患者の「なぜ」に答える
がん化学療法Q&A

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あなたは抗がん剤の種類や効果,副作用などについて尋ねられたことはありますか? 困りませんでしたか? 本書があればそんな心配はもう無用。国立がんセンター中央病院の医師たちが豊富な実例に基づいて,がん化学療法に関するQ&Aを整理・解説しました。
編集 渡辺 亨 / 飯野 京子
発行 2002年06月判型:A5頁:168
ISBN 978-4-260-33219-4
定価 2,200円 (本体2,000円+税)
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第I部 患者の「なぜ」に答える
 1 抗がん剤治療の必要性
 2 抗がん剤の効果とは
 3 臨床試験とは
 4 副作用は
 5 副作用と効果の関係は
 6 治療中の旅行は可能か
 7 投与方法
 8 生活上の注意
 9 長期治療で障害は
 10 新しい薬物治療
 11 民間療法との併用は
第II部 症状マネジメント15のQ
 12 悪心・嘔吐
 13 便秘
 14 口内炎
 15 下痢
 16 好中球減少
 17 発熱性好中球減少
 18 血管炎・抗がん剤漏出性皮膚障害
 19 神経毒性
 20 脱毛
 21 腎障害
 22 貧血・心毒性・肺毒性
 23 肝障害
 24 貧血・疲労感・抑うつ
 25 卵巣機能抑制
 26 皮膚障害

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がん化学療法看護のベストパートナー
書評者: 足利 幸乃 (日本看護協会神戸研修センター・認定看護師教育課程がん化学療法看護担当)
 本書は,がん化学療法看護への関心とニーズが高まっているこの時期タイムリーに刊行されました。本書のベースは,2002年「看護学雑誌」の1月号,5月号に掲載されたがん化学療法にかんする特集ですが,刊行のスピーディさには驚きを隠せません。本書の重要なコンセプトの1つに,編者渡辺亨先生が強調されている相互性(interactive)というものがあります。本書の特色であるQ&Aは,その相互性を強く意識した構成になっています。また,分子標的療法などの新しいトピックスに対しても応えており,がん化学療法の今という時期に対してもinteractiveな本となっています。
 本書は,26のQ(questions)とA(answers)が二部に分かれています。I部は,抗がん剤治療を受ける患者さんがよく持たれるQと,それに対するAであり,II部は,抗がん剤による副作用症状のマネジメントに対するQ&Aです。26のQは,国立がんセンター中央病院で抗がん剤治療にかかわる看護師の協力を得て作成されたもので,臨床的にも内容的にも重要でよいQがそろっています。そのQに対する答えは,この質問の答えはこうですという表面的なものではなく,それぞれQの意味と,どうしてその答えになるのかという「なぜ」が解説されています。この解説の中に,臨床腫瘍学や抗がん剤治療にかんする必須の基礎知識,最新の症状マネジメントの考え方やガイドラインが反映されています。
 本書のもう1人の編者である飯野京子先生は,抗がん剤治療を受ける患者の質問から逃げたり,患者のニーズにそわない情報提供や患者教育をしている看護を責任ある看護とよべるだろうかと看護を問うています。これが本書の2番目の重要なコンセプトであり,読者がこの本を読む目的となります。26のQ&Aをよく読み込み,その内容を自分の言葉で話すことができるまでになれば,抗がん剤を受ける患者さんやご家族からくるいくつかの質問に確実に答えられるようになれるでしょう。また,読者が抗がん剤について持たれている疑問のいくつかに対して,「わかった」,こういうことだったのかという答えが得られるかもしれません。
 抗がん剤治療にかかわるナースにとって,臨床腫瘍学,抗がん剤についての知識を持つことは不可欠ですが,それらの勉強をする上で適切な本は数少ないです。よい質問とよい答えは,知識の意味づけと獲得にいたる一番の近道です。本書は,がん化学療法のエッセンスを知りたいと思うがん化学療法領域で働くナース,がん化学療法についてもう一度知識の整理をしたいと考えているナースに強く勧めたい本です。読み易い本ですが,内容は要点をついて充実しています。26のQをご自身のQと重ねあわせながら,本書の内容が臨床で使える知識となるまで読み込んでほしいと思います。

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