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看護カウンセリング


(第2版)

著:広瀬 寛子

  • 判型 A5
  • 頁 320
  • 発行 2003年04月
  • 定価 3,080円 (本体2,800円+税10%)
  • ISBN978-4-260-33257-6
看護カウンセリングの役割や実践方法をさらに明確に解説
第2版では,看護カウンセリングの役割や実践方法を明確にするとともに,著者が積み重ねてきた「看護カウンセリング室」での実践を紹介。さらに緩和ケア領域における,がん患者に対する看護カウンセリングをはじめ,終末期の患者を持つ家族ケアも論じている。またサポートグループの必要性や役割についても紹介している。
書 評
  • 全面改訂! 経験から導かれたカウンセリング理論
    書評者:成田 善弘(名古屋市・桜クリニック)

    ◆著者の息づかいを感じる本

     本書は1994年に刊行された『看護カウンセリング』の第2版であるが,全面的に改訂されており,新しい本といってよい。『看護カウンセリング』というタイトルをあえて変えなかったのは,看護カウンセリングを通して成長してゆく著者のプロセスを示す本にしたいという編集者の言葉に...
    全面改訂! 経験から導かれたカウンセリング理論
    書評者:成田 善弘(名古屋市・桜クリニック)

    ◆著者の息づかいを感じる本

     本書は1994年に刊行された『看護カウンセリング』の第2版であるが,全面的に改訂されており,新しい本といってよい。『看護カウンセリング』というタイトルをあえて変えなかったのは,看護カウンセリングを通して成長してゆく著者のプロセスを示す本にしたいという編集者の言葉に従ったからだという。たしかに本書を読むと,著者のすぐ側でその息づかいを聞きながら歩みをともにする感じがする。

    ◆看護カウンセリングのすべて

     本書は第I部「総論」と第II部「各論」からなる。「総論」は4章からなり,看護カウンセリングの学問的位置づけ,臨床的位置づけ,基本的姿勢,そしてその発展が論じられている。著者は看護カウンセリングの特徴として,身体にアプローチすること,母性的存在として機能すること,患者の精神的ケアに関するニーズを把握すること,面接室だけでなくベッドサイドや自宅など患者の空間と時間に出向いていくこと,チーム医療の中で情報を共有することなどの諸特徴をあげ,医師,臨床心理士,一般の看護師などと比較しつつ,看護カウンセリングの独自性を明らかにしようとしている。「痛みやだるさの世界にいる患者に対しては,言葉による対話よりは,その世界に添って身体をさする」「意識水準の低下している患者に対しては,ただ黙って側にいることもある。そのときは患者の呼吸に合わせて呼吸する」などは,著者のいう看護カウンセリングの独自性が発揮されているところだろう。

     「各論」は5章からなっていて,看護カウンセリングの方法論,実際,機能,拡大が論じられ,終章「生きるということ」では患者,家族,ナース・カウンセラーの体験世界が語られている。いずれの章でも,著者が患者にどのようにかかわっているかが,著者自身の内面の動きにまで立ち入ってきわめて具体的に語られていて,患者に接するときの著者のはりつめた気持ち,繊細な感受性,押しつけを避けようとする節度などが痛いほどに伝わってくる。第2章「看護カウンセリングの実際」,なかでも「対話の中で具体的に気をつけること」は,ナース・カウンセラーに限らずすべての医療者にとって有益な内容である。ここには「普通の人の感覚を忘れない」「患者のプライバシーにもっと謙虚になる」「患者・家族の真実と医療者の解釈を混同しない」など,医療者が陥りがちな陥穽の鋭い指摘がある。第3章では患者,家族,医療者それぞれにとっての看護カウンセリングの機能が述べられ,第4章ではがん患者とその家族そして医療者へのサポート・グループについて述べられている。かかわりの中で患者だけでなく家族や医療者のニーズを把握し,それに応えるサポートを手作りで作っていく著者の行動力には敬服させられる。

    ◆体験を力に

     終章「生きるということ」では患者と家族とナース・カウンセラーの体験世界が語られる。第1版の序章で著者は自身の病の体験を述べていた。本書ではそれは省かれているが,それでもいたるところに著者自身の病の体験,さらに母親と父親を看取った体験がにじみ出ている。著者は患者,家族,ナース・カウンセラーのいずれをも一身に体験したのである。そしてその体験が病む人への著者の理解とかかわりをやさしく深いものにしている。本書は著者の中で個人的体験がより普遍的なものへとひらかれていくプロセスをよく示している。
目 次
第I部 総論
 第1章 看護カウンセリングの学問的位置づけ
 第2章 看護カウンセリングの臨床的位置づけ
 第3章 看護カウンセリングの基本的姿勢
 第4章 看護カウンセリングの発展に向けて
第II部 各論
 第1章 看護カウンセリングの方法論
 第2章 看護カウンセリングの実際
 第3章 看護カウンセリングの機能
 第4章 看護カウンセリングの拡大:サポートグループ
 終章 生きるということ:患者・家族とナース・カウンセラーの体験世界
文献
あとがき
索引
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