第2版序
2003年2月に出版された『医学書院医学大辞典』は《高い信頼性》,《内容の統合性》,《項目の網羅性》,《内容のビジュアル化》の4つを基本的なコンセプトとし,7年の経過を経て刊行された名実共にわが国の医学関係者の総力を結集した医学辞典であった。
上記のコンセプトを実現するため,医学・医療のあらゆる領域を漏れなくチェックし,結果として70の専門領域から100名を超える責任編集者,編集協力者に実務を委嘱した。また,《項目の網羅性》を目指し,できるだけ細かな項目まで収集に努めた。その結果本辞典では解説語約5万語,検索語約10万語に及ぶ項目を集めた。本辞典のもう1つの基本方針である《内容のビジュアル化》は,見やすいカラー写真,色図,略図が数多く掲載されていることによって担保された。
さらに本辞典では全頁が4色刷りとなっており,カラー写真と色図が両者合わせて約2,500枚の多さに及んでいる。また,カラー顕微鏡写真,内視鏡カラー写真,眼底写真,多数のCT・MRI像,血液像,超音波カラードプラ像,さらに概念図,手術術式の図などが多数掲載された。
上記に加えてノーベル医学生理学賞の受賞者をはじめ,医学の発展に貢献した人物をできるだけ数多く取り上げ,その業績を簡単に紹介していること,また人名のついた重要な症候群,病名等に関してそれらの疾患が世界で初めて報告された時の文献を紹介していることも本辞典の特徴といえよう。
幸いこの医学辞典は好評で,多くの方々によって愛用されたが,医学の進歩の速さを考えると,医学辞典は一定の時期を経て大幅な改訂を行うことが当然期待される。今回その期待に応えて第2版が刊行されることとなった。第2版の特徴を列記すると以下の如くになる。
すなわち
(1)判型を小型軽量なA5判に変更し,使用の利便性を大幅に向上させた。
(2)全項目にわたって最新かつ正確な内容の記述に改訂し,本辞典の基本コンセプトである《高い信頼性》の維持に努めた。
(3)1万語以上の見出し語を新たに追加収載。《項目の網羅性》をより高いレベルで体現させた。
(4)最新の重要用語を幅広い領域から収集し,約1,000の解説項目を追加。さらに他の医学大辞典には収載されていない解説の導入を行った。
(5)用語の使用実態を見て,最も多用される用語が解説の項目語となるよう見出し語の見直しを図り,知りたい解説により早く確実に到達できるよう改善した。
(6)全見出し語に読み仮名を併記し,解説中における用語への欧文名併記を拡充して,初学者への便宜を図った。
このような,大幅な改訂が行われた第2版が,初版に増して多くの読者に愛用されることを期待している。
2009年1月
総編集 伊藤正男
井村裕夫
高久史麿