のなかの個人 (武井麻子)
A 全体としての家族
B 人間と集団
第4章 精神科で出会う人々 (江口重幸)
A 精神を病むことと生きること
B 精神症状論と状態像:理解への手がかり
C 精神障害の診断と分類
第5章 精神科での治療 (濱田秀伯・橘田昌也・相田信男・長嶺敬彦)
A 治療の前に考えておくべきこと
B 身体療法
C 精神療法
D 行動療法およびリラクセーション
E 環境療法・社会療法
F 集団精神療法
G 家族療法
第6章 社会のなかの精神障害 (江口重幸・末安民生・小宮敬子)
A 精神障害と治療の歴史
B 日本における精神医学・精神医療の流れ
C 精神障害と文化:多様性と普遍性
D 精神障害と社会学
E 精神障害と法制度
資料
1.精神保健ケアに関する法:基本10原則
2.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(抄)
3.障害者自立支援法(抄)
4.平均在院日数の数え方
5.精神医療史年表
索引
正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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