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統計学入門


(第7版)

著:杉田 暉道/杤久保 修

  • 判型 A5
  • 頁 192
  • 発行 2001年06月
  • 定価 2,592円 (本体2,400円+税8%)
  • ISBN978-4-260-13878-9
医学生・看護学生のための入門テキストの定番
“とっつきやすい統計学”として評判の入門書。できるだけ難しい数式を用いずに統計学の基礎が理解できるように配慮した。医療分野での身近な例題は,実験や調査での統計学的処理に役立つ。第7版では多変量の統計分析を充実させ,「公式と記号」の章を重要度に応じてランク分けした。全体にわたり見やすくなるようレイアウトを刷新した。
書 評
  • 統計が苦手な人のため最終解決書
    書評者:小田 清一(厚生労働省医政局政策医療課長)

     25年前の役人としてのスタートが厚生省統計情報部であったため,いくつかの看護学校で統計学の講義をさせられた。当時は,まだコンピュータによる統計解析も一般に行なわれていない時代であったため,テキストにも多変量解析などの手法は記載されていなかった。しかしながら,この頃に学んだ統計学の基本的な考え方は,...
    統計が苦手な人のため最終解決書
    書評者:小田 清一(厚生労働省医政局政策医療課長)

     25年前の役人としてのスタートが厚生省統計情報部であったため,いくつかの看護学校で統計学の講義をさせられた。当時は,まだコンピュータによる統計解析も一般に行なわれていない時代であったため,テキストにも多変量解析などの手法は記載されていなかった。しかしながら,この頃に学んだ統計学の基本的な考え方は,その後いろいろな分野での企画や行政調査をする上で大きく役立った。その後,コンピュータの機能は著しく向上し,各種の高度な統計解析ソフトが利用できるようになった。考えてみれば,現在私の机の上にあるパソコンは,当時統計情報部で使っていた最新鋭のコンピュータ以上の能力を有している。コンピュータの機能は,これからも想像を超えるスピードで発達していくのであろう。

    ◆本書を読んで統計学がわからなければ,打つ手なし

     現代の医療界のトレンドの1つに,Evidence-Based Medicine(EBM)がある。しかしながら,特に日本の医学分野では,このEBM評価に耐え得るRandomized Control Trial(RCT)に基づいて企画,実施された研究は非常に少ない。その他の医療関連分野の状況も推して知るべしである。このことについては,現在国をあげての組織的な取り組みが検討されているところであり,今後は,RCTも計画的に実施されていくことであろうし,EBM情報の集約と提供のための体制も早晩整備されるであろう。
     わが国でRCTに基づいた調査研究が遅れている理由はいろいろとあげられるが,その1つにRCTの重要性を理解すべき統計学的知識の普及が,臨床研究者の間で十分でなかったことがあると考えている。この一因として考えられるのは,適切な統計学書が存在しなかったことである。一般の統計学書には,統計学的な公式や記号が多用されており,数学が苦手だった人はそれだけでやる気を失ったり,ついていけなくなってしまう。
     本書には,統計学の基本的知識を統計学的な記号や難解な用語がほとんど使われておらず,公式や記号はすべて日本語で簡潔にわかりやすく解説されている。言い方を変えれば,本書を読んでもなお統計学がわからない場合は,まず他に手の打ちようがないとも言えるほどわかりやすい内容である。

    ◆奥の深い統計学テキスト

     また,本書は入門書であると同時に,現代の統計分析に必要不可欠な多変量の解析についても,その考え方,活用の仕方を,適切な例を示して簡潔に説明している。つまり本書は,統計学の入門書であるだけでなく,その後さらに統計学への興味を発展させる方向に導いてくれる,奥の深いテキストと言える。このような特徴から,本書は医療界はもとより,看護界,薬学その他の分野でも統計学の入門書として大いに役立つであろう。
     本書によって統計学を学び始めた人々が,必ずや日本の今後のEBMの向上と発展を担う人材に育ってくれるであろうことを期待したい。
目 次
1. 母集団と標本
 §1・1 標本の選び方
 §1・2 平均値と散布度
 §1・3 母集団の分布
 §1・4 統計学(推計学)において扱う問題
 
2. 平均値
 §2・1 母平均の推定
 §2・2 母集団の正常範囲
 §2・3 母平均と標本平均の比較
 §2・4 2つの標本平均の比較
 
3. 百分率
 §3・1 母百分率の推定
 §3・2 母百分率と標本百分率の比較
 §3・3 2つの標本百分率の比較
 §3・4 いくつかの標本百分率の比較(どちらかの組み分けが2つの場合)
 
4. 相関関係
 §4・1 相関
 §4・2 相関係数
 §4・3 順位相関
 
5. 多変量における統計分析
 §5・1 分散分析法
 §5・2 重回帰分析
 §5・3 判別分析
 
6. 標本の選びかた
 §6・1 調査または実験の目的の数
 §6・2 2つの標本の条件
 §6・3 妥当な標本の例数
 
7. 公式と記号
 
付表