看護論文を英語で書く

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看護研究の構想段階から、文献レビューや研究計画の進め方、研究計画書や研究論文の書き方、さらに雑誌投稿論文へのまとめ方までが,方法だけでなく考え方と共に書かれた論文作成ガイドブック。例示されている論文は看護系雑誌からのものを英文も併記し、用語の選び方、文章の書き方が具体的に示されているので、より自然な英語で英文が書け、英文抄録などを書く際の格好の手引きとなっている。
Elizabeth M. Tornquist
園城寺 康子 / 田代 順子 / 渡邉 容子
発行 2007年02月判型:A5頁:304
ISBN 978-4-260-00240-0
定価 3,520円 (本体3,200円+税)
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推薦の序
日野原重明(聖路加看護大学名誉学長)

 本書は,看護研究を論文として発表するとき,どのように文章化し,掲載雑誌をどう選ぶか,各雑誌の投稿規定にそってどのように書くか,などについて,E. Tornquist氏が非公式の解説書として出版したものの翻訳である。本書の翻訳は,聖路加看護大学で英語教育担当の園城寺康子,看護研究法担当の田代順子,そして群馬県立県民健康科学大学で英語担当の渡邉容子の3氏が分担して行った。
 日本には2006年現在,144校の看護大学があり,そのうち86校には大学院研究課程としての修士課程や博士前期課程が,また37校には博士後期課程があるなど,看護大学や大学院研究科が増加しており,修士や博士の論文を書く学生の数は増えている。
 本書は,第1部「研究計画を書く」,第2部「学位論文,博士論文,研究論文の書き方」,第3部「研究論文から投稿論文を書く」,そして第4部「研究計画書,研究論文,投稿論文の準備の補足」の4部に分かれており,研究論文の書き方,研究助成の申請書の書き方,また諸論文のレビューの原稿の書き方などのモデルとなる資料や,研究者や教育者などの教材となる資料が数多く示されている。これまでに看護の分野で,このような内容の本が出版された例はあまりなかったように思う。
 医学論文については,その歴史は長く,研究の初心者は論文のプロトコールの作り方や論文の書き方の指導を直接に上司から受けてきたが,とくに看護の論文については,その研究の歴史が浅いので,若い看護の研究者は指導の上司をもつことが困難であった。日本の医学や看護学専攻の若い研究者にとって,よい上司を得ることは難しかったが,欧米,特に米国では研究法の学問が進歩していたので,医学だけでなく,看護学の領域でも,本書のような優れた指導書が数多く出版されてきた。本書はその総まとめとして,合理的に分類され,研究法の手法と論文の書き方が実例をもって,分かりやすく示されているので,これから研究を始めようとしている若い研究者や学生にとっては,非常に参考になる資料を提供してくれている。
 以上の意味で本書は,研究を始める若い看護職だけでなく,看護教育と研究を行う上で若手を教育している指導的立場の教官にとっても,よき教科書として活用されるべき内容であるが,同時に,論文の箇所が英語の原文でも併記されているので,看護論文を英語で書こうという方にも大いに役立つものとなっている。
 本書の翻訳の文章は適切であり,分かりやすい表現で書かれているので,読者は引き込まれるような気持ちで読み続けられるであろう。本書が,日本の看護学の研究論文の書き方のテキストとして,広く活用されることを期待するものである。
 2006年11月

序文

 本書は研究・調査について執筆しようとする看護師のためのハンドブックである。本書が提案するアドバイスは主としてビギナーの研究者向けであるが,なかには経験豊かな人に役立つものもあるだろう。そのような人たちも再検討したり,問題を抱えて解答を必要としたりするかもしれないからである。本書は主に3部構成で,(1)研究計画書,(2)学位論文,博士論文あるいは研究論文,(3)投稿論文,の3種類の研究・調査に関する文章の書き方のガイドブックとなっている。一部のアドバイスは第4部として補足にまとめてある。
 本書をまとめるにあたって,重複を避け,合理的に完全かつ独立したものになるように努力したが,各々の不足を補うため相互に参照できるようにした。だが,不足や重複は避けられない。例えば,研究計画書作成での文献レビューは学位論文や博士論文の場合と類似しているので,それらの文献レビューは簡単に扱い,研究計画書作成とは異なる点に関するアドバイスのみに留めた。したがって,学位論文の文献レビューをまとめる際に,研究計画書作成へのアドバイスを参照する必要がある。他方,計画書作成と学位論文の「方法」の部分は,類似点も相違点もあるので,重複記述はそのまま残した。
 本書の目的は,論文などを執筆する際のガイドブックとして使用されることにある。本書を通して読むと重複に気づくと思うが,レシピを読むような感覚で使用することをお勧めする。つまり,書き出す前に必要な項目を探すため,あるいは次にどうすればいいかに対するアドバイスを求めて使っていただきたい。執筆のための概論ではなく,実用的なハンドブックとして親しみやすいスタイルとした。読者の方に気に入っていただければ幸いである。

Elizabeth M. Tornquist

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第1部 研究計画を書く
 第1章 基本的アウトライン
 第2章 序論
 第3章 文献レビュー
 第4章 調査計画のための研究方法
 第5章 分析と利用計画
第2部 学位論文,博士論文,研究論文の書き方
 第6章 一般的なアウトライン
 第7章 根拠(序論と文献レビュー)
 第8章 研究論文における方法
 第9章 研究結果
 第10章 考察
第3部 研究論文から投稿論文を書く
 第11章 構成
 第12章 執筆計画を立てる
 第13章 標準的な投稿論文
 第14章 研究論文を投稿論文にする
 第15章 データから投稿論文を書く
第4部 研究計画書,研究論文,投稿論文の準備の補足

参考文献
訳者あとがき
索引

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