人間理解のための看護的アプローチ
人間の健康問題の理解に不可欠な知識を解説
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看護者が対象を心理・社会的な面からアセスメントするには,心理学や社会学から発した用語を共通言語として理解しておく必要がある。本書では,(1)自己概念,(2)セルフケア,(3)役割,(4)ストレスとコーピングという4つのキーワードを中心に,それらの持つ意味と臨床的評価を概説。人間の健康問題を理解するのに不可欠な知識を解説する。
著 | 小松 美穂子 / 奥宮 暁子 / 前田 和子 / 堀内(巻田) ふき |
---|---|
発行 | 2001年10月判型:A5頁:232 |
ISBN | 978-4-260-33164-7 |
定価 | 2,860円 (本体2,600円+税) |
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- 目次
- 書評
目次
開く
第1章 自己概念
1 はじめに
2 自己概念と自尊心
3 アイデンティティ(同一性)
4 ボディイメージ
5 臨床への応用
6 事例
7 終わりに
第2章 セルフケア
1 はじめに
2 セルフケアという用語の定義と解釈
3 セルフケアの歴史
4 看護におけるセルフケア
5 セルフケアに影響を及ぼす因子
6 セルフケアの考え方・とらえ方
7 臨床への応用
8 看護介入について
第3章 役割
1 はじめに
2 基本的用語の定義と解釈
3 家族のとらえ方と家族役割
4 家族役割アセスメントと看護介入
5 事例
6 個人の社会的役割と病者行動
7 病者役割行動のアセスメントと看護介入
第4章 ストレスとコーピング
1 はじめに
2 用語の背景と定義
3 ライフサイクルとストレス
4 臨床への応用
5 コーピング障害の行動として考えられる事例
1 はじめに
2 自己概念と自尊心
3 アイデンティティ(同一性)
4 ボディイメージ
5 臨床への応用
6 事例
7 終わりに
第2章 セルフケア
1 はじめに
2 セルフケアという用語の定義と解釈
3 セルフケアの歴史
4 看護におけるセルフケア
5 セルフケアに影響を及ぼす因子
6 セルフケアの考え方・とらえ方
7 臨床への応用
8 看護介入について
第3章 役割
1 はじめに
2 基本的用語の定義と解釈
3 家族のとらえ方と家族役割
4 家族役割アセスメントと看護介入
5 事例
6 個人の社会的役割と病者行動
7 病者役割行動のアセスメントと看護介入
第4章 ストレスとコーピング
1 はじめに
2 用語の背景と定義
3 ライフサイクルとストレス
4 臨床への応用
5 コーピング障害の行動として考えられる事例
書評
開く
看護場面における人間理解のためのコンセンサスを集約
書評者: 菱沼 典子 (聖路加看護大教授/看護学部長)
平成に入ってから日本の看護教育は,急速に大学化が進行した。本書はそうした新興の大学の1つである茨城県立医療大学の創設期に,そこに集った教員が,領域を越えて学生に伝えていくべき共通点を見出そうと考え合い,コンセンサスを得られた結果である。
新しく大学を作っていく過程で,教育内容である看護そのものについて,これだけの検討がなされたこと自体が,特筆に値することではないだろうか。著者らの大学創設への真摯な努力と熱気が伝わってくる書物である。
◆人間理解のための4つの概念
本書は,看護場面における人間理解の心理社会的側面に関して,赤ちゃんからお年寄りまでに共通する視点を4つ取り上げ,その概念を解説し,さらに事例に適用してみせている。
4つの概念とは,「自己概念」,「セルフケア」,「役割」,「ストレスとコーピング」である。この4つを抽出した過程が記されていないのは残念であるが,あらゆる看護場面に共通する人間の見方として,1つひとつが興味深い項目であり,またこの組み合わせがおもしろいと思う。
大学における看護学教育は,各大学でさまざまな試みがなされており,定番がない現状であるが,少なくとも成長発達レベルのすべてを含むことには異論がないだろう。本書の4名の著者は,それぞれ小児看護学,母性看護学,成人看護学,老年看護学の専門家であり,どの領域でも使う概念を,豊富な幅広い年齢層の事例に適応させて解説している点で,1つの見方を学べるように工夫されている。たとえ同じ概念を使っていても,年齢別の各領域で強調点が異なるとバラバラにとらえがちなものであり,そこを原点に戻して年齢を超えた共通性を認識させることが,著者らのねらいと読み取れた。
◆期待されるさらなる展開
人間の理解には,分析の過程と分析結果の統合の過程が含まれるであろう。心理社会的側面の分析に用いるこの4つの概念がどのように関係し合うのか,分析結果をどのように統合して1人の人間をみていくのかは,本書では未知数である。また,看護において人間を理解する上では,本書で焦点を当てた心理社会的側面と身体的側面との統合もぜひ試みていただきたいと,今後のさらなる展開を期待している。
書評者: 菱沼 典子 (聖路加看護大教授/看護学部長)
平成に入ってから日本の看護教育は,急速に大学化が進行した。本書はそうした新興の大学の1つである茨城県立医療大学の創設期に,そこに集った教員が,領域を越えて学生に伝えていくべき共通点を見出そうと考え合い,コンセンサスを得られた結果である。
新しく大学を作っていく過程で,教育内容である看護そのものについて,これだけの検討がなされたこと自体が,特筆に値することではないだろうか。著者らの大学創設への真摯な努力と熱気が伝わってくる書物である。
◆人間理解のための4つの概念
本書は,看護場面における人間理解の心理社会的側面に関して,赤ちゃんからお年寄りまでに共通する視点を4つ取り上げ,その概念を解説し,さらに事例に適用してみせている。
4つの概念とは,「自己概念」,「セルフケア」,「役割」,「ストレスとコーピング」である。この4つを抽出した過程が記されていないのは残念であるが,あらゆる看護場面に共通する人間の見方として,1つひとつが興味深い項目であり,またこの組み合わせがおもしろいと思う。
大学における看護学教育は,各大学でさまざまな試みがなされており,定番がない現状であるが,少なくとも成長発達レベルのすべてを含むことには異論がないだろう。本書の4名の著者は,それぞれ小児看護学,母性看護学,成人看護学,老年看護学の専門家であり,どの領域でも使う概念を,豊富な幅広い年齢層の事例に適応させて解説している点で,1つの見方を学べるように工夫されている。たとえ同じ概念を使っていても,年齢別の各領域で強調点が異なるとバラバラにとらえがちなものであり,そこを原点に戻して年齢を超えた共通性を認識させることが,著者らのねらいと読み取れた。
◆期待されるさらなる展開
人間の理解には,分析の過程と分析結果の統合の過程が含まれるであろう。心理社会的側面の分析に用いるこの4つの概念がどのように関係し合うのか,分析結果をどのように統合して1人の人間をみていくのかは,本書では未知数である。また,看護において人間を理解する上では,本書で焦点を当てた心理社会的側面と身体的側面との統合もぜひ試みていただきたいと,今後のさらなる展開を期待している。
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