はじめに
松尾 理(日本生理学会教育委員会委員長)
やさしい看護師さんの卵!
将来看護師さんを目ざしているみなさん! これからの時代には「患者さんにやさしく,信頼され,すべてをまかせられる!」ことが必要です。そのために,技能,態度,知識などがバランスよく備わるように学習しなければなりません。態度がよいと,患者さんは安心感,信頼感を増し,技能がよいと評判が上がることになりますが,この技能,態度にはともに,きちっとした「知識の裏づけ」が必要です。看護学生として多くの医学情報を学習していくとき,基本になるのが解剖生理学のことがらなのです。医学の基本として,今でもノーベル賞に医学・生理学賞という名前があるほど,重要なのです。
皆さんは,自分の身体が朝起きてから夜寝るまで,否,睡眠中もどのようなはたらきをして,正常に維持されているかを考えたことがありますか? 一日中のすべてのことを,医学用語で説明できれば,解剖生理学の基本がわかっているといえましょう。その理解していることを友人に説明して,ちゃんとわかってくれたなら,解剖生理学の理解は完璧といえましょう。そのような正常なメカニズムがなにかの異変により破綻して,症状として表に出ます。患者さんはその症状を訴えに医療機関を訪れるのです。症状の背景にある異常のメカニズムを病態生理的に説明できれば,患者さんにおこっていることが容易に理解できます。
勉強するとき,1人で机に向かうときとは別に,何人か集まって,あるテーマについて,グループで討論しながら勉強するのも効果的です。たとえば,出血したとき,どうして止血するのか? 止血しなかったらどうなるのか? 生まれつき出血しやすい人はどうなっているのか? などを,問い合い,答え合うようにするのです。1人での勉強とグループ学習をじょうずに組み合わせてください。
勉強のきっかけとして,授業で習ったところを中心にこの問題集でチェックすることをおすすめします。また定期試験の範囲を集中勉強するのにも,この問題集は適しています。間違ったら,なぜ間違ったかを解説を読んで理解し,逆に正解であっても念のため解説を読んで,知識をより正確に,そしてより強固なものにしていくのです。
このようにこの問題集が勉学のサイクルにじょうずに組み込まれたならば,この問題集発行の意図が十分達成されたことになります。医療の現場で,患者さんにやさしく,そして患者さんのことをよくわかっているすばらしい看護師さんなっていただくことを熱望しています!